2008年4月


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2008年4月2日〜4月10日

企画 越野泉

平井沙織(ひらい さおり)
■1979年新潟市生まれ。長岡造形大学工芸デザインコース鍛金卒業。 2006年、07年二人展「イカラカラ」(fullmoon upstairs 新潟市)。 07年5月 新潟市古町4にクラフトショップ「イカラカラ」を共同で開設、08年5月から同店オーナー。同年第24回松本クラフトフェア出展予定(松本市あがたの森)。

 

←「凸柑」 2008年 銅・真鍮・綿・まち針など h3cm

ミカン、ポンカンの凸柑(椪柑)は平井作品のブランド名である。
平井さんは金属を叩いてカタチを形成する「槌起」技法で制作している。金属を叩くと凸凹(でこぼこ)ができてカンカン音がすること、柑橘系の丸い感じが作品イメージに近いこと、などから「凸柑」ブランドが誕生したそうだ。
今回、個展としては初めてで、小さい丸いモノをたくさん展示する。アクセサリーにも、針さしにも、お守りにもなる優れものだ。人の手でしか作ることのできない、金属の造形物は平井さんからのメッセージ。
見て楽しみ、触って楽しみ、飾って楽しみ、使って楽しむ。日常に自然と入り込み、そばにあるだけで幸せになれる。そんな珠玉の作品たちだ。(越野 泉)


 

2008年4月12日〜4月20日

企画 大倉宏

小島伽藍(こじま がらん)
■1958年名古屋市生まれ。本名敏裕。中学進学を前に白士会の加藤正音先生に師事。白士会会友、中部清新美術会創立会員となるも、住所移転により現在は団体展への出品は休止中。82〜83年イタリア留学。95年、2001年名古屋丸栄デパート、96年東京銀座「風童門」、2000年トミオカホワイト美術館ギャラリー、八海山地ビール館、01年、03年北方文化博物館屋根裏ギャラリー、05年新潟市ジョイフル2ギャラリーで個展。1998年より新潟市在住。

←「椿(都鳥)」 2007年 顔料 32.5×52.5cm

あーとぴっくす
「淡い墨色がかすかに匂う花」上原誠一郎
小島さんの絵を初めてみたのは2001年、北方文化博物館の屋根裏ギャラリーでのイタリア風景のスケッチ展でだった。イタリアという国に日本人が抱きがちな明るさのない、中国の古代都市のような、墨色が空気に忍び込んだような気配にちょっと驚いた。
その後小島さんの人物や、大樹の連作、花の絵などを見せていただく機会があったが、特に花の絵に私は引かれた。いかにも日本画らしい、清楚できれいな絵なのだが、例えば椿の白い花びらに目を寄せると、その向こうに、うっすらあの墨色の霧を感じる。速水御舟や甲斐庄楠音(かいのしょうただおと)など、記憶に残る美しさを持つ画家には「きれい」の底に、そのきれいとは、どこか対極のものを潜ませていたのを思い出す。心地よさを越えて心を揺らす、そんなくすんだ匂いが小島さんの花にもあって、私はいつまでも見つめていたくなる。(大倉 宏)

 


 

2008年4月22日〜4月30日

企画 上田浩子

阿部信子(あべ のぶこ)
■1966年新潟市生まれ。ジュエリーをメインに金属工芸の作品を制作。97年以降、日本クラフト展、日本ジュエリーアート展などにコンテンポラリージュエリーの作品を出品。2001年にはイギリスクラフトカウンシル主宰の企画展示に参加するなど企画展多数。02年LREX展参加以降、ジュエリーや金工の概念に捕われない作品を発表。絵屋では04年に続き2回目の個展。日本ジュウリーデザイナー協会会員。アトリエNOVI主宰。

 

←「小島2号」 2007年 銅・銀 5×5×5cm

阿部さん、久々の絵屋での個展である。タイトルの「小島」は、彼女が一緒に暮らす小鳥の名前なのだそう。
「小鳥ですか?と聞かれたら、いいえ、小島です、って言いたいなーと思って」
というのが命名の由来だそうで、あいかわらずのすっとんきょうさである。そしてそのタイトル通り、今回の作品は小島という名前の小鳥(ややこしくてすみません)がモチーフになるのだが、作品そのものは至って真面目、しかも強烈に愛らしい。
ジュエリーというのはよそゆき顔をしていて、身につける人間を特別な立ち位置に持っていくものだと思っていたのだけれど、彼女の作品は特別は特別でもいささか違う、どちらかというと「特殊」な気分にさせる魔力を持っている。今回の小島(という名前の小鳥)たちは身につけるものではないらしいけれど、やはりその愛らしさとはうらはらななにものかを持っているに違いない。そう思って、身震いしつつわくわくしている。うふふ。(上田 浩子)

 



2月の「チャメ展」では作家のミニライブ(2/9)があり、ギターかき鳴らしオリジナルの歌を披露。小さな展示室は弾けるように賑わい、ライブ後のレセプションも盛況でした。地元のラジオ局が取材してくれた「内藤雅子展」は記録的な来場者に恵まれ、レセプション(2/27)はお客さんと作家のよき交流の場になりました。
中央左がチャメさん→



ショップコーナーから手仕事のぬくもりある2つをピックアップ。
■野中光正さんの手漉き紙シリーズ
ご好評いただいている野中光正さん(01、05、06年絵屋で個展開催)のぽち袋・しおりがリニューアルし、はがきも新たに加わりました。手漉きの紙に様々な版画を施してあり、選ぶのも楽しい逸品です。
ぽち袋…\250 しおり…\350 はがき…\350

■『青松ワークス』のフレーム
絵屋のオリジナル額(デッサン額)を制作している新潟市内の福祉施設、『青松ワークス』の木製フレーム。素朴な色味や丁寧な造りが人気です。
はがき大…\800 2L…\1,100
いずれも4色(赤・緑・茶・こい茶)


絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代のはみだし連載コラム 10

電信柱の町名表示が寺尾から寺尾朝日通と変わるあたり、ふと気がつけば空が明るい。雨はしだいに弱まっていく。でも何たってさっきがああだったもの、今さらダマされないぞ、と弱まった雨足に軽くなったペダルを今まで以上にしゃかしゃか踏んでゆく。小針南台までやってきた。雨はもう止んで空はうすい水色。こんな色のジーンズ持ってたなと思いつつ先を急ぐ。(つづく)
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)




   

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