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2002年1月14日 新潟日報 掲載

あーとぴっくす
 

一堂に会する試みに意義も
「WORKS=2002」
(〜1月26日 長岡市・カフェ&ギャラリーZen)

佐藤秀治(美術家)

 新春を期しての小さな美術の祭典である。出品作家は19人、今年で3回を数える。地元長岡市を初め、栃尾市、柏崎市、燕市、巻町、西川町、遠くは三和村、上越市、糸魚川市、奈良市と広域に渡る。会場は、今日中越の文化発信地として特に若手作家の集う磁場として親しまれている。今回も意欲的に県内で活動している現代作家に呼びかけての催しで、日ごろからの地道な画廊経営の成果でもある。
 新世紀に入り、時代はIT産業を旗頭に急速な変化を見せ、一方では深刻な不況化が進んでいる。大都市における美術は時代と敏感に呼応しているかに見えるが、地方ではいまだ受け入れる素地が十分に至っていないという現実がある。一般化への促進はその実施回数や情報の量によることが大である。個展など一作家の表現世界を鑑賞する機会は年間を通じればたびたびあるわけでもなく、またその会場をくまなく訪れることも至難である。小さな祭典とはいえ、このように一堂に会する試みは、これからの県内の美術の一つの動向をうかがう最良の機会である。
 WORKSとはそれぞれの仕事を意味する。作品を通してそれぞれの作家の仕事ぶり(考えや姿勢)を味わえばよいわけである。平面と立体で54点の多彩な側面を鑑賞者に提供している。