時々、私を驚かす句友に佐藤和行氏がいる。沖縄から手紙が届いたり、青森からねぶた祭りの絵はがきが舞い込んだりする。
今は、仕事に縛られている私には羨ましいかぎりだが、とうとう南米にまで旅してきたらしい。それもKOHARUさん、立見迪子さん、そして豊口協先生などの素晴らしいアーティストたちと。
真夏のある夕べ、ピアノ演奏と生ビールにつられて参加した食事会で、南米旅行中の写真をたくさん見せていただいた。アンデス山脈の上空を越えながら、この方たちは何を想い、どんな刺激を受けたのだろう。
「描くことは想起することだ。」ギリシャ人にならって私はそう思っている。
目と、感性と、構成力と、そして南米の風との知的なゲームは旅の途中から始まっていたと思われる。
約束どおりの「四人展」、目と心を研ぎ澄まし、ギャラリー沙蔵での空間の詩を楽しみたい。豊口協先生には旅行中のすてきな俳句を見せていただいた。俳句にも連句というジャンルがある。
私の思う連句のよさは、複数の多様な作者が、その場で前句から受けるなにかに、次のなにかをもって新しい世界にしてゆくところ。そして、それぞれの、個性が醸し出すシンフォニー。
この度の画風の違うアーティストによる「四人展」、連句を読むような楽しみ方もあるのではないか。
〈冬の雷絵から遠くに連れ出さる 智弥子〉
|