華雪書展「鳥」をめぐるお話とミニワークショップ

11月9日wed 19:00〜

話し手:華雪
聞き手:大倉宏

一幅の「鳥」を、ツバメコーヒーさんへ納品することになりました。
それに同行するため再び来訪される華雪さんを迎え、10月10日に終了した本展覧会のアフタートーク+ミニワークショップを行います。

会場:ツバメコーヒー
959-0264新潟県燕市吉田2760-1
参加料:2000円 【コーヒー付】

華雪ミニワークショップ『日』を書く

あなたにとって今日一日を『日』の字に、
特別な文房具を用意することなく身近にあるもので書いて表わしてみたいと思います。
参加される方は、紙と書くもの(ご自分にとって身近なもの)を持参ください。

・身近な紙(封筒の裏、包装紙、古新聞など)、”白い紙”
・鉛筆、筆、クレヨン、絵の具、化粧品など”黒色の筆記道具”

*進行は、トークを先に行い、後半にミニワークとなります。

→お申し込み方法
1.facebookページで参加するをクリック!
2.新潟絵屋へご一報を!info@niigata-eya.jpまたは025-222-6888

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「華雪書展 鳥」御礼

10月6日thu―10日mon

華雪書展「鳥」華雪書展「鳥」華雪書展「鳥」華雪書展「鳥」華雪書展「鳥」華雪書展「鳥」

 二宮家米蔵との出会いはいつだったか思い出せない。たぶん2000年代の初め。
 一世紀前、秋には天井まで米俵が積み上げられた巨大な虚空が、今は暗い空気をかかえてひっそりしている。華雪がここに「鳥」の字を書きに来たのは3年前の冬。近くの弁天潟に白鳥が帰還するのを見、米の重みの記憶の残る床に紙をひろげた。「鳥」の書をここに展示したいとの構想は、その時伝えられた。
 東日本大震災当日の朝、華雪は東京で無数の鳥たちが鳴く声を聞いたという。姿の見えない鳥たちが一斉に叫び、ささやいた忘れがたい記憶を蔵に広がる時の地層に沈め、放ちたいという。新潟絵屋が認定NPOに認定されたのを記念する展示として、壮大な展示を「寄付」によって実現しようと構想が動き出した。認定NPOへの寄付への税制優遇を実感してもらう機会にしたいという意図もこめて。
 会期は5日間。久しく使われなかった床をまる一日掃除し、庭の草を刈り、果樹園の脚立で7、8メートルはあろうという天梁から「鳥」たちを吊り、照明が仕込まれたとき、書の鳥が文字から抜け出した。境壁で区切られる3つの空間にはばたきが、さえずりが舞いおり、とびたち、空にとどまった。違う位置と視界とで生きる存在が、人間の時空とまぎれもなくつながっていることを伝える、不思議な場があらわれた。
 最終日の夕刻、前晩スイスから戻った堀川久子が踊った。華雪が床に広げた紙に字を書くことから始まり、堀川は「鳥」とともに鳥となり、鳥の横断する時空や記憶の層を切りさき、はなち、鎮めるように3つの部屋を踊り抜けた1時間。50人を超える観客が息をのむようにその時を共有した。
 うすれていく記憶を、新しい時間に呼び返し、現在に向かって創造すること。展示という行為の意味の深さを、改めて実感させられた催しだった。
 華雪さん堀川さん、企画を支えて下さった方々に深く感謝申し上げます。
(大倉宏)

寄付がつくる展覧会に、個人約44人、4法人からご賛同いただき、18.5万円の寄附をお寄せいただきました。
※2016.10.25現在
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PHOTO: 風間忠雄

ピーター・ミラー 白石ちえこ

10月22日sat―30日sun

vol. 508
作家在廊予定日:白石 10/22・30 / ミラー 10/22

 ピーター・ミラーと白石ちえこの仕事を、去年、相前後して識った。
2人展を思いついたのは、印象が、私の中で身を寄せ合ったからであり、相似形ながら違う世界の、合わせ鏡に挟まれる心地に、好奇心をかきたてられたからでもある。
写真銅版画(ミラー)も、ぞうきんがけ(白石)も、撮影した画像を一枚の紙に移すところで、かたや版画のプロセス、かたや印画紙に絵の具を塗り擦る、と手の「作業」がぞんぶんに加わる。どちらも一昔、あるいはそれ以上前に行われた技法だ。コンピュータによる画像処理との違いは、インク、絵の具、紙というモノの次元が大きく関わっていることで、実際に見るとそれが強く感じられる。
現代の超鮮明画像のまばゆい空間が、人から奪っていくもの――あいまいな感覚や感情、心の薄暮の状態。ふたりの黒い、暗い画面は、それらを不鮮明に照らしだそうとするサーチライトかも知れない。(企画 大倉 宏)

白石 「Ichihara, Chiba」

白石 ちえこ (しらいし ちえこ)
神奈川県生まれ。アジアを巡る旅の中で写真を撮りはじめ、千葉県船橋市主催のワークショップで暗室を学ぶ。写真集に『サボテンとしっぽ』(冬青社)、『島影』(蒼穹舎)、共著に『海に沈んだ町』(小説・三崎亜記/朝日文庫)がある。

ミラー「ガーリック星雲」

ピーター・ミラー (Peter Miller)
アメリカペンシルバニア州フィラデルフィア生まれ。米国、東京で経営コンサルタントの仕事に携わり、1991年に美術家に転身。写真銅版画制作に専心するため、鎌倉に拠点を移し、浄明寺にアトリエ「鎌倉版画コレクション」を構える。

PHOTO 上: 白石 「Ichihara, Chiba」 2015年 ゼラチンシルバープリント+ぞうきんがけ 20.3×25.4cm

PHOTO 下: ミラー「ガーリック星雲」1994年 フォトグラビュール銅版画 30.0×25.0cm

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■ 同時期開催 展覧会情報
10/12[水]〜30[日] *10/23[日] 14:00〜 ギャラリートーク
会場: 砂丘館 (新潟市中央区西大畑町5218-1)

長谷川 徹 展

10月12日wed―20日thu

vol.507

 この夏、ギャラリーみつけの長谷川徹展で展示した、1980年代の、妻貞子や木を描いた素描は、私にとって、新しい発見だった。1983年に新潟に来た私は、ほどなくそれらを、当時長谷川が発表していた画廊で目にしていたかも知れない。しかしその時は見えなかったものが、今回は見えた。というか、漠然としか感じられていなかったものが、くっきりと意識された。
長谷川はこの時代から、絵が、線が、描けないものと向き合っていた。その〈描けないもの〉が大きな石塊のように、そこに、展示空間に在った。新潟絵屋での展示のためだけに、筆に触れるようになった2016年の現在も、彼は、そのとほうもない、かたまりの前に立っている。(企画 大倉 宏)

長谷川 徹 (はせがわ とおる)
1948年新潟市生まれ。69年武蔵野美術大学油絵科中退。以後、新潟で創作活動に入る。78~2001年絵画研究所アート・ノバを主宰。主な個展は、77~01年アトリエ我廊、83・86年羊画廊、94・03・13年たけうち画廊、04・06年楓画廊、05年炎舎、03・10~15年新潟絵屋、13年蔵織(たけうち画廊・新潟絵屋・蔵織 3会場同時開催および画集刊行)、16年ギャラリーみつけなど。92・94年安井賞候補。96年感動創造美術展グランプリ受賞。新潟市在住。

PHOTO: テンペラ/キャンバス 未完成 72.6×72.8cm

華雪展 「生活」

10月2日sun―10日mon/holiday
vol. 506
作家在廊予定日: 10/2 ※10/9・10は二宮家米蔵に在廊予定

 日本人ということを、最近考える。日本とは、日本人とは何か、という問いではなく、逆にこの問いが仕掛けるしばりに、どうヒトが、抗えうるかということを。
 漢字は中国から伝わり、日本人のものになったと教えられる。この秋、新潟市の3カ所で展示をする華雪は、「鳥」(二宮家)と「豚」(砂丘館、安吾生誕110年祭展示)の字を選び、新潟絵屋では直前の山形での展示で書いた「女」にするか、どうか、迷っていると聞いた。中国と日本というクニをつらぬいてやって来たものと、ここ、2010年代の日本で向き合い、漢字を、字を、書くことが、ヒトとして立つこと、立ちうることである可能性を考えている。
 その書に惹かれて始まった12年の縁。いま、私はそのような意志の姿としての華雪の書に共感している。(企画 大倉 宏)

華 雪(かせつ)
1975年京都府生まれ。書家。92年より個展を中心にした活動を続ける。〈文字を使った表現の可能性を探る〉ことを主題に、国内外でワークショップを開催。舞踏家や華道家など、他分野の作家との共同制作も多数。刊行物に『石の遊び』(2003年平凡社)、『書の棲処』(06年赤々舎)、『ATO 跡』(09年between the books)ほか。『コレクション 戦争×文学』(集英社)、『木の戦い』(エクリ)をはじめ書籍の題字なども手がけている。「水と土の芸術祭2012」(新潟市)、「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2016」に参加。新潟では新潟絵屋、砂丘館、二宮家米蔵、エフスタイル、室礼などで展示を行ってきた。http://www.kasetsu.info

PHOTO: 「土」2016年 墨/和紙 50.0×80.0cm

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華雪展 「鳥」

■ 同時期開催 展覧会情報

10/6 thu ~10 mon/holiday
華雪書展 「鳥」
会場: 二宮家住宅 一号米蔵
(新潟県北蒲原郡聖籠町蓮野1087・県道204号線沿)
主催・イベント申込・お問合せ: 認定NPO法人新潟絵屋

10/6 thu ~10 mon/holiday
坂口安吾生誕110関連イベント 華雪展
「ある女―坂口安吾『白痴』より」
会場: 砂丘館 (旧日本銀行新潟支店長役宅)の一室
主催: 坂口安吾生誕祭実行委員会、砂丘館