渡辺富栄展トーク

 1/25(水)

渡辺富栄×小見秀男 司会・大倉宏

 造船所を描いた大作5点を中心に展示。船作りに熱中する人々が生き生き働いている姿が絵にも生きていました。モデルの方々は、休憩時間に、絵と同じ出で立ちで訪れて下さり、たのしげなようすでした。トークには経営者の方が駆けつけてくださいました。
 作家と造船所の偶然のよい出会いがあり、交流は今後も続いて行きそう。渡辺さんの絵が今後もたのしみです。(井上)

展覧会ごとに、会期中のようすをブログでお伝えしています
2017.1.22-30 渡辺富栄展

新潟島とその周辺 ギャラリー&ミュージアムマップ

 個性ある多様な画廊の活動は、地域の美術の、文化の、豊かな土壌と考えています。
 文化の土壌づくりに貢献するには?
と考え、新潟絵屋は、同じように質の高い活動を目指す画廊と、画廊をめぐる人を応援するフリーペーパーを2008年に創刊しました。この間にさまざまな移ろいがありました。こうして媒体を発行することは、ひとつの記録を作ることでもあります。2016年には通算100号を超えましたが、今年もさらに改良を加え、よりよいものに育てながら、新潟の文化活動の記録のつもりで制作をしていきます。
 このほど、表紙がリニューアルしました。新潟市 旧小澤家住宅(北前船の時代館)の高橋久美さんが表紙絵を、俳句は引き続き田代草苗が連載します。デザインは、新潟絵屋のホームページ管理や絵屋便の制作も担当しているパルスデザイン・飯塚由美子さんです。

 毎月、最新号はダウンロードしていただけます。
 http://niigata-eya.jp/gm

 ひらくとA3サイズ/発行部数:1500部

●スケジュール面・・・発行月の20日〜翌月25日までの情報を掲載しています。
ギャラリー&ミュージアムマップ201702-03
●マップ面
ギャラリー&ミュージアムマップ201702-03

新潟絵屋の賛助会員/正会員/寄付会員(寄付会員は希望制)に毎号お送りしているほか、さまざまな施設に設置協力していただいております。この場で御礼申し上げます。
gmマップ設置場所2017.2

絵屋色

 毎土曜日は、2002年以来のスタッフ保苅芳美に支えられ、平日は運営委員の井上美雪が主に担当してきましたが、新たな顔が加わりました。
 日曜日と祝日は一部の運営委員が年に数回ずつ店番を。伊藤純一、伊藤信行、大倉宏、小見秀男、村井勇が店に立つことがあります。運営委員の田代早苗(草苗)は店番のほかにも、絵屋便やギャラリーミュージアムマップを配布しながら、外交官のように新潟絵屋と外の世界をつないでくれています。
 運営委員10人とスタッフ2人、いろんなキャラクターが絵屋を形成しています。

 ところで、新潟絵屋にはオリジナルの額があり、外枠は、木目が透けて見える程度の控えめな肌色「絵屋色」を調合し塗装しています。
 外枠:タモ材 
 size:インチ、八つ、太子、四つ、大衣、半切、三三、小全紙
 仕様は2種類 1.スタンダード:3mm厚のマットに作品をセットするデッサンタイプ
        2.標本箱タイプ:内側は和紙貼りで、作品のセット方法は自由
蓮池もも  枝香庵
絵屋額スタンダードタイプ 
2016.11「蓮池もも展」ギャラリ―枝香庵にて  
作品:左「島114」2014 右「みわたす」2008

華雪 眠
絵屋額標本タイプ
2016.10「華雪展 生活」新潟絵屋にて 
作品:「眠」2016

新潟絵屋の裏方紹介でした。

ギャラリー&ミュージアムマップ 2017.2-3

私たちは、画廊や美術館を巡るひとが増えるにはどんな環境が必要か、考え続けています。
2008年創刊、毎月無料配布の情報冊子です。

新潟島とその周辺のギャラリー&ミュージアムマップ | gallery & Museum Schedule 2017.2-3

2017年2月17日(金)- 3月25日(土)

塩﨑 貞夫 展

3月2日thu―10日fri

vol.518

 砂丘館と2会場で開催する塩﨑貞夫展。
 3年前に亡くなった塩﨑の絵を、新潟の個展で見たとき、絵の匂いがすると思った。すこし甘いようだけれど、凛とした匂いだった。いい絵は匂いがする、と誰かが言ったけれど、本当にそうだ。絵柄としては痩せた女がもやのような空間に横たわる絵を、記憶するのみだったけれど、本人にはよくお会いした。新潟に来ると絵屋にも寄ってくれた。女のイメージが、古墳や塔や山や満開の桜やコスモスなどに変幻し、そのどれもが「死と鎮魂」のモチーフを奏で続けていたことを、昨秋ご遺族宅で残された遺作を通覧して感じた。
 その主題は画家個人にとって何だったのだろう。生きている寂しさと、死んでいる寂しさが、同じである空間を、画家は絵という大地に建築しようとしていたのだったかも知れない。そのひと続きの空間を歩きたい。生きる者と死せる者が視線を、ささやきをかわす空間の匂いを呼吸しながら。(企画 大倉 宏)

塩﨑貞夫(しおざき さだお)
1934年新潟県糸魚川市に生まれる。10代の頃療養生活を送る。56年国画会に初入選、以後毎年出品。63年国画会新人賞を受賞し会友となる。73年国画会を退会。77年~2005年文藝春秋画廊 (東京)で隔年で個展。97年アートギャラリー環 (東京)で個人コレクションによる清宮質文・塩﨑貞夫展。2007・08・09・10年 フォルム画廊(東京)で個展。04年~14年ギャラリー壹零參堂 (鎌倉)で隔年で個展。ほかアトリエ我廊(新潟)、たけうち画廊(新潟)、南青山画廊 (東京)、ギャラリー青雲 (東京)、ギャラリートータク (東海市)で個展。14年2月14日没。14・16年フォルム画廊で遺作展 が開催された。

塩﨑貞夫展_箸の墓古墳

PHOTO(上): 「矢田丘陵の辺り」
PHOTO(下): 「箸の墓古墳」 1985年 油彩/キャンバス 65.0×50.0cm

同時期開催
2.15[水]~3.20[月祝] 会場:砂丘館 詳細は裏面へ
3.4[土] ギャラリートーク 「レクイエムの画家」
3.3[金] セミナー「箸の墓と卑弥呼の時代」

藤原 祥 展

3月12日sun―20日mon,holiday

vol.519

 藤原祥の近作が田畑あきら子の絵に近接して見えるのは、私の目の中の偶然の現象だが、そこから、このうるわしい、豪奢な渾沌を前にする、心のありようということを思う。
 あきら子も、さかのぼれば村山槐多も、豪奢な絵や言葉を、かいこが美しい絹を吐くように生んだ。しかし彼らの現実は、生活は、豪奢ではなかった。その輝きは、彼らの人生の、際の、崖っぷちの向こうの空白からわいてきた。
 千葉で穏やかな生活を送るように見える藤原の心にも、崖があり、描くことは、きっとその先と向かいあうこと、戦い、生きることなのだ。
 絵のすさまじい、うねりときらめきに、そう感じる。(企画 大倉 宏)

藤原祥2017.3

藤原 祥(ふじわら しょう)
1950年島根県松江市生まれ。スペイン古典の内面の劇性表現に強く惹かれる。79年サン・フェルナンド国立美術学校 (スペイン/マドリード)卒業。77年タラベラ・デ・ラ・レイナ賞名誉賞受賞。個展は島根県立博物館、ギャラリーHera(ストックホルム)、ギャラリー睦 (千葉)、ニッチギャラリー (東京)等。新潟絵屋では2007年11月、08年9月、10年5月、12年3月に個展開催。

PHOTO(上): 「生きものの居る風景」
PHOTO(下): 「異境の花」2016年 ミクストメディア/和紙 105.0×102.0cm

梅田恭子展 –かごのなかから–

3月22日wed―30日thu

vol.520

 去年、砂丘館で展示した2003年の銅版画集『ツブノヒトツヒトツ』の制作時に、梅田恭子は「これはひそやかな抵抗です」と語ったという。そのことを思い出しながら、今年の個展に展示される絵を見ている。ツブは季刊誌『版画芸術』のために制作された100点以上の銅版画のこと、ヒトツヒトツはそれが手渡される世界、国家、集団、家族に生きるひとりひとりの、個、つまり『私』のことだった。なぜその、一人ひとりに、ツブは向けられなくてはならなかったのか。
 今回は、これまでの絵と一見、一転したかのような人の顔や手、葉や実や枝を描いた。素朴な素描のようだが、しみてくる絵だ。人がいい。そして手が。たったひとりの場所で、じかに触れてくるものとともに、いま生きている存在のヒトツヒトツを、確かめるように、画家は見つめている。
(大倉 宏)

梅田恭子

梅田恭子 (うめだ きょうこ)
1971年東京都生まれ。多摩美術大学美術学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業、96年同大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。94年から個展を中心に、東京、新潟、名古屋、大阪、神戸、宇部などで作品展を開催。新潟絵屋では2010年3月、12年3月、14年11月、砂丘館で16年2月(北書店同時期)に個展開催。刊行物に銅版画集 『ツブノヒトツヒトツ』(言水制作室)がある。http://umedakyoko.com/wp

PHOTO(上): 「午睡 - leaf 3」
PHOTO(下): 「レモンを持つ右手」 2016年 色鉛筆・油彩/紙 38.5×28.5cm

緑川俊一展

2月2日[木]―12日[日]

vol.516 

 長くパソコンに向かって、入浴し、瞑目すると、湯の熱とともに、意識が置き忘れていた体が、緑川俊一の絵の格好で戻ってきた。目で見るのではない<体が体で感じる体>を、からだと呼ぶとするなら、緑川の人はそのからだを描いている。
 絵屋での緑川展は4度目だが、いつも敏感に反応してくれる観手が、ダンサーの堀川久子だ。その堀川は1980~90年代に山梨県白州町で、身体気象農場という、農業をしながら体や踊りを考える活動を田中泯らとしていた。堀川の独舞は視覚的にも美しいが、それだけでなく、場の空気を、見る者の内部のからだを揺らすきわだった力をもつ。
 緑川の顔や人もまた、人間存在の「身体気象」を、雨や雲や空や朝や日を、ときに劇的にまた微妙に、とどまることなくうつろう〈からだ〉の、ひとつとして同じもののない風景を、情景を、描いている。いつも新しく、瑞々しく、独特で、見飽きることがない。
 今回はその緑川展の会場で、堀川久子が踊る。どのような気象が、風が、光が、絵屋を通過するだろう。(企画 大倉 宏)

緑川俊一(みどりかわ しゅんいち)
1947年東京都生まれ。67年絵を始める。71年小笠原諸島の父島、母島、72年小樽、77年東京、88~91年ニューヨークに住む。マエダ画廊(名古屋)、現代画廊、ギャラリー川船、空想・ガレリア、ギャラリー汲美、羽黒洞木村東介(東京)、たけうち画廊(新潟)などで個展。ほかグループ展多数。新潟絵屋では2001・09年個展、2013年に吉田淳治との素描2人展を開催。千葉県船橋市在住。

PHOTO(上): 「かお」制作年不明

緑川俊一作品
PHOTO(下): 「ひと」2016年 ダーマトグラフ/紙 42.1×29.8cm

関連イベント 堀川久子踊ル 緑川俊一展の新潟絵屋にて
2.10[金] 19:00~ 参加料1,000円/要申込。新潟絵屋へ

*新潟絵屋から徒歩10分の新潟市美術館の「木村希八さんの贈り物」展(1/28~3/5)でも、刷り師、コレクター、画家であった木村希八のコレクションの1点として、緑川俊一の作品が出品されています。あわせてご覧下さい。

佐佐木 實 展 イ充つ㊁

2月18日[土]―28日[火]

vol.517 作家在廊予定日: 2/18.19.26~28

 将棋や囲碁の専門棋士の頭は、ひとつのマスに、交点に置かれたひとつの駒や石に、ゲームの無数の進行の可能性を読み取り、悩み、興奮し、喜び、絶望したりするという。
佐佐木實の「カタカナ一文字」による近年の表現も、たった一音、一文字に蝟集し流れ込む意味や感情や人生を透視し、棋士と対手が脳内で可能性を追い、戦うように、佐佐木自らが私たちと向き合い、生きようとする試みである。
 盛岡で発表した「ヒ象る」では、人に許された言語が「ヒ」だけになったらというコトバの拘束性を強く意識したものだったが、新潟絵屋での前回と今回の発表「イ充つ」では、その限定になぜか佐佐木自身が弾んで、ダンスをしているようにさえ見えるのが面白い。
 ヒとイの違いなのか、佐佐木自身の制作姿勢の変化なのかはわからないけれど、今回の新作で「イ」がついに物質化、物体化しだしたのを見ると、言葉・文字という抽象的なもの(と考えてしまいがちなもの)が、じつはひどく肉感的な、ナマモノなのだということをつきつけられる。こんなふうに言葉と向かい合わせてくれる鏡が在る。
大げさかも知れないが、奇跡は、きっとこういうことを言うのだ。(企画 大倉 宏)

佐佐木實 (ささき みのる)
盛岡市生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程藝術学専攻修了(美学)。フランス国立社会科学高等研究院博士課程言語学専攻修了。博士(言語学)。二十代半ばに渡欧。パリでは言語学を学び、制作と学問の双方から言葉/文字を記す行為に向かいあった。2006年帰国。11年岩手県美術選奨受賞。近年の個展は11年盛久ギャラリー(盛岡)、新潟絵屋、北書店画廊、12年Cyg art gallery「書書葉葉」(盛岡)、13年OGU MAG「佐佐木實の書 -型ハメ 型モレ-」(東京)、14年新潟絵屋など。14年Gallery 彩園子(盛岡)での「明日の仕事、12人」のひとりに選ばれ『ヒ象る』で参加。http://www.minorusasaki.com

PHOTO(上): 「イ」2016年 鉛筆・色鉛筆・インク/紙 28.1 x 17.1 cm

イ充つ

佐佐木實

PHOTO(下): 「イ」2016年 鉛筆・色鉛筆・グワッシュ・インク/紙 26.8×11.4 cm

関連イベント
ギャラリートーク 佐佐木實×大倉宏
2.18[土] 19:00~20:00 (21:00まで開廊)参加料500円/申込不要