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2011年10月3日 新潟日報 掲載

あーとぴっくす
 

メルヘンで夢と希望養って

「絵ことば12ヶ月」曽田文子・早川ゆーこ 2人展 展
(2011年10月2日〜10日 新潟絵屋)


越野泉
曽田文子「おてがみ12ヶ月」より ←曽田文子
 「おてがみ12ヶ月」より
  2011年
 カラーインク、ポスターカラー 紙
 25.0×36.0cm
早川ゆーこ「12ランド・リンドン」より ←早川ゆーこ
 「12ランド・リンドン」より
 2011年
 ペン、マーカー、色鉛筆等 紙
 26.0×37.0cm


 この不安定な世情の中、しばしメルヘンの世界で一息ついてはいかがだろう。
 柏崎市在住の曽田さんと西蒲区在住の早川さんは20年ほど前に、講談社絵本新人賞の授賞式で初めて出会い、それ以来のおつきあいとのこと。特に早川さんが柏崎に住んでいた5年間は、曽田さんが柏崎絵本の会に誘って一緒に活動するなど、中身の濃い交流があったそうだ。
 そんなお二人だが、2人展としては今回が初めて。「絵ことば12ヶ月」を共通テーマに、新作原画でそれぞれ楽しい展開を繰り広げる。
 曽田さんは、誰かから誰かに宛てた「おてがみ12ヶ月」。「サンタさんから、うみべのまちのみなさんへ」と題された12月の手紙のほかに、「金魚の姉さんから妹たちへ」「きりかぶじいさんからどんぐりぼうやへ」など、鮮やかな色彩で楽しい手紙が描かれている。
 早川さんは、鐘の音がリンドンと鳴る国「12ランド・リンドン」の四季の物語。季節を旅する女の子が小鳥たちと出会う場面のほかに、雪だるまや妖精なども登場し、とてもかわいらしく描かれている。
 子どもも大人も楽しめるお二人の作品に触れ、明日への夢と希望を養ってほしい。

曽田文子「おてがみ12ヶ月」より
早川ゆーこ「12ランド・リンドン」より