古田木綿子・山口達己展

6/30[木]―7/13[水]

niigata eya exhibition 632

 自然―雨、雲、雪、森や海には無数の絵が、立体・空間造形があふれ、生成・変化している。美術家はそれを描き、写すだけでなく、日本画のたらしこみや水彩画のにじみのように、表現にとりこんできた。紹介するふたりはそれと逆に、自分(人)が自然の側にとりこまれる、といいたくなる行為に夢中になってきた。それも尋常でない程度だ。表現に「主体」を見ようとする癖(へき)のある私は、困惑しながら、同じよう面白い、すごい、と心中叫んでもいる。表現とは、人とは、自然とは何かを感じ、考える企画がしたくなった。(企画者:大倉宏)

古田木綿子(こだ ゆうこ)
1971年秋田県湯沢市生まれ。97年新潟大学教育学部美術科彫塑専攻中退。96年アートギャラリーJOY-1、2022年ARTギャラリーHAFUで個展。海や川でアートワークス遊びをしたことが作品制作の土台。ジャンベや歌唱など主に即興での音楽の活動も行う。 YouTube「Koda Yuko」チャンネル

山口達己(やまぐち たつみ)
1969年愛知県岡崎市生まれ。96年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。サロン・ド・プランタン賞受賞。98年同校修士課程終了。2012年新潟市を拠点に、作家活動を開始。雨、葉、波、雪、風など自然の中へ出かけ、それと関わり制作をする。 www.yamaguchitatsumi.com

PHOTO(上左): 古田木綿子「Anima」2021年 29.8×21.0cm
PHOTO(上右): 山口達己「波12」2018年 103×145cm

古田木綿子 いつくしみ
PHOTO: 古田木綿子「いつくしみ」2022年 顔料・樹脂/フォト光沢紙 12.7×17.8cm

山口達己 波
PHOTO: 山口達己「波12」2018年 アクリル・水彩/紙 103×145cm(制作場所:新潟西海岸公園)

古田木綿子 しばし、しばし
PHOTO: 古田木綿子「しばし、しばし」2022年 顔料・樹脂/わら半紙 25.7×36.4cm 

山口達己 雪の華271
PHOTO: 山口達己「雪の華271」2022年 アクリル/紙 81.2×92.0cm(制作場所:湯殿山)


関連イベント

新潟市こども創造センター ワークショップ

新潟市こども創造センター・光と音のホール(新潟市中央区清五郎375-2)
対象:5歳以上18歳以下の子(小学2年生以下は保護者同伴)
参加料:1,000円/定員:各回15名(要申込)
完成した絵は当日お持ち帰り
申込先:新潟市こども創造センター TEL.025-281-3715

「ころがしアート」

講師:山口達己

8/11[木・祝]13:30-15:00 〈申込期間7/3~13〉
空きがあれば 7/17~先着受付

ころがしアート 山口達己

身近なものに絵の具をつけてパネルの上をころがし、その軌跡で絵を描く。

「墨絵をえがこう ―墨と水と?―」

講師:古田木綿子

9/11[日]13:30-15:00 〈申込期間8/7~17〉
空きがあれば8/21~先着受付

墨絵をえがこう 古田木綿子

「アワの現象」を取り入れ、刻々と変化する絵を観察し、描く。

斎藤應志展4

6/2[木]― 13[月]

niigata eya exhibition 630

 第45回全国町並みゼミ新潟市大会 が予定されており(6/11・12)、砂丘館では斎藤應志の昭和30年代の新潟の町(町並み)を描いた約400点の油絵を展示し(6/2―7/3)、新潟絵屋ではキャンバスの作品を紹介する。
 斎藤應志の自宅兼アトリエは、海辺の高台(砂丘上)の、松林のそばにあり、市営住宅の一部を改装した家で、今も建設当初の名残をとどめている。大正期に建てられたその市営住宅は、洋風瓦の乗るモダンなデザインで、旧市街の市民の目には立地とあいまってまぶしく映ったに違いない。「洋画(油絵)」そのものも、まだ日本人にはまばゆかった時代である。
 斎藤應志の絵の、ことに色の明るさは、そんな時代の「洋」の輝きを宿しているようだ。洋服も洋食も洋楽も、あまりにふつうとなりくすんでしまった今、一時代の前のその光が、逆に新鮮に、なぜか若々しく私たちの目に映じてくるのがおもしろい。(企画者:大倉 宏)

斎藤応志(さいとう おうし)
1903年中条町(現胎内市)生まれ。24年新潟師範学校卒業。戦前の民間主催の洋画公募展「新潟県展」(旧県展)の企画・運営に参画し、自らも同展に出品した。旧県展第1回で3点の作品が入選し、「選外特選」の「船」は市長賞を受賞。第4回で特選。白日会(大正13年創立)へ出品していた時代がある。戦後は中学校美術教師をしながら、新潟の風景や静物画を描き、数多くの個展を開催した。81年没。2019年新潟絵屋で弟との二人展「斎藤應志・鉄臣展」を、2020・21年個展開催。2021年に胎内市美術館で開催された「斎藤應志・鐡臣二人展」の圖録がこのほど刊行された。


斎藤應志展
PHOTO:「さざん花」制作年不明 油彩、キャンバス 27.3×22.0cm

 斎藤應志展
PHOTO:「アマリリス」 制作年不明 油彩、キャンバス 22.0×27.3cm


PHOTO:「たそがれの西堀」 制作年不明 油彩、キャンバス 41.0×31.8cm

斎藤應志展「造船」
PHOTO:「造船」制作年不明 油彩、キャンバス 31.8×41.0cm


同時期開催

6/2[木]― 7/3[日]
「新潟の肖像 1955―70 斎藤應志展」

昭和30年代の新潟市を描いた作品群を一挙に展示します。

9:00―21:00/月曜休館/観覧無料
会場:砂丘館 新潟市中央区西大畑町5218-1 
tel.025-222-2676

斎藤應志展
斎藤應志展
斎藤應志展
斎藤應志展
PHOTO(上から):「市役所の見える西堀」、「街の花賣り」、「紅い雲」、「焼け土蔵」


▶ 2021年 斎藤応志展 3
▶ 2020年 斎藤応志展 2
▶ 2019年 新潟の画家たち[前期] 斎藤応志・鉄臣展

▶ まちの日々180 vol.9『特集 新潟島』
斎藤應志さんの新潟の風景画をめぐる特集記事のほか、多彩な執筆陣が描き出す「新潟島」の記事が満載です。

中村 脩 写真展「レトロパースペクティブ」

6/15[水]― 28[火]

niigata eya exhibition 631

 角田浜の岩壁に、七面大天女岩屋と呼ばれる修験道の聖地がある。そこを撮した中村さんの写真に驚かされた。岩屋には独特の湿度と暗さがあるのだが、人の思念や思い込みなど安々と剥ぎ取った原初の自然。オーストラリアかアフリカの野生の大地を感じさせる明るさと力強さ。時間の尺度も空間の尺度も無辺際なはずだったこの天地はいつしか新潟とか越後とか名付けられてしまった。しかし写真は語る。時に荒々しく激しく、豊かなエネルギー溢れる世界。こんな表情の新潟もあったんだ、と新たな視点を投げ与えてくれる写真展だ。(企画者:田代早苗)

中村 脩(なかむら おさむ)
魚沼市出身。広告写真撮影のかたわらライフワークとして30年以上にわたり新潟県内の風景撮影。「水と土の芸術祭2009・15・18」「瀬戸内国際芸術祭2010」「大地の芸術祭2012・15・18・22」「房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2014・21」など公式記録担当。 新潟市景観審議委員・新潟広告賞審査員を歴任。日本広告写真家協会正会員。近年の個展は2014年「新潟原風景」(旧齋藤家別邸)、16年「プランツワークス」、20年「祈りの形あるいは形象」(SHIRONE PRESSO)ほか個展多数。他に地域イベントやコンサート企画、公募展主催など種々企画開催。
https://jphoto.jp

中村脩 写真展「レトロパースペクティブ」

中村脩 写真展「レトロパースペクティブ」


SHOP 蓮池もも作品 期間限定販売

Shop Information

4/20[水]11:00―6/30[木]24:00

 4月に開催した「蓮池もも展」では、個展終了後に通信販売サイトeyashopで作品をお求めいただける仕組みをご用意しました。
 実際に作品をご覧になられたい場合は、個別にご対応させていただきます。そのほかご不明な点などありましたら、お気軽にご連絡くださいませ。(担当:井上美雪)

蓮池もも(はすいけ もも)
1983年新潟市生まれ。2006年fullmoon upstairs、07・08・09・10・11年画廊Full Moon、12年砂丘館、15・16年ギャラリー島田(神戸)、16年ギャラリー枝香庵(銀座)、21年ギャラリーみつけで個展。新潟絵屋では10・12~21年毎年個展開催。俳誌『白茅』に画とエッセイの連載「森の奥 湖の底」を発表。近年は「momonote」や「コーヒーとタープ」などオリジナルグッズの絵を手がける。大地の芸術祭2022に参加予定。十日町市在住。

蓮池もも

PHOTO:「涙のプール 4」
2021年 額装外寸409×524×奥行25mm 税込50,160円 アクリルガッシュ/和紙

蓮池もも「マグカップ 3」
PHOTO:「マグカップ 3」
2022年 額装外寸268×218×奥行25mm 税込19,800円

蓮池もも


▶ ギャラリートーク 2022.6.30まで公開中

蓮池ももさんと大倉宏(本展企画者・美術評論家)のギャラリートークをYouTubeにてご覧いただけます。(31分間/公開期間2022.6.30まで限定)

伊津野雄二展

5/18[水]―31[火]

niigata eya exhibition 629

 10代後半から20代にかけて、奈良や京都の仏像を見て歩いた。
 飛鳥仏から白鳳、天平、貞観仏と時間軸を追って、ロボットのような顔・形が人に近づいていく。人の形をした神(仏)が感情や欲など人の内面を吸収していくように見えた。それでもどこかある一線で、どの像も人ならざる気配を保ち、向かい合うものの襟を正させる力を持っていた。
 そのとらえがたい「一線」の存在を伊津野雄二の女性像にも感じる。美しく、若いという言葉だけではいい表せない、見えない波動が流れ寄せ、目の襟がくきっと立ち、正される。彼女たちは感じている、うつくしく、かがやく、やわらかな、それでいて苦痛や悲しみにあふれる現代、あるいは現世を。そして厭離穢土欣求浄土的な別世界での救済ではなく、それでも今、こうして向かい合い、彼女たちが感じることを感じることの中にこそ光が、救いがあるのだと告げている。(企画者:大倉宏)

伊津野雄二(いづの ゆうじ)
1948年兵庫県生まれ。69年愛知県立芸術大学美術学部彫刻科中退。75年知多工房設立。木彫、家具木工芸を手がける。名古屋画廊(名古屋)、ギャラリー椿(京橋)、ギャラリー島田(神戸)、新潟絵屋で個展開催。作品集に『伊津野雄二作品集 光の井戸』(2013年 芸術新聞社)がある。

PHOTO(上):「都市」 2022年 楠 H37×W22×D15cm

都市の思想をはなれ
田園の思索をたどり
草木自然の思惟によりそう
あたふかぎりのわきまえをもってわたしたちの小舟は漂流する
こずえにうける微風をたよりに記憶の森の
小さな家をのせて
(伊津野雄二)


PHOTO:「ホーラ」 2021年 楠 H48(台座含む)×W20×D16cm

伊津野雄二展
PHOTO:「萌(きざ)し」 2022年 ジェルトン H31×W8×D12cm


▶ 伊津野雄二展 2018
▶ 伊津野雄二 彫刻展 巡回@ギャラリーみつけ
▶ 伊津野雄二展 2018
▶ 伊津野雄二 展 「手しごと 夢おくり」

吉冨ひろみ展 ―時の波打ちぎわで XIII―

5/7[土]―15[日]
Open Eya

 モチーフは水田とその周辺の植物・風景です。自然は奥深く、美しく、それ自体で完結しているように見えます。私は感動あるいは興味の本質に、絵画の言語でいかに切り込むか、に関心があります。しかし、それは、描いてみなければ分からない。描き終わった時、ああ、こう感じていたのか、と新発見するような作品こそ、私にとって意味があると言えます。(吉冨ひろみ)

PHOTO(上):「時の波打ちぎわで XI」2019年 ソフトパステル/綿布 130.3×162cm

吉冨ひろみ展
PHOTO:「時の波打ちぎわで XIII」2021年 ソフトパステル/綿布 162×162cm