2003年5月

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  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog  


 
2003年5月2日〜5月10日
  

堀 正(ほり ただし)
■1924年山形県生まれ。45年ソ連に抑留、タシケントでスターリン、レーニン他の肖像画を描き続ける。48年復員帰国。50年頃より創造美育協会主催の児童画展で幼児画の魅力に驚く。62年高校の美術講師を担当し、若い青春像、その詩情に励まされる。また歌誌「黄 」、月刊誌の表紙絵を担当し現在に至る。00年、02年酒田市美術館、酒田清水屋で個展。
 

←堀 正

山口正博(やまぐち まさひろ)
■1948年山形県酒田市生まれ。70年武蔵野美術大学陶磁科卒業。沖縄壷屋、琉球大学陶芸科で作陶。71年酒田・本間美術館に勤務。74年亀ヶ崎に築窯独立、陶芸「東禅寺窯」と名づける。95年第2回山形県陶芸展にて山形県大賞受賞。山形、東京、鶴岡、千葉などで個展。
 

←山口正博 「風化する形」シリーズ?

日本海に面して隣り合わせた港街、新潟と酒田では、格別異なった表現の画家や陶芸家がいる訳でもないと漠然と思っていたのですが、昨年の春に機会があって、新潟絵屋を覗き、大倉さんの勧めで「酒田の二人展」を引き請けてしまいました。
会場の新潟絵屋に似合う作品を新たに制作したり、旧作の中から探し出して見てもしかたがないので、現在続けている仕事からの出品となりました。
陳列してみて、何かしっくりこないところがあれば私の責任です。喜んで見ていただく方があれば「酒田の二人」も私も、喜びに堪えません。
これを機会に、酒田の会場を展示場にして、「新潟の○人展」が開催できればと思っております。 (佐藤七郎)


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2003年5月12日〜5月20日
  

山口ヒロミ(やまぐち ひろみ)
■1945年生まれ。小学校教諭だった36歳の時に出産した娘・天音は出産時の医療ミスで重い脳性麻痺に。介護のため退職。1988年より夫とともに創刊した手書きの個人誌『あまね通信』や、単行本、雑誌などでも娘を描き続け、東京、大阪で個展を開催。著書『寝たきり少女の喘鳴(こえ)が聞こえる』、画文集『天音』(共に自然食通信社刊)。

←「スパゲッティーシンドローム」

●山口ヒロミ展 関連イベント 
「『超イノチ』の娘と生きて」
山口ヒロミさんに聞く
5月12日から展覧会がはじまる山口ヒロミさんをお招きした
トークイベントです。お気軽にお越しください。
■日 時:5月17日(土)午後2時から
■会 場:新潟市美術館 2F 講堂(新潟市西大畑町5191-9)
■資料代:500円 
※申し込みは不要です。直接会場へお越し下さい。
脳に重い障害を負って生まれた娘、天音。片時もそばを離れられない24時間介護の日々の中で、硬直し曲がりくねった娘の肢体が、少女の色香を漂わせていることに気づいたころから、そのあるがままの美しさに魅せられた母、ヒロミさんは、なまめかしくも奔放な姿態をペン画、パステル画、銅版画にと描き続ける。生きるすべてを奪われながらも内側から溢れ出す生への強靱な意思までをも深い眼差しとともに感受、普遍の輝きを放つ表現へと昇華させた作品に接した作家、松下竜一さんは「さながらシャガールの絵を想わせる」と評した。
今回の企画展では、画文集『天音』収載の銅版画を中心に30点ほどを展示。19歳と4か月で逝った天音さんとの濃密な歳月がたっぷりつまった“天音ワールド”にぜひお越しくださいますよう。    (自然食通信社代表:横山豊子) 
 
  
2003年5月22日〜5月30日
  
小林寿一郎(こばやし じゅいちろう)
■1954年佐渡生まれ。82年より高橋信一氏に師事。86年佐渡「大慶寺」にて日和崎尊夫氏らと三人展。95年第50回新潟県展賞受賞・無審査作家となる。96年〜現代版画の状況展(福島、新潟)、00年11月絵屋にて個展開催。新潟県展委員、佐渡版画村会員。

←「飛翔うさぎ」 2003年
  木口木版画 7.4×20.0cm

小林さんの新作には、不思議な饒舌さを感じる。動物や人などのモチーフがそこここにあらわれるのだけれど、しかとした実体はなくただ爪痕や痕跡が残るばかり。前回絵屋で開いた展覧会の作品の、あの闇もそのままあるようなのだけれども、それもまたひとつのモチーフとなって歌うように踊るように画面を走り抜けていく。小林さんが自分の言語(ジュイチロウ語)で、いろんな言葉遊びを試みている。そんな印象。
小林さんのアトリエは、佐渡の海のそばにある。春先に訪ねたときに見た海は、冬の黒々としたうねりをおなかの底に抱えたまま、わーんと両腕を広げてこちらをむいていた。その重たく底光りする鮮やかな青色は、小林さんの作品に少し似ている。たくさんの闇に旅をした、その記憶があるからこそ生まれた小林ワールド。5月の青空の下、絵屋の壁一面にそのざわざわとした響きが満ちると、いい。(上田浩子)
 
 
絵 屋 と ぴ っ く す

 4月5日午後、小雨降るなか造園家の土沼さんと、新潟下町を歩きました。路地や歩道の植物を、土沼さんから一つ一つ名前を教えていただきながらのんびりと歩いた1時間半。下町のプライベートな植栽は、南天(難を転じるの意をもつ)や実のなる木など、伝習や生活に根ざしたもの(生活樹木)が多く、親しみを感じさせるという話が印象的でした。

下町を特徴づける緑は、南天、バラ、アジサイの3つとのこと

f r o m e E y a
 
 「大地の芸術祭」こと「越後妻有アートトリエンナーレ2000」が開催されて以降、県内各地で野外アート展的な催しが目立って増えてきたようです。思い出すままにあげてみても、「野外アート展in弥彦」、「内野deアート」、「浦川原横住888の窓」、「アートサイト岩室温泉2003」、「中大口匠通り街角ギャラリー」などなど。もちろんこの他にもユニークな取り組みは大小さまざまあり、この限りではありません。
 おかげでずいぶんいろいろな所へ行く機会を得ました。地域のたたずまいとそこに暮らす人々との魅力的な出会いなどが、いずれも五感を通じた印象として残っています。
 絵屋周辺の下町でも、長岡造形大学の学生による作品展が回を重ねて開かれています。
 今年も7月には第2回目となる「大地の芸術祭」が開催されます。前回は猛暑の記憶とともに思い出され、山里の登り下りには体力勝負を実感したものです。ダイエット効果なども期待しつつ、今年も汗をかきながらくまなく見てまわるぞー! そして飲むぞ、ビール、たくさん! (小川弘幸)


   

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