ペンシルワーク
「生の深い淵から」
木下晋著・
里文出版刊・定価2,500円
フランス判上製
188ページ 作品写真130点


写真と見違えるほどの細密な鉛筆画が、超細密印刷により再現される。描かれているのは、102歳で吉川英治文化賞を受賞した瞽女(ごぜ)小林はるさん、谷崎潤一郎の「痴人の愛」のモデル、放浪をつづけた母親など、人間の心の闇の部分「生の深い淵から漂うもの」を描き、エッセイにまとめた。


木下 晋(きのした すすむ)
■1947年富山市生まれ

  「生の深い淵から」目次

序に代えて
  生の真理としての眼――小林康夫

? 最後の瞽女 小林ハルさんの顔
    心の原風景
    現代文明社会への警鐘
    見えてくる色彩

? 母と娘と自画像と天井画
    母に捧げる鎮魂歌
    感性磨かれた幼児期の体験
    呉羽山追憶
    西湖に浮かべる記憶
    切ない望郷
    うちの親子
    大和路の旅
    寡黙の人
    注連寺の天井画(1)
    注連寺の天井画(2)
    自画像について

? モデルとの出会い
    偶然の選択と誤解の出会い
    モデルの死
    「痴人の愛」のナオミ
    盲人の一人語り
    ヌードモデルを志願した熟女
    絵を見る気迫、最後まで
    洲之内徹氏の視線

? ニューヨークとインドの旅 ほか
    ニューヨークで(1)
    ニューヨークで(2)
    アメリカンドリーム
    インドへの旅
    シロの臨終

? 追悼と評論
    詩人の魂で彩られた作品
    さりながら死ぬのはいつも他人なり
    惜しみても余りある才能
    風狂伝考
    続風狂伝考
    人間探求の原風景
    夭折の画家
    月山借景に鬼気迫る踊り
    「生」を刻む精神空間
    神田日勝の奇跡
    田畑あきら子とアーシル・ゴーキー
    反骨と熱血の人生
    ノルウェーの旅
    窪島誠一郎著『デッサンについて』
    闇におびえる若者

あとがき