2001年1月

2000年12月の絵屋

2001年2月の絵屋

  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog  

 

2001年も新潟絵屋を
よろしくお願い申し上げます

新潟絵屋もなんとか最初の新年を迎えることができました。昨年は19回の展覧会、瞽女唄、ライブペインティング、路上も使っての舞踏、映画上映、講座の開催、餅つきなどのイベントを行いました。たくさんの方々からの援助をいただいて迎えた6月16日の開廊が、たった半年前なのに、とても昔に思われます。
絵屋のエネルギー源は、やはり見に来てくださる方々の目や仕草、声や言葉。気に入った絵を買って行かれる方に出会えるのも、絵屋のスタッフ、企画運営委員一同のこの上ないよろこびです。「買う」という行為はもっともストレートな評価です。買われていった絵が、どんなふうに飾られ、語られ、感じられているのか想像を誘われます。
重く、暗いと言われる新潟の冬ですが、絵屋では変わらずいろいろな企画や催しを開催します。ぜひ足を運んで絵屋を元気にしてください。そして元気になって帰っていただけるといいなあと思っています。                   (大倉 宏)



2001年1月6日〜10日
 

2000年L-REXリレーアート展「LOVE-HOUSE」より
 

参加メンバー 
伊藤純一(1963年生まれ:建築家・しょっぺ店研究家:新潟市在住) ●今井みどり(1976年生まれ:座る★ものづくり:新潟市在住) ●上田浩子(1963年生まれ:托鉢デザイナー:新津市在住) ●笠原賢悟(1966年生まれ:レンダラー:新潟市在住) ●櫻井謙一郎(1965年生まれ:画家・デザイナー:新潟市在住) ●高橋一裕(1957年生まれ:コピーライター・ミュージシャン:新発田市在住) ●チャック(1962年生まれ:アルチジャナート:亀田町在住) ●眞島裕之(1962年生まれ:ビジュアリスト:新潟市在住) ●真優(1976年生まれ:フォトグラファー:新潟市在住) ●ヨウイチ(1971年生まれ:DJ:CA’BAR’ET在住)
 

L-REXのリレーアート展アフターエキシビションPart2は、絵屋びらきをかねたお正月イベントをにぎやかに行います。書き初め、呈茶、句会などなど、どうぞお気軽にご参加ください。 (伊藤純一)


絵屋びらきWITHL-REX  2001年1月6日(土)

■書き初め/

絵屋メンバーを中心にした生演奏&L-REXメンバーによるアートパフォーマンス。(午後から)

■呈  茶/

L-REXメンバーのインスタレーション空間をお茶室に見立てて、抹茶をサービスいたします。(随時)

■句  会/

絵屋便編集長で俳人の田代・早苗・蒼猫による新春句会。「田代の俳句よみ講座」も企画中。(午後から)




2001年1月12日〜20日
 


清水義晴(しみず よしはる)
■1949年新潟市生まれ。75年株諮i堂代表取締役となり、点塾、伸デザイン、創庫美術館など分社化を推進。90年からフリーとなり以後地域おこしの仕事に係わる。96年「えにし屋」設立。5年ほど前から表具師山田敏昌氏と出合い、創作掛け軸作りに熱中。


藤井朋子(ふじい ともこ)
1964年栃尾市生まれ。東京女子体育短大卒業後、スポーツインストラクター、広告制作、イラストレーターなどの仕事を経て、98年桑原タンス店に「見習い」として入社。99年より同店で古いタンスの再生を始める。

 

清水さんの作る掛け軸は華やかだ。和服や洋服、喪服の帯、酒袋や裏地など、あっと驚く組み合わせは手品を見るよう。だが、これこそ表具という行為の原点ではないか、と思う。加茂のタンス店で働く藤井さんの作る再生タンスも、補修にとどまらず、モダンな金具、埋め木、和紙など新しい素材と取り合わせ、一旦死んだタンスを、文字通り新しい家具へ生まれ変わらせる。共通するのは型としての伝統にとらわれない自由な目と、過去の作り手への親愛の情だ。過去は彼らの上でも下でもなく、パートナーとして、同じ場所にいる。
清水さんの近作は本紙まで古布になり、絵と額縁の上下関係も消えてしまった。掛け軸や再生家具も取り合わせで美しい場(間)を作る素材になる。つまり「間具(まぐ)」なんです、と清水さんは言う。古い町屋を再生した絵屋の室内で、新しい春の歌を間具たちにうたってもらおう。    (大倉 宏)




2001年1月22日〜30日
 

「北の浜」シリーズ 2000年 
 

西村 満(にしむら みつる)
■1935年長岡市生まれ。58年新潟大学教育学部美術科卒業。67年日展初入選。78、80、85年安井賞展入選。79年西村満第1回「北の風景」展(新潟大和)。89年新潟市美術館主催「新潟の絵画100年展」に出品。94年岩室村主催「西村満・ハザ木野外スケッチ展」。2000年「にいがた美術サロン・西村満」放映(BSN)。現在光風会会員、新潟県美術家連盟理事。作品収蔵・新潟市美術館ほか。
 

「北の浜」シリーズ 2000年「ベルリン・天使の詩」という映画を御存知だろうか。「壁」崩壊以前のベルリンを舞台にしたこの映画に登場する天使は大きな翼があるわけでもない、黒いコートの中年男。人間の傍らに居ながら人間に触れることも人間の目に見えることもない彼の仕事は、人の言葉を記憶すること、風景をみつめ続けること。孤高の天使の視線を通したベルリンは荒涼としていながら透明で美しい。
新潟の海辺にもこんな天使が一人居るのなら、西村満氏の作品はまさにその天使の視ている風景だ。作品の多くを寒々とした浜辺に求めているにもかかわらず、氏の作品に「つめたい」「淋しい」感じを受けないのは私だけだろうか。
天使に記憶されることによって人が、ベルリンの街が永遠のものになるように、西村氏に描かれることによって風景が永遠性を帯びる。一見新潟のどこにでもある風景にみえて、実は此岸から永遠の世界へ向かう海辺なのだ。 (田代 早苗)


   

2000年12月の絵屋

2001年2月の絵屋

  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog