2008年3月


2008年2月の絵屋

2008年4月の絵屋

  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog  

 

2008年3月2日〜3月10日

企画 大倉宏

西野一男(にしの かずお)
■1939年埼玉県入間市生まれ。66年高橋絵画研究所に入り油彩を学ぶ。78年アテネ画廊、80年現代画廊、83年ブロードウェイギャラリー、86・88・98・2000年画廊宮坂、96年ヤマハ家具吉祥寺ショップギャラリーで個展。新潟絵屋で00・01年個展、04年「花のイメージ」に出品。日本板画院同人。入間市在住。

 

←「 鯉乗り童子 」 2003年 31.7cm×46.5cm

西野さんの絵屋での最初の個展は、2000年のオープン間もない真夏だった。その時は、私の好きな日本各地の土人形をモチーフにした木版画を中心に並べた。翌年は風景での個展。04年には花を描いた3人展に出品をお願いした。ということで今回は久しぶりの個展になる。
最初の案内状に私は「愛らしい人形を愛らしく描いた絵は、世に多い。西野さんの版画には、その愛らしさの『二重』がない。不思議な表情をもった人形たちがそのままそこにある」と書いたが、本当にそうだと思う。「土人形よりその版画が高いのは変じゃないかと苦情を言われる」と西野さんが笑って話していたのを思い出す。前記の文に付け加えるなら、人形の絵(版画)では、西野さんの個性である大らかな明るさが、土人形という明るい鏡に映って倍の輝きになっている。二重はないが、二倍はある、高いのはだからリーズナブルだ。そんなへんてこりんな理屈も、笑って受けとめてくれそうな懐の深さも西野さんの世界の持ち味だろう。こうした明るさ、大らかさ、ユーモアは、真面目な新潟の人々の苦手とするものらしいが、だからこそその新潟の人たちに、私は西野さんの絵をまた見てもらいたい。(大倉 宏)


 

2008年3月12日〜3月20日

企画 大倉宏 越野泉

arara(荒澤聡子)
■1978年新潟県三条市生まれ。長岡造形大学卒業後、新潟市(旧巻町)村木陶芸スタジオ・村木正廣氏に師事。atelier arara陶芸教室主宰(2003年7月〜08年4月)。

araraさん(荒澤聡子さん)の白い花瓶を以前二つ買って、持っている。
モランディの静物画の花瓶に、ちょっと似ている。寡黙で、空気に溶けいりそうな揺らめきを抱えながら、存外強い存在感があって、好ましい。今回の個展に並ぶ新作の陶器も、白やグレーが主体だが、はなやかできれいな色をこすり落としたようなその白やグレーは、けれど無味ではない。ナチュラルな味と、いい気配がある。自然な場所、使われ方を強く求めてくるような器たちだ。陶器と磁器の中間の微妙な場所に、硬すぎず柔らかすぎない、自分の焼きものの位置を探そうとする作者の姿勢にも、確かな個性を感じる。微妙なものを求める仕事が持ちがちな、細かさに近い繊細ではない、大柄な繊細といっていいものが、araraさんの陶磁器たちにはあるようだ。日々棚に置いて見ていると、自分の中の神経質がほどかれ、気分が明るい曇り空のように落ち着いてくる。(大倉 宏)

 


 

2008年3月22日〜3月30日

企画 旗野秀人

松野真理(まつの まり)
■1950年兵庫県生まれ。京都薬科大卒業後、京都市立芸大を卒業、パリへ遊学。その後、パリと神戸にアトリエを持ち、往復する生活。在学中から各種公募展に入選。79年からフランスをはじめ、神戸、京都、大阪と国内の各地で毎年個展を開催。日本では神戸在住。

 

←「セネガルの女性」 2007年 紙のコラージュ パネル 20号

6年前の3月、絵屋がはじめて裸婦像で埋まった。画家の飯田春行さんは「確かなデッサンに裏打ちされたそのフォルムはドイツルネサンスの画家ルーカス・クラナッハの深い宗教的精神性をも秘めていた」と絶賛。一昨年、「画業30年展」の案内が届いた。裸婦だけ描いて今年で33年とは凄い。新潟でもまたやりたい、と手紙を出したら「まりちゃんアフリカにいく」という冊子が届いた。あとがきに「旅行者の目で、面白いと思ったものを写真で撮ったり、絵に描いたりしてきたけれど、それは好奇心を満足させたり、外見の美しさに惹かれるからそうするのであって、私の画家としてのライフワーク(女性を使った心象風景)とは少し違うと思ってきたし、その思いは現在も変わらない」とあった。
今も神戸とパリのアトリエを行き交うパワーは健在。春一番、セネガルの裸婦像で埋まる絵屋が待ち遠しい。(旗野 秀人)

 



1月26日、新潟NPO協会が主催する対話型交流会「あめつちの日」に参加してきました。新潟の特定非営利活動団体(NPO)の活動を紹介するイベントです。この日は、まちづくりや国際協力、福祉など様々な分野で活動する方々と知り合うことができ、収穫の多い一日でした。昨年の秋には、新潟市内の中学生が一日職場体験に来てくれました。少しずつ絵屋を身近な存在に感じてもらえたら嬉しいです。(I)



京都・松本健宏さんの雛人形、詩集「不安と未来と」著者・残熊てるよさんのノンフィクション書籍が入荷しました。
■立雛…¥5,000(会員¥4,500)
■父と母の開拓団「五福堂」引揚記
 ―無名の民草として生きて―
 残熊てるよ編著(表紙画 小林春規)…¥2,000


絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代のはみだし連載コラム 9

自転車に出来る事はただひとつ。前へ進む事だけ。だから好きさ、自転車って。新潟市西区をけぶらせる激しい雨の中、走る粗大ゴミ?号は走る。ひたすら前へ、前へ。1メートルでも前へ。視界はいまいち。だけど五感は冴えわたる。脇を通過するクルマやら、しぶきやらをよけながら。
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)




   

2008年2月の絵屋

2008年4月の絵屋

  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog