News Paper
2014年1月24日 新潟日報 掲載


 

金田弘追悼展に寄せて
(2014年1月22日〜30日、新潟絵屋)

「山陰道は雨」2008年 リトグラフ シルクスクリーン・紙 23.2×16.8cm

 
詩画集を共作 交流懐かしく 坪田政彦(版画家、大阪芸術大教授)

 詩画集「シムボルのない季節」版画展をと新潟絵屋さんからお誘いを受けた。昨年夏、亡くなられた詩人金田弘さん追悼とのことであった。いずれ何かできないものかと思案していたのでお誘いをありがたくお受けした。
 金田さんとは、詩画集「まいなすの邂逅」「このいろをみよ」に続き3作目となった。お元気な頃、坪田さん遊ぼうよと言って、よく姫路のわが家に来られた。年は30歳近くはなれているが私の作品と自身の詩作の共通点を語られ、私のアトリエで詩画試作をし、遊ぶ姿は年の差を感じさせない青年のようであった。
 お会いしてから35年にもなる。その間、新潟市美術館で開催された西脇順三郎展もご一緒した。昔、西脇さんから郷里、龍野での詩作を勧められたという。
 詩にでてくる、はりまのマカロニィとは金田さん自身を指した西脇独特の表現で、マカロニィは特産そうめんのことである。
 それから大学時代の師会津八一のこともよく話され、私も新潟とのご縁ができ、再訪を楽しみにしている。