新潟絵屋の企画について

 絵屋の会場はどうすれば借りられるのか、とよく聞かれますが、絵屋では「貸し会場」はしていません。9人の企画運営委員の会議で計画される企画展だけで運営している画廊です。会議は月1回(大体16日前後に)開かれ、半年から1年後くらいまでの企画を話し合っています。今のところ委員自身による企画が多いのですが、こういう企画をしてほしいという提案が、ほかの方からあった場合には、必ず検討させてもらっています。その場合は委員以外の企画という形で実現することもあります。もっといろいろな人による企画をしてほしいという要望も寄せられています。企画案をお持ちの方はどうぞ絵屋のスタッフに気軽にご相談下さい(作品などの資料もご持参いただけると助かります)。これまで展覧会を企画した経験がないという方でも構いません。絵屋の方でサポートして実現できる場合もあります。
 この9月から企画運営委員の名称が「運営委員」に変わりました。運営委員は企画および絵屋の運営全般に関わり責任を負うメンバーで現在、伊藤純一(建築家)、伊藤信行(家具作家)、上田浩子(デザイナー)、大倉宏(美術評論家)、小川弘幸(文化現場主宰)、小船井秀一(雑誌編集人)、田代早苗(俳人)、旗野秀人(建築業)、村井勇(写真家)の9人。新潟絵屋の規約や内規なども、近々印刷物やホームページなどで公開していく予定です。(O)
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 企画展開催までの大体の経過をお話しします。
企画会議で企画の計画が了承されると、提案した企画者と作家で日程の確認、展覧会の内容、条件などについての相談をします。絵屋での展覧会のために新作を制作していただく場合もあるので、大体半年以上前に開催の合意をするのが普通です。
 条件は額装について、搬入・搬出の方法、そして売上の分配に関することがらなどです。絵屋の企画展は、企画者と絵屋が主催しますので、作家から会場費をいただくことはしません。
 展覧会の開催経費(DM制作・発送費、会期中の会場の光熱費・維持費、額装等を絵屋で行う場合はその費用、スタッフの人件費など)は展覧会の作品の売上でまかなうのが原則です。
 売上の分配は作家と絵屋がそれぞれ50%、絵屋の利益(50%から額装などの費用を引いた分)の10%が企画者、が基本です(主に絵の場合。ジャンルや展覧会の他の条件により変わる場合もあります)。一般の小売店に比べて、店(画廊)の割合が多いと感じられるかもしれませんが、展覧会の間は他の作品の販売は原則行わないわけですし、また絵は概して多く売れるものではありませんので、この割合で平均してなんとか経費を補填できるというのが現実、というか目標です。
 会員の皆さんには毎年度(絵屋は6月が年度がわりです)の会計報告を差し上げていますが、昨年度は会費収入のサポートを加えて、収支合計がほぼ0でした。私たちの絵を売る力の不足もあると反省もするのですが、これが新潟での企画画廊経営のひとつの厳しい実状です。
 企画者は作家との交渉、ときにはアトリエを訪ねて相談したり、展示と撤収作業などを行います。出費は自費が原則ですので、展覧会での売上によっては持ち出しになる場合も多くあります。運営委員や企画委員の活動ももちろん無償です。作家や会員の方々の協力、助力に加え、こうした人たちの尽力で絵屋の活動は支えられています。(O)
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「企画委員」を新設
これまでの「企画運営委員」が「運営委員」と名称を改めたのを機に、あらたに「企画委員」を設けることになりました。絵屋の会議にも出席し、主に企画の面で力になってもらうメンバーです。7月までスタッフとして働いてくださった村山まみさんを、9月から企画委員としてお迎えしました。今後、絵屋の企画をふくらませていくためにも、徐々に新しい方々にも加わっていただきたいと考えています。

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 下1桁に1のつく日(1,11,21,31日)が、新潟絵屋の休廊日。大概はこの日に企画展の展示を行います(前の企画展の片付けは前日にしてしまうことが多い)。まず壁際の床に汚れ防止の紙を敷き、絵を立てかけ、配置を考えます。壁との相性、相互の関係などを検討しながら、位置を決めます。壁が足りない場合、臨時に格子戸を吊したり、床置きする場合もあります。位置が決まると壁に高さ、間隔を見ながら掛けていきます。和紙の壁にはフックを釘打ち。土壁や格子戸の壁はピクチャーレールからワイヤーを吊して掛けます。格子戸の壁では絵が傾くのでワイヤーを壁に鋲留めし、絵を垂直に近づけます。掛け終わるとキャプション(題やデータを書いた紙)をつけ、照明を調整。表の看板は和紙に墨で書きますが、作家がいる場合はお願いすることが多い。企画者の文と略歴パネルを貼り、画集などの関連販売物がある場合は見本を置くテーブルを出し、最後に展示作品のリストを作り、覚書やスタッフの注意事項などの書類を作ります。
 スムースにいく時もありますが、場合によっては半日以上かかってしまうことも。展示で絵の見え方も大きく変わる。一番気をつかう、けれども楽しい時間です。(O) 

 

 
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