News Paper
2013年10月17日 新潟日報 掲載

あーとぴっくす
 

中川セツ子展 
(2013年10月12日〜20日 gt.moo gallery ゲット・ムー・ギャラリー)

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エネルギーの創出感じる 空知子(フリーライター)

 白いキャンバスに向かう時、作家は作品のイメージをどのように描こうとしているのか。推測でしかないが、中川さんはおそらく「無」の境地で向かっているのではないか?
 3年ほど前の作品は具象・抽象が入り交じりイメージの転化が感じられたが、最近の作品からは、「エネルギーの創出」が強く感じられる。
 コラージュも紙を張り付けていくだけの単純な行為ではなく、納得がいくまで何層にも重ね、はがし、また重ねる。その行為の中から自己自身の深化を図り、新たな作品が生まれている。
 時には古キャンバスに残っている色を自在に表現に取り込み、その上から紙を貼り、その周辺には線や面があふれるように新たな地平を切り開いている。
 最近作は一貫して大作に取り組み、表現に対する誠実な姿勢とエネルギーを常に絶やさず生み出している。
 その作品からも人柄からも、既成の体制や表現にとらわれない柔軟性を感じる。そうした中川さんの姿勢や感性が今回の作品にも表れている。