■ あーとぴっくす
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「自然」と一緒に遊んでいる 中矢澄子 第2回 あかり&花入れ展
(2002年10月4日〜11日 陶-club) |
田代早苗(新潟絵屋企画運営委員)
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くらい森の奥深くに一人残されたら、さぞ怖いだろう。「自然はやさしい」「緑は心を癒す」などといった言葉が文明の中に浸っていてこそ吐けるものなのだと痛感させられるに違いない。
そんな時、遠くに人家の灯りがどれほど優しく、温かくみえるだろうか。
中矢澄子氏のあかりや花入れに使われたフジ、あけび、またたびなどの植物は自然の形態をうまく残したままなので、さまざまな表情をみせてくれる。
巨大な爬虫類がのたうつようなもの、さわさわと、あるいはざわざわと風に揺れるようなもの、愛らしくくるくる渦巻くもの、一つとして同じものはない。
そこに風呂敷にもなるという鳥取県の和紙をはることによってダイナミックな美しさのあかりができた。あくまで素材をいじり過ぎることなく、自然に対する畏敬の念を忘れることなく、うまく植物とたわむれている。「自然」と一緒に遊んでいる。
いや、遊ばせていただいている。そんな感を受ける作品ばかりだ。
もっとも上手に自然と遊ぶには実は素材となる植物を知りつくす知識と加工する技術があってこそのものだろう。自然で作為のない形をつくり上げるためには今まで花を中心に作品をつくり続けてきた中矢氏の経験があってこそのもの。
深い森の向こうで小さいけれど力強く瞬く灯りそのもののような心温まる作品展だった。
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