2006年1月 | |
|
|||||||||||||||||||
|
|
2006年1月8日〜1月15日 |
企画 大倉宏 |
アンティエ・グメルス(Antje Gummels) ←「水」、オイルパステル、テンペラ、紙、 |
|
年末に引き続き、アンティエさんの新作展で、新潟絵屋は6度目のお正月を迎える。平行して砂丘館では、アンティエさんが新潟に来てから昨年(05年)の「夜曲」までの作品を展示している。過去の絵をまとめて見ると、アンティエさんの世界のトーンは青なのだと今さらのように、気付く。薄氷のように透明で、繊細な青。氷の板の向こうでは、こちら側で断ち切れたものが、不思議な角度で結ばれる。鳥が魚に、木が空に、人が獣につながって、循環する。ファンタジックな魅力を越えて、心が動くのは、この異界がどこかで現実を映しているからではないだろうか。超現実は現実を断ち切った場所で、現実を写す。分裂した現実を、半透明の氷で濾過してつなぎ直す。 その氷−鏡を抱えることで、アンティエさんは新潟での18年という、現実の時間もきっちり生きてきたのだろう。 絵屋の新作では、その青が濃度を増し、同時に思いがけない色――赤が絵にしみ出してきた。まるで異界の地底で眠っていた心臓が、ゆっくり鼓動を打ち出したみたい。鼓動は絵に血を送り、血は光り輝く母子の傷口や、目のある島の地中から、あるいは子宮で燃える火に熱せられ、絵の方々で噴き出す。氷が氷のまま熱を持ちだしたような、太ってきたような、逞しさに似たなにかが、アンティエさんの異界をめぐりはじめた。 (大倉 宏) |
|
|
|
|
|
|
|
スタッフとして4回目の新年を迎える私。車の音、足音、戸の開け方で常連さんの御来廊がわかるようになり、ある日お客様から「犬並だね。」と、お誉めの言葉を頂きました。2006年も犬的感覚に磨きをかけて皆様のお越しをお待ちしています。(C) |
|
|||||||||||||||||||