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2005年1月18日 新潟日報 掲載

あーとぴっくす
 

災害と向き合う美術展企画

新潟中越地震復興企画
取り戻そう元気!めざせ復興!チャリティー作品展
(2005年1月10日〜23日 新潟市・楓画廊アネックス/柏崎市・ギャラリー十三代目長兵衛)


外山文彦(アートコーディネーター)
ギャラリー十三代目長兵衛の会場


 中越地震に対するチャリティー展が県内各地で開かれているが、本展は県内在住の美術家自身の主導によるもので、最初から中越地震の復興支援を銘打って出品作家を募集し自主的に展覧会を組織した点、大きな特徴をもつ。
 この未曾有の災害に対し、表現活動に関わる者として何ができるかと問うことからスタートした本展は、国際的な著名作家を含めて県内外の144人もの作家の賛同と出品(作品提供)をえて、新潟市と柏崎市での二会場同時開催という意欲的なものとなった。絵画、彫刻、工芸、書、CG、版画、写真、現代美術など、出品作家は多様な表現分野に亘る。
 個々の作品は30センチ以内の小さなサイズではあるが、各作家が表現者として本展の意図に向き合い、真摯に取り組んでいる姿勢がみてとれる。結果、バラエティーに富んだ力の入った作品が揃い、単なるチャリティーとしてだけではなく、展覧会としてみても充実した内容となり見応えがある。
 美術に関心のある市民もボランティアで運営に参加するなど、その輪は市民レベルでの広がりもみせている。県内外の美術家が、所属やジャンルの枠を超え社会的な問題や災害に向き合い即行動に移したことはあまり例がなく、これらはひとつのムーブメントとしても興味深いこと。とかくチャリティー面のみが強調されがちな中、画期的な試みとして特筆しておきたい。

楓画廊アネックスの会場→


■新潟会場■
阿部朝日、飯田晴行、池田龍雄、伊藤歌夜子、稲憲一郎、猪爪彦一、岩沢久子、内山玉延、梅田始、笠原もなか、大久保淳二、大久保千秋、小川宏、小川真琴、大津正則、大宮洋子、小柳幹夫、金子恵美子、加藤俊雄、金沢健一、川口龍夫、黒田進、幸田顕、小林靖幸、作宮隆、佐藤和行、佐藤郷子、佐藤秀治、佐藤ムツ子、佐藤陽一、下田悌三郎、霜鳥健二、杉田明維子、高野勝也、高橋朝子、高橋俊文、田中正弘、谷川晃一、土屋公雄、鶴巻加代、戸川淳子、外山文彦、内藤三重子、中川セツ子、中込靖成、中嶋均、仲塚庸子、中西和男、野村俊幸、長谷川徹、長谷部昇、八田淳、舩坂芳助、古川奈津子、北條佐江子、星野健司、本間ケイ、溝田コトヱ、山茂、山田修市、吉田尚子、吉冨ひろみ、寄木幸治

■柏崎会場■
相澤忠宣、安達博文、池原浩子、石黒邦子、伊藤剰、伊藤忠雄、井上廣子、井上義昭、植木敏郎、魚田元生、上野憲男、植松奎二、内田信、海老塚耕一、江村州央、小田茂明、小日向洋子、大矢重雄、岡部俊彦、郭徳俊、加藤直子、金谷範子、上條陽子、川井昭夫、河原崎律、木下晋、小島信明、小林五空、小宮美由紀、権田康夫、齋藤尚明、坂井亮円、佐藤昭久、佐藤優子、柴田忠文、島谷晃、霜田文子、菅野純子、鈴木千歳、関根富紀子、曽田文子、鷹嘴直、竹田潔、田島征三、田辺和栄、東條麗子、仲澤靖夫、長谷川政弘、藤江民、藤田英樹、舟見倹二、堀川紀夫、前沢陽一、前山忠、丸山直文、三上祥司、水上旬、皆川徳志、宮川美智子、村山陽、モノツクリ金造、柳重栄、柳澤毅、山口真澄、山下幸治、山本祥二郎、山本正男、横関健一、吉田隆介、吉野明雄、吉野榮子、和田尚