MADO+ BOOKS 001『うつろうもの のこるもの』取り扱い中
斉藤文夫氏インタビュー「角海浜 ―過疎に消えた村の記憶―」、座談会「角海と阿賀に生きた人々」収録、椹木野衣氏寄稿など。
掲載写真:斉藤文夫(角海浜)、村井勇(映画『阿賀に生きる』)、石山与五栄門(鎧潟)。
企画・編集・発行: Bricole(桾沢和典・桾沢厚子)/A5サイズ/80ページ
税込1,500円
MADO+ BOOKS 001『うつろうもの のこるもの』取り扱い中
斉藤文夫氏インタビュー「角海浜 ―過疎に消えた村の記憶―」、座談会「角海と阿賀に生きた人々」収録、椹木野衣氏寄稿など。
掲載写真:斉藤文夫(角海浜)、村井勇(映画『阿賀に生きる』)、石山与五栄門(鎧潟)。
企画・編集・発行: Bricole(桾沢和典・桾沢厚子)/A5サイズ/80ページ
税込1,500円
9月22日thu,holiday―30日fri
vol.505
糸魚川市の姫川流域は表情豊かな石に恵まれているという。特にいろいろな縞模様が見られるところに特徴があるそうだ。お母さんをはじめ身内に糸魚川市特産の翡翠やメノウや観賞用の石を商ったり蒐集する人がいて麻績さんは幼いときから石に囲まれて育った。長じて絵の対象に迷ったとき、「そうだ、姫川の石があるじゃないか」と再発見して20年余りになる。
なぜ石なのかと問われることも多い。そういうときはこれ以上に身近なものはないですからと、答えることにしている。絵解きは観る人それぞれに任せればよいということらしい。今では石は母のようなものと言う麻績さんは迫らず、滋味深く、柔らかな眼差しで石たちをみる。だからか、描かれた石はあまり堅そうにも重そうにも見えない。マットな絵肌で存在感、質感を超えて表現される。何も描かれない余白のような背景に姫川育ちの石たちだけが思い思いに座を占める。
絵屋で石を鑑賞する「水石」を楽しみ、薀蓄を傾けて欲しい。(小見 秀男)
麻績勝広(おみ かつひろ)
1962年新潟県糸魚川市生まれ。86年新潟大学教育学部美術科卒業。88年新潟大学大学院教育学研究科美術教育 西洋画修了。2003~08年「にいがた写実集団」展出品。07年第84回春陽展奨励賞。同年第9回フィレンツェ賞展(雪梁舎美術館/新潟市)大賞受賞、それにより08年イタリアで2ヶ月間の絵画研修。08年第85回春陽展春陽会賞。09年「記憶のかたち」展(県立万代島美術館)。10年第87回春陽展奨励賞受賞、春陽会会員に。長岡市在住。
photo:「石(ジャクレ)」2016年 油彩/キャンバス 37.9×45.5cm
9月12日mon―20日tue
vol.504
今回の作品は我が家から周囲4kmの身近な自然の風景をモチーフに田んぼ・大峰山からの下りてくる川・山々・木々と四季折々の風景から生命を感じ、それらを絵にしました。
これまで気がつかなかった身の回りの風景が、毎日周囲を歩くことで気がつきはじめた、自然の普遍的な構造や法則性について自分なりの発見があり、それを表面的な物ではなく本質を抽出するような絵を描いてみたいと挑戦しています。(カルベ アキシロ)
カルベ アキシロ(軽部 明代)
1952年東京都生まれ。昭和49年仕事の関係で新潟県胎内市(旧中条町)に赴任。いろいろな思いを自分なりに表現したくなり、52才の時に会社勤めの傍ら絵を描きはじめる。その後、新発田美術会に入会。現在は会社を定年退職し、新しい出会いや、先輩、仲間たちとの交流の中で刺激を受け日々絵の制作に励んでいます。新発田市在住。2013年9月新発田市市民ギャラリーにて初個展。15年9月自由美術初入選。
photo:「胎動」2016年 油彩/麻布 パネル 41.0×31.8cm
新潟絵屋では、空間のレンタルを行っていません。いくらで借りれますか? と、実はよく聞かれます。準企画展は、新潟絵屋で作品を発表したいという意欲ある作家を応援するための個展方式です。こちらも空間の貸し出しということではなく個展を一緒に作って行くものです。ご興味がある方は新潟絵屋までお問い合わせ下さい。 担当:井上美雪
9月2日fri―10日sat
vol.503
中島世津子は描きに描いたことが、あるに違いない。練達という言葉が、紙を切るように、撫でるごとくに走る一本の線からも浮かんでくる。私が引かれるのは、偶然さえもあやつってしまえる程の素描の伎倆に、けれど微妙に、確乎として、あらがうものがあること。そのことを画家が懊悩しつつ、欲してもいるらしいこと。そう感じさせる、魅惑的なゆらぎ、不安定が、ことに水彩に、ガラス絵にきらめいていたことだった。ガラス絵での個展を最初にお願いすることにしたのはそのような「小勢」に、ひとりの見るものとして寄りそいたいと願ったからでもある。
中島を教えてくれたのは、昨年砂丘館で個展を開いた早川俊二で、早川夫妻と中島は数十年前、パリで出会った。昨秋この町に来て、新潟絵屋を見て、ふたりは今は三重の松坂市に住む旧友を思い出したのだった。(企画 大倉 宏)
中島世津子(なかしま せつこ)
1978年パリ エコール・デ・ボザール デッサン科卒業、80年同絵画科卒業。88年帰国後は、現代日本美術展、ビエンナーレまくらざき「風の芸術展」、「太陽のプロヴァンスにて日本展」、岡田文化財団パラミタミュージアムなどに出品し、2000~03年・15年アスクエア神田ギャラリーにて個展開催。12年作品集『中島世津子 素描』(用美社刊)刊行。 www.setsukonakashimadameme.com
photo:「ハルカ」2016年 水彩/ガラス 16.0×22.0cm