伊津野雄二展

〈新潟絵屋 6月の企画展〉niigata eya exhibition 555
6/17[日]―30[土]

伊津野雄二展

愛知県岡崎市の山中で制作を続ける彫刻家・伊津野雄二の刻む女性像は、現代に神話をよみがえらせます。大地から、海原から、風や花から生まれてきた清冽な人間像を紹介します。小品も展示予定。ギャラリーみつけにも巡回します。

美術講座「日本美術ぶらぶら歩き」

6月13日wed/6月15日fri/7月11日wed/7月13日fri

EVENT

[参加募集]

 「宗教」「人」「家と庭」「動物・植物・自然」、四つの道で日本美術を探訪。精細な花咲く可憐な野原のようにイメージされがちな日本美術̶̶さにあらず、立ち入ってみれば山あり谷あり、野獣もうろつく世界です。

第1回 6/13[水] 「神と仏のあたり 宗教のみち」
第2回 6/15[金] 「カノジョとカレとわたしとあなた 人のみち」
第3回 7/11[水] 「住まいはたのし 家と庭のみち」
第4回 7/13[金] 「野道をゆけば 動物・植物・自然のみち」

  • 時間:各回とも19:00~20:30
  • 案内人:大倉 宏
  • 参加料:各回1000円
  • 会場:新潟絵屋
  • 初心者向け
  • 申込受付中:単発でのお申し込みも可能です。
  • 申込:新潟絵屋 025-222-6888またはinfo@niigata-eya.jp

PHOTO: 案内人:おおくら土偶


伊津野雄二 彫刻展

6月17日sun―30日sat

vol.555

  伊津野雄二の彫刻展は数えると6回目。

 伊津野の女性像は、私たちの時代の「母」の像ではないかと近年思い始めた。かつて、女が母になることは、少女であること、女であることを断念することを意味していた—少なくとも、そう要請する社会の無言の規範があった。伊津野の女性像は自らその枠を、殻を破り、少女であることと女であることを、そのたくましい腕で抱きしめながら母になった人という気がするのである。

 昨年の梅野記念絵画館(長野県)での回顧的展示では、そのイメージが早くから完成形に近い姿で彫刻家の鑿(のみ)の下に現れていたこと、それでも時代を追って微妙な変化を見せてきたことを教えてくれた。ことに2010年代以降になると、その母の表情、肢体に、えも言えぬ苦悩の影のようなものが掠めだす。時代の規範を脱ぎ捨てた人が、けれど時代の苦悩を、自らの感情の底で受け止め揺れているのだった。

 この母の像の美しさは、そんな感受性の深みから湧いてくるのだ。 (企画 大倉 宏)

伊津野雄二

伊津野雄二(いづの ゆうじ)
1948年兵庫県生まれ。69年愛知県立芸術大学美術学部彫刻科中退。75年知多工房設立。木彫、家具木工芸を手がける。名古屋画廊(名古屋)、ギャラリー椿(京橋)、ギャラリー島田(神戸)、新潟絵屋で個展開催。作品集に『伊津野雄二作品集 光の井戸』(2013年 芸術新聞社)がある。

伊津野雄二

伊津野雄二

PHOTO(上から):「風の砦 2017」 2016-17年 松 107×28×24cm
「春の書物」2017年 楠 50×12×15cm
「風の音に<オリーブ>」 2017年 ヒメコマツ 27×14×14cm
「木陰の人々 2」2017-18年 楠 24×15×14cm


関連イベント

伊津野雄二 彫刻展 巡回展

7/20[金]―8/12[日]
10:00―22:00(入館受付21:30まで)
ギャラリーみつけ 展示室1・2(1階)
見附市昭和町2-4-1 TEL.0258-84-7755
www.gallery-mitsuke.com