私たちは、画廊や美術館を巡るひとが増えるにはどんな環境が必要か、考え続けています。
2008年創刊、毎月無料配布の情報冊子です。
新潟島とその周辺のギャラリー&ミュージアムマップ | gallery & Museum Schedule 2016.4-5
2016年4月20日(水)- 5月25日(水)
私たちは、画廊や美術館を巡るひとが増えるにはどんな環境が必要か、考え続けています。
2008年創刊、毎月無料配布の情報冊子です。
新潟島とその周辺のギャラリー&ミュージアムマップ | gallery & Museum Schedule 2016.4-5
2016年4月20日(水)- 5月25日(水)
ドキュメンタリー映画作家 佐藤真の哲学 (里山社)
赤坂憲雄 飯沢耕太郎 大倉宏 小林茂 椹木野衣 諏訪敦彦 想田和弘 林海象 原一男 平田オリザ 港千尋 森達也 森まゆみ 他
第1章 「阿賀と日常」では旗野秀人が座談会に登場します。
368頁 (カラー16頁含) 3,780円 (税込)
「世界内存在」という言葉があります。ブランコがあるとすると、そのブランコに乗っている状態。寄付行為を、ブランコを外から揺らすのではなく、乗って動かすことだと考えてはどうでしょう。自分と寄付相手を含む世界を、世界のなかで動かそうとする行為だと。寄付相手の活動により、世界が自分のイメージする方向へ少しずつ動いていく。そんな行為の日常化が寄付文化の成熟だとすれば、日本でそれはまだまだ進行途上。寄付文化の成長を願いつつ、寄付を受け活動する存在として、認定NPOになったことを一つの契機に、新潟絵屋も活動の意義をもっと明確に発信していかねばと思う昨今です。
大倉 宏 (新潟絵屋代表)
4月22日fri―30日sat
vol.475
作家在廊予定日:4/23
周豪の絵は色彩がすばらしい。その魅力を考えていて、昔、学生のころ、色彩学の授業で学んだ「孔色(こうしょく)」を思いだした。空の色とか、穴の向こうに見える色などを指す言葉だ。
孔色には紙の色とか、石の色というときの紙や、石の「質感」がないかわりに、もの表皮から放たれた透明がある。周豪の絵独特の渋い色は孔色ではない。反対に、荒めのキャンバス地や絵の具の堅牢な質感がある。けれども豊かな質感を持つ色に、その豊かさに拮抗するほどの「透明」が感じられるのだ。シンプルで、表情に節度ある抑制を加えた形に、華やかとも穏やかとも違う、ある品格ある響きを、その見えざる透明がかもしだしている。(企画 大倉 宏)
周 豪(Thou HAO/つぉうはう)
1960年中国上海市生まれ。’90年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻版画コース修了。ポーランド、スロベニア、ノルウェーなどでの国際版画展、2001年CWAJ現代版画展(東京アメリカンクラブ/神保町)出品。’04年早稲田大学芸術学校非常勤講師、’05 ワークショップ特別講師(宇都宮美術館)、2008・
’10年Atelier Remy Bucciali(フランス)にて銅版画制作。町田市立国際版画美術館、武蔵野美術大学美術資料図書館、神州版画美術館(中国)、多摩美術大学美術館、フランスポスター美術館、アメリカボストン美術館、アメリカスミス大学美術館、ポーランド国立美術館などに作品収蔵。横浜市在住。http://zh1920.com
PHOTO: 「B.160123-56」2016年 油彩・キャンバス 11.5×19.7cm
4月12日tue―20日wed
vol.490
作家在廊予定日:4/12
渡邊博の絵に闇を感じてきたのは、絵そのものと、洲之内徹の彼の絵に触れたエッセイのせいだったかも知れない。そこには当時、30年以上前に渡邊が親しんでいた今昔物語を、洲之内が読んだ印象が書かれていて、その印象が「夜の暗さ」だった。
最近出た現代語訳で私もその今昔物語を読んでみた。僧侶が天皇と碁を打ち勝つ。褒美に金の枕をもらう。天皇は帰途、僧をおそわせてそれを奪い返す。それがいつものことなので僧侶は偽の枕を奪わせて本物をせしめ、それを砕いて寺を建てる…という話などを読んでいると、まるでチェーホフの短編みたいな人間味を感じて楽しい。うごめく人間たちが明なら、それを浮かべる物語の時空は暗であり、明暗あい乱れて流れていく、雲のような不定形空間は、まさに今の渡邊の絵のようだ。(企画 大倉 宏)
渡邊 博(わたなべ ひろし)
1938年新潟市生まれ。熊谷喜代治にデッサンを学び、後笹岡了一に師事。日展、光風会に出品し、66年光風会会員となるが、68年退会。以後は紀伊国屋画廊、美術ジャーナル画廊、現代画廊、ギャラリーXepia、ギャラリー汲美、(株)東京現像所、K’sギャラリー、セッションハウス(いずれも東京)、ギャラリーDEN(ドイツ・ベルリン)などで個展により発表。新潟での個展は91年新潟伊勢丹、2002・05・08・12年新潟絵屋。そのほか新潟絵屋で2013年久松温子との二人展開催。千葉県在住。
PHOTO: 「乾坤の扉」2015年 水彩・紙 91.0×91.0cm
4月2日sat―10日sun
vol.489
作家在廊予定日:4/2・3・9・10
中島佳秀が突然絵を描き始めたのが、7年前。動物のイメージの生命感が忘れ難い。2010年から3年続けて絵屋で展示をして、5年、間があいた。
久しぶりに見た新作は動物の像から、遠のいていた。鉛筆の削りかすを、紙の上から飛散させ、定着したという。紙に顔を近づけ、動かすと、目が指先になって、毎朝カミソリを当てる前に触るひげの「ぞりぞり感」が降ってきた。毛の感触である。遠のいたのではなくて、逆に至近距離に、毛肌にまで近づいたのだ。ぞりぞり感が目で見るひげではないひげだとすると、中島のこれらの絵は見える動物ではない動物――動くものとの接触である。(企画 大倉 宏)
中島佳秀(なかじま よしひで)
1975年京都市生まれ。都市計画・建築を学んだ後、独学で平面の制作を始める。2008年より個展を中心に平面作品の発表を行う。現在東京都在住。 http://www.yshdnkjm.com
PHOTO: 「何かいた場所」2015年 ミクストメディア・紙 60.0×60.0cm