n e w s p a p e r
2004年10月8日 新潟日報 掲載

あーとぴっくす
 

不思議な感覚あふれる世界

菅野由貴子絵本原画展
(2004年10月1日〜31日 味方村曽我・平澤記念館)

菅野由貴子銅版画・ガラス絵展
(2004年10月1日〜12日 羊画廊)


たっつぁん(シンガーソングライター)
 

 菅野由貴子さんの絵本に出合ったのは、偶然入った本屋さんだった。絵本「へんしんねこた」が「読んで、読んで」と誘っているようで、手に取ってみた。
 絵本の絵は不思議な触覚で、アルファベットが彫られている、引っかいた線がある。最初の印象は不思議、不思議の世界だった。絵に引き込まれる。
 後付けを見たら、敬和学園大学を卒業して、新潟県在住とある。「新潟にこんな絵を描く人がいるんだ。おもしろいね」と絵本を買ってきた。
 絵本を見つけてからしばらくして、羊画廊から銅版画の個展を開くとの案内が届いた。見に行った。「へんしんねこた」の持っている不思議な感覚の秘密が少しわかった。銅版の線のいたずらが絵本に生きている。
 菅野さんは2003年、スロバキアのプラティスラバ世界絵本原画展に自作の絵本が展示されることになり、スロバキアに出掛けた。この経験が彼女の絵に生きてくるのも楽しみ。
 今度、菅野さんの絵本原画と銅版画、そしてガラス絵の展覧会が同じ時に行われる。彼女の仕事を一気に観れるすばらしい機会になる。