■ あーとぴっくす
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夢と幻想のサーカスの情景 山本真也 展 下町大曲馬
(2003年10月22日〜10月30日 新潟絵屋) |
越野泉(新潟絵屋企画委員)
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「夕映えのサーカス」
2002年 |
柳都大橋近く、新潟絵屋のまわりは、道路拡張計画で民家が立ちのき、空き地が広がっている。
あたりの風景が一変した絵屋に、山本サーカスがやってきた。テント仕立てではないが、サーカス小屋の風情。外の格子戸に、わら半紙のビラがびっしり貼られ、電飾が瞬いている。ビラが敷き詰められた玄関、妖しく光る横文字看板。
飾りつけたのは団長の山本真也さん。日本画家で新潟大学の教授。東京芸大卒業後、高松塚古墳壁画模写に従事し、日本美術院特待でもある。
そんな肩書のうしろから、少年の顔が覗く。その山本少年の夢がサーカス。年に2回は見に行くという。ボリショイサーカスにしかできない、コザックの曲馬技とか、キリンが歩く舞台とか、驚く話がいっぱい。その情熱や憧れはどこからくるのだろう。
木彫りの猛獣たちが円形ステージを歩きまわり、曲芸師たちが馬に乗って揺れる。コリントゲームや輪ゴム射的もある。それらのオブジェは古びた感じの玩具風に仕上げてあるが、日本画を描く人の細やかさが表れていて、美しい。
少年の気持ちを優しく映すように、壁面を日本画とパステル画が囲む。みなサーカスの情景だが、日本画を見ていると、異次元の世界に迷い込んでいくような気分になる。小品のパステル画は、夢見るように幻想的だ。
目を引く入り口の奥には、楽しく華やかで、どこか懐かしいセピア色の空間が広がっている。
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