私たちは、画廊や美術館を巡るひとが増えるにはどんな環境が必要か、考えています。
2008年創刊、毎月無料配布の情報冊子です。
新潟島とその周辺のギャラリー&ミュージアムマップ | gallery & Museum Schedule 2017.9-10
2017年9月20日(水)- 10月25日(水)
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2017年9月20日(水)- 10月25日(水)
松本健宏展「花火」では、会期中の開店前や閉店後に、手拭いを染める体験の機会をつくりました。創意工夫が詰まった色とりどりの力作ができ、同じ回の参加者同士の交流もたのしげでした。松本さんは会期中ずっと滞在し、注文を受けた名入れ手拭いの制作や参加者の作品の脱ろう作業などで大忙しでしたが、毎日にこやかでさわやかでした。
奥田みのり・著(熊本日日新聞社) 税込1,620円
新宿のバー・ノアノアのママで画家。水俣病患者や支援者を支援してもいた新潟出身の女性の伝記。新潟絵屋が元の建物を解体し、現在地に移築して活動を再開したのは2007年6月。「アンティエ・グメルス展」に次いで開催したのが「太陽がいっぱい 若槻菊枝展」でした。当時のことが後半に…。表紙の赤にも若槻さんを思い出します。
9月22日fri―30日sat
vol.537
厚地さんの個展は絵屋で3回目。最初は木版画、2回目はガラス絵、そして今回はその両方の新作を展示することにした。彫る力や工程の長さが壁となりガラス絵に移行し、絵の具で描くことに熱中していた近年だったが、最近、木版画を再開された。
「なんだかおかしいでしょう」
厚地さんは笑う。新作の木版画は、ブランクが一層の壁となっているそうだが、相変わらず魅力的だ。独特なおかしさはなんだろう。絵は、作者を通過して、思いがけない色や形となってあらわれてくる。そのズレの面白さ、どうにも愛らしい。肩の力が抜けるような、ほぐしの効能がある。
めずらしく、絵屋のショップに暮らす人形たちが、厚地さん宅で夏の日を過ごした。ひょんなことから絵のモデルを果たすことに。さて、どんな絵ができてくるだろう。それもおたのしみに!(企画 井上美雪)
厚地富美子 (あつじ ふみこ)
1936年島根県松江市生まれ。47年より新潟市に住む。75年新潟市中央公民館の年賀状講座に参加し、木版画を始め、鈴木力氏の指導を受ける。新潟市市展市長賞、新潟県展県展賞(2003年)、奨励賞(86・96・00年)を受賞。2008年たけうち画廊(新潟市)、10年ギャラリー十三代目長兵衛(柏崎市)、11・15年新潟絵屋で個展開催。グループ展「遊」出品。
PHOTO(上):
PHOTO(下): 「貝」2017年 木版画/和紙 21.0×28.0cm
9月12日tue―20日wed
vol.536 作家在廊日:9/12.13.14.16.17終日 9/15午後 9/18午前
月刊誌「ジャフメイト」の華雪の連載「文字と眼差し」が面白い。
漢字の原点、甲骨文字。絵に近い最初の姿を思い浮かべた「誰か」に想像をめぐらせ、自分の体験や記憶と重ね合わせる。語る道具になった文字自体が、話し出すような不思議な心地。
近作「顔」は、ピカソの晩年の自画像を見たのが、ひとつのきっかけになったという。その顔は「極彩色のパステルで描かれ」「色は混ざり合って濁ることも厭わず、紙の上でぶつかり合」っていた。顔は時に感情や思いを表すが、華雪によれば「顔」の字は本来「化粧を施した顔をあらわし」「現代中国語では色合いを指す」。化粧が顔を整えつつ、何かを隠すように、顔は隠す場所でもあった。
人は表し、隠し、人生を送る。ま反対の力がぶつかり、尖った波頭にぬめり出たような「顔」の書が、すごい。(企画 大倉 宏)
華 雪(かせつ)
1975年京都府生まれ。書家。92年より個展を中心にした活動を続ける。〈文字を使った表現の可能性を探る〉ことを主題に、国内外でワークショップを開催。舞踏家や華道家など、他分野の作家との共同制作も多数。刊行物に『石の遊び』(2003年平凡社)、『書の棲処』(06年赤々舎)、『ATO 跡』(09年between the books)など。最近ではJAFの機関誌「JAF Mate」に書とエッセイを連載していた。『コレクション 戦争×文学』(集英社)、『木の戦い』(エクリ)をはじめ書籍の題字なども手がけている。「水と土の芸術祭2012」(新潟市)、「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2016」に参加。新潟では新潟絵屋、砂丘館、二宮家米蔵、エフスタイル、室礼などで展示を行ってきた。 http://www.kasetsu.info
PHOTO(上): 「顔」2017年 墨/和紙
PHOTO(下): 「顔」2017年 墨/和紙 33.0×23.5cm
9月2日sat―10日sun
vol.535 作家在廊日:会期中毎日予定
前回の絵屋での個展から3年が経つ。長いようなあっという間のような3年、それぞれの人生の中でも3年という年月は、環境に変化があった者変わらぬ日々を積み重ねる者、千差万別時の経過を持つ事だろう。松本さんもこの3年環境変化があった。安定した創作環境を確保するため福祉関係の職に就き、創作に対して理解者であった義父を見送った。延命治療を選択しなかった義父や施設で向かい合う人々に接し、松本さんの創作の根底にある「人間は何者で、何のために生きているのか」を感じずにはいられない日々であった。そんな環境下で創る今回の個展テーマは「花火」。人間の人生は長いようで短い、しかしながら火花の様な激しい輝きを放ちながら、感謝し祈りながら、人生を送る。そんな事を表現した作品を今回は展示したい、と松本さんは語る。染めだけにとらわれず、蝋絵や造形物といった多彩な手法で表現する今回の作品から、新しい年輪が刻まれた松本さんを感じていただきたい。(企画 伊藤純一)
松本健宏 (まつもと たけひろ)
1967年京都府生まれ。京都精華大学テキスタイル科卒業後インテリアデザイナー経験を経て、6年間丹後伊根の舟屋へ通い染色作品の連作を続ける。京展工芸部門京都市長賞など受賞。新潟絵屋では2007・11・14年個展開催。京都工芸美術作家協会会員。
ワークショップ「ろうけつ染めで手拭いをつくる」講師:松本健宏
9/2(土)19:00/定員8人
9/3(日)10:00/定員4人
9/6(水)19:00 /定員8人
会場:新潟絵屋/参加費1,500円/所要時間およそ30分〜(個人差があります)
制作後は一度作品をお預かりし、松本さんが京都のアトリエで処理をして、後日新潟絵屋でお渡し致します。
▶ワークショップのようす
PHOTO(上): 「花火#2」2017年 蜜臘クレヨン・水彩顔料/和紙
PHOTO(下): 「花火#1」2017年 蜜臘クレヨン・水彩顔料/和紙 39.0×26.0cm