News Paper
2012年11月28日 新潟日報 掲載

あーとぴっくす
 

ONE Mart EXPRESS 9
(2012年11月28日〜12月2日 新潟市美術館 ギャラリー )

出 展
笠原賢悟   (新潟市/立 体)
笠原もなか  (長岡市/エングレーヴィング)
児玉瑞子   (新潟市/来場者参加型アート)
佐藤郷子   (新潟市/インスタレーション)
さとうゆか  (三条市/ミクストメディア)
柴山明子   (浦安市/墨彩画)
高橋トオル  (新潟市/ミクストメディア)
外山文彦   (長岡市/インスタレーション)
頓所康則   (燕 市/ドローイング)
中田 歩   (長岡市/ミクストメディア)
ヤマクラコウジ(三条市/写 真)
ワタナベメイ (新潟市/立体・平面)


 
異なる完成の12人 場を共有 佐藤秀治(美術家)

 作為も形態も異なる今日的な12人の作品群は、既成の価値や技法に基づくものと比較すると類型も無く方向性も異なり肌に馴染むまでの時間が必要である。
 私たちはどこかベースとなるものに分類できた後に鑑賞に入るという所作を刷り込まれたようである。購買関係も希薄となり単に感じ合うことなら、純度の高い煌めきに出合える可能性はこちらに満ちている。
 9回を迎えた本展は初回の外枠を順守しながらも固執せずに対処してきたことにある。若手を中心に時代と呼吸する「場」をゆるやかに仕組み、多面的断面を一堂に、という意図。場を共有するために壁面を機械的に1メートルに分割した。
 異なる感性を連結・交差し「呼応し合うもの」「見えてくるもの」で対峙。メンバーは固定せず、新人を加え「参加する側」と「観る側」双方を刺激し続けてきた。新たな化学反応を期待する支援者も多い。展の様相は、発表の場を共有し合う者たちの「航空母艦」のようになった。