8月2日sun―10日mon
vol.469
水は魅力的な物質だから、レンズを向ける写真家は多いに違いない。みやがわともこの、6年前の新潟絵屋での個展のモチーフも水だった。いい写真展だったが、水の魅力の前に興奮する写真家の方が見えて、思い返そうとすると、そちらが浮かんで水が見えない。
去年の夏、久しぶりに新しく撮ったという水のシリーズを見せられたとき、見はじめて数枚で、そこにいる写真家を忘れた。
写真家は興奮しているだろう。だがその興奮を表に出さず、息をひそめることを覚えた。水が見えた。水が皮膚であることが、皮膚が、皮膚であるというそれだけで、こんなにも多くを語るということが。2度、通覧して、目が水の色に染まっていた。 (企画 大倉 宏)
PROFILE
みやがわともこ
名古屋市生まれ。学生時代に写真に興味を持ち写真部に所属する。卒業後は中断していたが、その後東京へ移り2002年から松本路子主催の写真ワークショップに参加。03年秋から新潟市在住。09年新潟絵屋、15年3月ルーニィ・247フォトグラフィー、7月cafe&galeria PARADAにて個展。
PHOTO: 2013年 16.0×20.0cm