Report 三つ編み観音の出張

 新潟絵屋の小さな庭に、石像があるのをご存知でしょうか。作者は漆山昌志さん(阿賀野市)。通称三つ編み観音は、いつもはもみじの木陰で、すずらんに囲まれて佇んでいます。砂丘館での「越境する職人の技展」に、三つ編み観音が出張しました。花のないツツジの前に置かれ、いつもは見れない西日に目を細めていました。(レポート 大倉 宏)

PHOTO: 写真・砂丘館の主庭で。

Report 池田早季恵「陶と苔展」スタンプラリー

池田早季恵 「陶と苔展」 スタンプラリー池田早季恵 「陶と苔展」 スタンプラリー

 池田早季恵さん(佐渡・城南窯)の陶作品に角谷絵里子さん(盆栽木木)が苔や盆栽を植え込んだコラボ展(5/22〜30)では、新潟絵屋近隣の旧小澤家住宅 北前船の時代館・日和山五合目・旧齋藤家別邸にご協力いただき、くじ引き付のスタンプラリーを開催。それらを巡る人で賑わい、各施設で働く人の交流にもなりました。日和山五合目には日和山 (標高12.3m)をモチーフにした盆栽作品が2点収蔵されました。(レポート 井上美雪)

記事: 池田早季恵 「陶と苔展」

池田早季恵 日和山
齋藤家別邸
齋藤家別邸
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池田早季恵 「陶と苔展」 スタンプラリーPHOTO: 消しゴムはんこは旧小澤家住宅の方の作

荻間 久美 展 「イデア―私の心臓」

6月22日wed―30日thu

vol.497

作家在廊予定日: 6/22〜26・30

 荻間さんが制作をする胎内市の坂爪勝幸工房を訪ねた。いつも制作以外のことが忙しいと坂爪さんが言った。土や釉薬を作る、草や木を刈る、などなど。用意されたものを使うのではなく、使うものは時間をかけて自分たちで作る。
新作は素焼き前の状態で、木枠の中で宙づりに浮かんでいた。木枠の天地左右を変えながら360度の視点で制作するためだ。いくつかは木枠時代を経て、ウレタンの上でごろんと転がっている。次の工程を待つ土の塊に期待を持った。火を受けてむくむくと力をつけそうだ。
荻間さんは後から次の言葉を寄せてくれた。
「イデア」という言葉には、もともと持っている本質という意味があります。私はその中心にある種のような、人の中心にある心臓のようなものに強く憧れを持っています。この多様で複雑な形は、私自身かもしれません。
(企画 井上 美雪)

荻間久美 (おぎま くみ)
1978年新発田市生まれ。2003年陶工房セラにて、06年坂爪勝幸工房(胎内市)にて制作。坂爪勝幸氏に師事。09年大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ妻有焼展入選。08年2人展 「ハナとウツワのカタチ」(カーブドッチ・薪小屋)、10年グループ展「この界隈のビジュツ―〈いま・ここ〉のパフォーマンスを上げる―」(ギャルリー炎舎)、12年グループ展「風の通り道」(芹川画廊/銀座)、水と土の芸術祭2012プレイベント「東日本大震災復興支援 松浜地区心意気ARTフェスタ」出品など。14年新潟絵屋にて個展。

PHOTO: 「イデア Complex Form」h35cm

栗田 宏 展

6月2日thu―10日fri

vol.495

作家在廊予定日: 6/2・5・9

 私の中では、映像や画像と言われるものの対極に絵がある。その意識と感覚を育んでくれたのが栗田宏の絵だった。複製できない、いま、ここ――現在の一刻、この地点に自分がいるという実感を磁石のように吸い寄せる「見えるもの」である、絵。
今回の展示では4年前に村松のギャラリーで発表した2点の白い絵を絵屋の壁に掛ける。図版という画像に変換されるとただの白にしか見えないだろう。けれど実際にそこにある絵は、画像を、画像的な見え方をつきやぶって、そこに在る。それを見る私も、ここに、いる。
数年前から体調をくずした栗田宏は、制作のペースをおそろしく緩めた。私がこの稿を書いている時点(2016年5月)でも、新作をまだ「準備中」だ。それでも新しい絵が1点、あるいは何点か生まれるだろう。そのために、栗田宏の展示を企画し続けたい。
(企画 大倉 宏)

栗田 宏 (くりた ひろし)
1952年白根市(現新潟市南区)生まれ。白根市役所に勤務し、在職中より絵を描き始める。その後、退職し絵に専念。「生成」「気」「密」などのテーマで制作を続ける。84・85年現代画廊(東京)、2000・02・04・14・15年新潟絵屋、04・05・07・08・09・10年画廊Full Moon、07年砂丘館、11年阿彌陀瀬(五泉市)にて個展。11年 「栗田 点 華雪」、13年 「平野充・栗田宏」開催。89年 「新潟の絵画100年展」(新潟市美術館)、新潟の絵画100年展」(新潟市美術館)、00年 「見えない境界 変貌するアジアの美術 光州ビエンナーレ2000(アジアセクション)日本巡回新潟展」(新潟県民ギャラリー)出品など。

PHOTO: 「而今」 左/1980年代 右/2000年代

蓮池 もも 展 「あお/あか」

6月12日sun―20日mon

vol.496

作家在廊予定日: 会期中毎日

 いきもの がいる。
あお/あかの連作を見て、そう思った。いきものと言うなら、草や木も大地も、風や崖や沼も生きている。そういう生命が、これまでの蓮池ももの絵にはあった。けれど、このいきものは、さわるとぬるっとしていたり、ぐにゃっとしていたり、体温があったり、くねったりまるまったりする、そういう 「いきもの」だ。けもの的、ホニュウルイ的と言ってもいいかも知れない。目が顔が、女のからだがあったりするから――だけでなく。
青と赤は、これまでの蓮池の絵をつらぬく色でもあった。凛とした、鉱物的な、直立的な、どこか毅然と〈はばむ〉色でもあった青と赤が、進化の階段をのぼって、受けいれる色、あおとあかに変態したようだ。(企画 大倉 宏)

蓮池もも (はすいけ もも)
1983年新潟市生まれ。2006年fullmoon upstairs、07・08・09・10・11年画廊Full Moon、12年砂丘館で個展。新潟絵屋では10・12・13・14・15年個展、15年ギャラリー島田にて個展開催。12・13・14年絵屋便・表紙絵を連載する。12年2月「新潟の画廊から 栗田 宏/アンティエ・グメルス/蓮池もも」(ギャラリーKANI/東京中野)出品。

6.15(水)蓮池ももギャラリートーク

19:00 聞き手:大倉 宏 参加料500円

PHOTO: 上「あお014」2015年

PHOTO: 下「あか014」2016年 ともにアクリルガッシュ・紙 14.8×10.5cm

蓮池もも展「あお/あか」

関連情報

2016.7.2(土)~7(木)

ギャラリー島田deux(神戸市)に巡回します。

7.2(土) 17:00 ギャラリートーク

聞き手:島田 誠