2016年7、8月

 7〜8月は全企画展でギャラリートークを開催しました。片桐翠展のトーク(7/22 写真)ではイギリス留学時代から始めたアニメーションも上映、今も好きだという「赤毛のアン」やベン・シャーンのことなど片桐さんの高変さ値の背後のさまざまが話題となりました。井田英夫展(7/8)では話題の大作「音戸の夜」の制作時のエピソードなどを聞き、坂爪展(7/15)では祖父から受け継いだ庭への興味が、長期入院した京都で、病院を抜け出し禅寺の庭を見て回ったことで再燃、新しい制作モチーフとなったこと、そしてミーヨン展(8/6)では十数年の間に撮った写真を、初めての子を亡くし、ひとりで過ごした日々の後で見直すことから写真集『Alone Together』が誕生したことなど、それぞれのドラマに接することができました。ほか神戸のギャラリー島田での蓮池もも展でもトークがありました(7/2)。白い壁の「赤と青」は、新潟絵屋の展示とはずいぶん違って見えました。(大倉宏)

井田英夫

↑PHOTO:井田英夫展トーク

↓PHOTO: 坂爪勝幸展トーク

坂爪勝幸 トーク

片桐翠 トーク

↑PHOTO: 片桐翠展トーク

↓PHOTO: ミーヨン展トーク

ミーヨン トーク

PHOTO: ギャラリー島田での蓮池もも展トーク

蓮池もも 島田

華雪書展「鳥」

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10月6日thu―10日mon

ところ 
二宮家住宅 一号米蔵
新潟県北蒲原郡聖籠町蓮野1087・県道204号線沿

じかん
10/6・7 13:00〜20:00
10/8・9 10:00〜20:00
10/10  10:00〜18:00
10/10 ★18:30〜堀川久子踊ル

 豪農の館の米蔵内部の大空間に、書家・華雪(かせつ)の書「鳥」を展示する。会場となる米蔵のある二宮家の日本庭園に接し、かつてはその一部であった湖「弁天潟」は、白鳥の飛来地でもある。華雪は、この地でどんな「鳥」を書こうというのか―
 東日本大震災の日、華雪は東京で姿の見えないたくさんの鳥たちの声を聞いた。今も忘れられない、その「たくさんの鳥の声」。今回は、その声を、鳥を、かたちにすることを試みる。震災の記憶から発する書の「鳥」は、潟を訪れる渡り鳥、日々の生活で目にする鳥、「見る人」一人ひとりの異なる思いを喚起し、それぞれの鳥をめぐる記憶と結びついていくだろう。新潟の蒲原平野の過ぎ去った時を蔵する米蔵で、書を見つめ、鳥を、鳥の声を、歴史を、それぞれの何かと出会う場としたい。
 会期最終日の夜、これまでもこの米蔵で人々の記憶に残るパフォーマンスを行ってきた、新潟市在住のダンサー・堀川久子の公演を、書が展示された空間で開催する。
(大倉宏)

華雪(かせつ)

1975年京都府生まれ。新潟では2004年以来、ほぼ毎年展示を行い、近年を抜粋すると、10年「日」(エフスタイル)、13年「人とひと」(室礼/岩室温泉)、「動/物」(新潟絵屋)、14年「家を巡る」(新潟絵屋)、15年「由」などつながりが深い。刊行物に『石の遊び』(平凡社)、『書の棲処』(赤々舎)、『ATO 跡』(between the books)など。『コレクション 戦争×文学』(集英社)、『石原慎太郎の文学』(文藝春秋)、『木の戦い』 (詩:タリエシン/エクリ)をはじめ書籍の題字も多数手がける。「ただようまなびや 文学の学校」、〈字を書く〉ことを軸としたワークショップを各地で行い、華道家・舞踏家・詩人らとのコラボレーションも多い。水と土の芸術祭2012出品。みちのおくの芸術祭山形ビエンナーレ2016出品。東京都在住。http://www.kasetsu.info

華雪展 「鳥」

photo:「鳥」

照明:伊藤裕一
主催・イベント申込・お問合せ:認定NPO法人新潟絵屋

■同時期開催情報

・本展にリンクした内容で、別会場でも展覧会があります

10/2(日)~10(月・祝)華雪展「生活」
ところ 新潟絵屋
新潟市中央区上大川前通10-1864
025-222-6888

・そのほか

坂口安吾生誕110関連イベントで華雪作品をご覧いただけます
10/6(木)~10(月)華雪展「ある女―坂口安吾『白痴』より」
ところ 砂丘館(旧日本銀行新潟支店長役宅)の一室
新潟市中央区西大畑町5218-1 
025-222-2676

  

■関連イベント 

10/10(月・祝)18時30分~ 堀川久子踊ル

 
参加費1,000円 要申込 
info@niigata-eya.jp

堀川久子(ほりかわ ひさこ)
1955年新潟市生まれ。美学校・小杉武久音楽教場で即興音楽について学ぶ。即興する身体を求めて、78年舞踊家田中泯のワークショップを受けて以来、98年までその全活動を共に行う。98年より新潟市を拠点に、独舞、ワークショップなど、新潟とヨーロッパを往復しながら場所に生きる踊りを模索。地域の芸能、特に古い盆踊りを踊り訪ね紹介する仕事にも力を注ぐ。オペラ作品への出演、音楽家、美術家などとの協働作業も多い。2016年オスロでT・ホンジンガー構成の即興音楽劇『Proud Cloud』に参加、新潟では8月に独舞『風と熊と昨日』を踊った。華雪との共演は、二宮家米蔵、新潟絵屋、砂丘館、水と土の芸術祭2012(写真)などで行ってきた。

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寄付がつくる展覧会
本展開催にあたり、個人や団体からのご協賛(寄付)を募集中。

個人 一口 3,000円~
法人 一口10,000円~

ご協賛の受付…
1.新潟絵屋にて 
2.本展会期中に二宮家米蔵にて 
3.専用払込票 新潟絵屋および二宮家米蔵でご用意しております

新潟絵屋は2015年12月9日より認定NPO法人に認定されました。認定NPO法人への寄付は税制優遇が受けられます。
認定NPO法人とは?
 NPO法人のなかで、特に公益性の高い活動を行っているとみなされる法人に寄付を行う個人、法人に税制上の優遇を行い、寄付行為をうながすために作られた制度です。
■実質的なNPO(利益を本来の活動費に充てていく団体)として画廊活動を始めた新潟絵屋ですが、作品販売が経営の大きな基盤となっているかぎり、販売見込みにより、企画展活動が制限されるという現実に直面するなかで、販売行為により美術が生活につながっていくという重要性を一方で認識しつつ、より多様な表現を紹介していく場でありたいとの思いから、「認定NPO法人」となるべく努力を続けてきました。
 今回の華雪書展は、この認定NPO法人に認定されたことを記念し、展示にご支援をいただくことで、みなさまに税制優遇を体験・実感していただく機会にしたい考えております。
 
 個人から、認定NPO法人への寄付に対しては、つぎの減税措置があります。
 (寄付金−2,000円)×0.4=減税額  ※税額控除の場合
 たとえば、寄付会員としてすでに3,000円の寄付をして下さっている方は、本展支援のためにさらにもう一口3,000円寄付をしていただくと、確定申告により
 (3,000円+3,000円−2,000円)×0.4=1,600円
の還付が受けられます。税制優遇により、実際の寄付額(=寄付額−還付額)以上の寄付を行うことができます。
 
 歴史を刻んだ二宮家米蔵での華雪の書展は、この数年、私たちが作家とともに温めてきた企画でもあります。ご支援をお願いするとともに、ぜひ会場を訪れ、鑑賞をおたのしみいただければ幸いです。なお、寄付金総額が本展の必要経費を上回った場合、剰余金は他の企画展等の経費に活用させていただきます。どうぞよろしくお願い致します。
 2016.9.15 認定npo法人新潟絵屋代表 大倉宏

▶フライヤー
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ギャラリー&ミュージアムマップ 8/20~9/25 2016

私たちは、画廊や美術館を巡るひとが増えるにはどんな環境が必要か、考え続けています。
2008年創刊、毎月無料配布の情報冊子です。

新潟島とその周辺のギャラリー&ミュージアムマップ | gallery & Museum Schedule 2016.7-8

2016年8月20日(土)- 9月25日(日)

BAKU 斉藤 写真展 時の向こうがわ

8月21日 sun ― 30日 tue

vol.502

作家在廊予定日:会期中毎日

 詩人の斎藤健一さんの企画でBAKU斉藤の写真展「アンコールの顔」を開催して7年になる。
 アンコール遺跡ではない写真展の話は、その会期中に、斉藤さんからあった。画像でそれらを見せられ、とまどったのは、同じ写真家の仕事とはすぐに飲み込めなかったせいで、7年はそれをこちらが、飲み込むために要した時間だったかもしれない。
 当惑は、BAKUのアンコール写真をリアリズムだと見たせいだった。世界中で展示されるそれらは、アンコールの像そのものの力で、見る者を印象づける。しかし実際に立体物を画廊で展示する経験を重ねると、立体の実力=そのものの力を、平面である写真に立ち上がらせる難しさの並大抵でないことが分かってくる。熱帯の森で、大きな足場を組み、大型カメラで野外の巨像を撮影する。それだけでも大変だが、しかしそれだけでは、巨像の力は伝えられない。そこで生きたのが、今回展示する写真などで、BAKUが時間をかけて蓄積した写真を作る、構成する経験だった。アンコールの像は、足場の上のカメラの背後に立つ、写真家のそのプリズムを通過して、そのものの力を、写真の中でもう一度、獲得したのだ。(企画 大倉 宏)

BAKU 斉藤(バク さいとう)
1948年新潟市生まれ。94~2005年日本国政府アンコール救済チームや他のミッションに参加、アンコール遺跡群の尊顔を撮りはじめる。06年カンボジア王国政府より「サハメトライ・トッパデット級勲章」を受章。2016年エコグローバルミュージアム(カンボジア・プレアヴィヒアにある博物館)にて常設展示。主な著書は『アンコールの神々-BAYON』(小学館)、『アンコールと生きる』(朝日新聞社)、『幻都バンティアイ・チュマールの神々』(梧桐書院)、 『カンボジアの宝石箱』(連合出版)、『初めてのアンコール』(草土文化出版)等。

PHOTO: 「Visitants 1 (Accomplished was incident)」1986年 伊豆大島・裏砂漠 カラー

■ 8/21(日)18:00~ BAKU斉藤ギャラリートーク 聞き手:大倉宏 500円/予約不要

Mi-Yeon 写真展 Alone Together

8月2日 tue ― 11日 thu,holiday

vol.501

作家在廊予定日:8/2・3・6・7

 「あっ、」という感嘆を何度も飲み込んで彼女の写真集を見続けた。映された物質との距離感、微妙なフォーカス、観る者を誘いに来る強くてやさしい肌合い。…経過とともに観えてくる…溶けて、自己同一化する他者。ふれあう気質の多様な調べ、空間の基調を聴き取る写真家と、その絶妙な間隔に浮遊する被写体。くりかえしのリズムに、ただよう空気は時間のベクトルを自由に変化させた。同じ地平に、点滅する無数の次元。そこにある闇と光こそ、真実。…ヒト、人、人間…。人間とモノ、風景、事象。出会いと、さまざまな経過と、確かな存在のうつせみ。彼女の眼の前で変容する一本の草も、娘の成長も、そして、われと汝に象徴的なハトの飛翔も、ミーヨンの視座に組み込まれて物語となった 。
 作家の感性のバルブから解き放たれる自由な発想が、柔軟な写真世界で、たわわに実った果実として収穫される。そんな時間の推移が、絵屋の空間に現出する。ここから試されるのは観る者としてのあなたと、作品の肌合い。(企画 石井仁志)

Mi-Yeon(ミーヨン)
韓国ソウル市生まれ。1988年渡仏。パリ写真学校icart photoで写真を学ぶ。個展は、2000年「EXISTENCE」、01年「I was born ソウル・パリ・東京」、02年「2歳の瞬間(とき)」、03年「中年ビューティ」、13年「Alone and Together」(以上まで東京)、15年「Alone Together」(ソウル)、15年「I and Thou」(パリ)等。主な出版に写真集『よもぎ草子―あなたはだれですか』(窓社)、『Alone Together』(kaya books)、エッセイ・写真『いまここにいるよ』(偕成社)、『I was born ソウル・パリ・東京』(松柏社)等がある。2015年より長岡造形大学非常勤講師。東京都在住。

PHOTO: 「Series Alone Together #26」2011年 モノクロ

■ 8/2(火)19:00~ 日本酒の会 ミーヨンさんを囲んで、恩田酒造(長岡市)のお酒を聞き酒します。2,500円/定員12名/要予約

■ 8/6(土)18:00~ ギャラリートーク ミーヨン・石井仁志 聞き手:大倉宏 500円/予約不要
関連情報 7/23~30…ミーヨン写真展「よもぎ草子ーあなたはだれですか」
会場:ギャラリーmu-an(長岡市呉服町2-1-5 0258-33-1900 11:00~17:00)