2006年1月の絵屋
2006年3月の絵屋
井田英夫(いだ ひでお) ■1975年新津市生まれ。97年新潟デザイン専門学校卒。1999年モンセラート美術大学(アメリカ、マサチューセッツ州)卒業。ミンゴーギャラリー(マサチューセッツ州)で二人展。02年3月、04年11月新潟絵屋、05年ギャラリーEMU-stで個展。
←上 「駅の裏」木炭、コンテ、ソフトパステル、紙 29.5×39.5cm 2005年 ←下 「水門」 油彩、オイルバー、キャンバス 24.2×33.3cm 2005年
迫 一成(さこ かずなり) ■1978年福岡県生まれ。新潟大学人文学部卒業。2001年3人組のクリエイト集団ヒッコリースリートラベラーズを結成(代表)。「日常を楽しもう」というコンセプトに基づき、新潟市上古町の店舗でシルクスクリーンによるオリジナル衣類、雑貨等のデザイン・制作・販売を一環して 行っている。また、取り壊される工場での制作+展示「なくなる工場展」(04年)や商店街をおもしろくする活動「カミフルチャンネル」(04年〜)などの企画、デザインなど幅広くそして柔らかく活動中。www.h03tr.com
←「穏やかな」 インク、紙 24.7×36.5cm 2005年
12月18日、砂丘館でアンティエ・グメルス展のギャラリートークが開かれた。12歳の時に光を求めたというアンティエさん。その光が最近見えるようになったという。そして生まれたのが、新潟絵屋に並んだ新作とのこと。(O)
敷村良子さんが、2005年12月より新しい企画委員になりました。敷村さんは映画、テレビドラマにもなった小説『がんばっていきまっしょい』で1995年松山市主催第4回坊っちゃん文学賞大賞を受賞した小説家でもあります。新しい企画を御期待下さい。
すでに何度も読み続けているのだが、今またつげ義春のマンガにはまってしまっている。何度も読み返しては、その作品の舞台となった温泉旅行を計画したり、まるでつげの経験が自分の経験であるかのような錯覚まで起こしつつある。 いけない。他人の表現のぬかるみにハマればハマるほど、自分の世界の形が見えなくなる。現実を見据えて自分の感覚、感情を掘り下げる努力をしなくなる。絵屋代表の大倉宏さんは19、20歳のころ、仏像見物にひたすら寺巡りをされていたとのこと。そんな青年に友達などいたのだろうか? つい最近の忘年会でも、突然図面引きに夢中になり、宴会の最中に自分の世界に没頭していた。おかしい。 しかし、そんな荒ワザこそ大事なのではないか? 適当に話を合わせたり、他人の表現世界に見境なく逃避したり、そんな薄っぺらな関係は、もういい。深く深く自分の井戸に降りていくことで、やっと他者と精神的な関係を持つことができる。自分で自分を生きることができる。 おおげさかもしれないけれど、自己を掘り下げ表現することは、他の運動などより、現代社会の病巣への解決の糸口に成り得るのではないか。それに繋がる新潟絵屋の存在もそれなりに重要なんじゃないかなぁと思う今日この頃である。 (新潟絵屋企画委員 井上朗子)
昨年末は絵屋が踊りだしました。戸板や戸袋が突風で吹っ飛び、瓦が一枚程落下。お抱え大工・フラッグさんの出番です。修繕を重ねるたび、この建物に愛着が強くなります。絵本の「ちいさいおうち」みたいに、にっこりしたり困ったり…絵屋は生きているんだと、この頃感じてしまいます。(I)