新潟の画廊から
アンティエ・グメルス / 栗田宏  / 蓮池もも
ギャラリートーク+オープニングパーティ 2月24日(金) 18:00―20:00 ¥500
大倉宏(美術評論家・新潟絵屋代表)

新潟から作家を紹介してほしいという依頼を受けた。
さんざん迷ったあげく、やはりこの3人を、と思ったのは、3人がこの10年あまり、新潟絵屋と画廊Full Moonという新潟の画廊を主な発表の場としてきたという意味での、まぎれもない「新潟の作家」であることがひとつ。もうひとつは、作風はそれぞれながら、人の心を内側へ追い込む新潟の厳しい自然とも照応するような「内面性」の深度が、いずれも際立っていると感じてきたからである。さらには表現がこのように生まれ、このように育ち、時には栗田宏のように、ゆっくり枯れていきさえするのは、情報と刺激が行き交う、東京のような空間でではないだろう。その意味で、絵の前に立つ者に深い孤独を要請してくる3人の絵の前に、東京の人たちにぜひ立ってほしい、そのことが日本という空間のひとつではないこと、その重層性に、気づくきっかけにもなればという、小さい願いからでもあった。(大倉宏・新潟絵屋代表)

アンティエ・グメルス(Antje Gummels)
■ 1962年旧西ドイツ、レーゲンスブルグ生まれ。78年イタリア、サンレモへ移住し各国アーティストと交流。87年に来日し新潟県巻町(現新潟市)に住む。麻布工芸美術館(東京、92年)、創庫美術館(新潟、92、94年)、北方文化博物館(新潟、96年)、ストライプハウス美術館(東京、98年)、新潟絵屋(2001、05、07、09、11年)、砂丘館(07年)、アートフロントギャラリー(東京、05年)、画廊Full Moon(新潟、05年)、ギャラリーARKA(ウラジオストック、07年)、ギャラリー128(New York、07年)、中之沢美術館(前橋、08年)、ギャラリーアートコンポジション(東京、08年)、游文社(新潟、10年)で個展。大地の芸術祭2009に出品。
 
←「内なる虹II」2005年 シルクスクリーン・紙
 (版画集『夜曲』より)
栗田 宏(くりた ひろし)
■1952年白根市生まれ。白根市役所に勤務し、在職中より絵を描き始める。後、退職し絵に専念。「生成」「気」「密」などのテーマで制作を続ける。84・85年現代画廊、2000・02・04年新潟絵屋、04・05・07・08・09・10年画廊Full Moonで個展。ほか新発田、豊栄、新潟、名古屋、山口などで個展。89年「新潟の絵画100年展」(新潟市美術館)、2000年「見えない境界 変貌するアジアの美術 光州ビエンナーレ2000<アジアセクション>日本巡回新潟展」(新潟県民ギャラリー)に参加。2004年「新潟の作家100人」(県立万代島美術館)に参加。
 

「密」2000年 油彩、キャンバス→

蓮池もも(はすいけ もも)
■ 1983年新潟市生まれ。2006年fullmoon upstairs、07、08、09、10、11年画廊Full Moon、2010年新潟絵屋で個展。

←「歩く木」2011年 アクリルガッシュ、ボール紙

会場:ギャラリー KANI
〒165-0027 東京都中野区野方4-32-5
TEL.03-5380-6677

アクセス 西武新宿線 野方下車 徒歩7分
主催・お問い合わせ:新潟絵屋