News Paper
2013年11月22日 新潟日報 掲載

あーとぴっくす
 

藤井芳則展「accumulate」
(2013年11月23日〜12月1日、柏崎市新橋3の游文舎)

藤井芳則「accumulate」

 
よみがえった素材 異彩放つ 小川弘幸(文化現場主宰)

 コンスタントに話題作を発表し続ける美術家、藤井芳則さんの動向から目が離せない。先月だけでも「2013NIIGATAオフィス・アートストリート」「弥彦・野外アート展」、ギャラリー湯山「今日のオブジェ展」などの企画展に参加。素材もテーマも異なる今日的な作品でいずれの会場でも異彩を放っていた。さらにこの間、東京のアートフェア「GEISAI♯19」へも出展。並外れた制作意欲とオリジナリティーおよびクオリティーの高さに感心させられる。
 今回の個展は、集積という意味のタイトルをつけている。柏崎の海岸線をイメージし、木片、数百本を組み合わせて展開するインスタレーションや、小さく切ったチラシを指先で丸めて作ったこより数万本を用いた新作=写真=などが出品される。加えてここ数年における手仕事にこだわった作品を集めている。
 素材の大半は身近にあるものや一度役割を終えて不用となったものなど。それらの廃品が藤井さんの手にかかると最先端の現代アートに生まれ変わるから小気味よい。藤井さんの才気がみなぎる空間となりそうだ。