2004年5月


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2004年6月の絵屋

  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog  


 
2004年5月2日〜5月10日

押味久美子(おしみ くみこ)
■1976年新潟県新津市生まれ。94年東北芸術工科大学芸術学部 美術科 工芸コース 陶芸専攻 学士課程修了、01年東北芸術工科大学 大学院 芸術工学研究科 修士課程修了。02年10月新潟 p.project にて5人展「マズハ」に出展、03年東京を中心にグループ展示数回。01年より新津市西潟製陶所内に築窯した「萌(もえぎ)陶房」にて制作中。陶芸教室講師。新津市在住

押味久美子のHP ねこにうでまくら
http://www.udemakura.net/top.htm

←「ねこりょーしか」陶器(入れ子)
 12cm〜2cm

「ほんわか」といった言葉がぴったりあてはまる押味作品。作品は作家の人柄を表すとはよく言ったもので、押味さん本人も「ほんわか」タイプ。せわしない日々を送っている私だが、彼女に会うと、一瞬そんなせわしなさを忘れてしまう。彼女からでる「ほんわかオーラ」のせいだろうか。一見そんな彼女だが、東京山形等県外でのグループ展に積極的に参加し発表活動を続ける。時に迷い時に突っ走りそしてマイペースに創作活動を続ける彼女。「絵屋という空間はやっぱり好き」と言って今回の初個展で、「出発」をテーマに、陶器と言葉の参加型作品「ユクヘ」で絵屋とのコラボレーションに臨むとのこと。絵屋に、陶器でできた灯台と935個の船が現れる。そんなインスターレーション空間が展開される中に、食器や置物といった生活に親しめる作品が並べられる。絵屋で絵屋を意識した押見ワールド。是非体感していただきたい。(伊藤純一)

 


  
2004年5月12日〜5月20日
 
吉田加南子(よしだ かなこ)
■1948年東京生まれ。詩人。現在学習院大学教授(仏文学)。詩集に『仕事』(詩学社)『星飼い』『匂い』『闇』『定本 闇』(高見順賞受賞)『波』『波 波 波』『吉田加南子詩集』(思潮社)など。詩論、随想に『詩のトポス』(思潮社)『言葉のむこうから』(みすず書房)。ほか訳書多数。

吉田加南子さんの詩の朗読とお話
  「かくこと 夢みること

5月15日(土)15:00〜16:30 
¥1,000(ドリンク付き)
終了後、吉田さんを囲んでレセプションを行います。
●吉田さんが15、16日の午後絵屋にいらっしゃいます。

←「初秋の木立」 1989年 鉛筆、紙 28.3×21.5cm
底がひらいてゆくのです  波
吉田さんが詩に使う言葉はとても平易。やさしさに誘い込まれ、入ると、床が消えてめまいが来る。空や海や虹や闇。詩が詩の言葉に閉じこめてきたものが、言葉から放たれ、ただの空、海、虹、闇として目の前にある。そんな心地。
新潟や方々の海や空や雲に、吉田さんは時々会いに行く。ぼうっと見て、スケッチブックに何かかいている。そのスケッチを絵屋に並べたいと電話をもらった。10代の頃からの膨大な絵を見せてもらう。詩と同じようにシンプルに、波や木や風が描かれている。いや、吉田さんの見ている波や木や風が、そのまま線に吹き出している。「見えるものを見ることが/わたしの仕事だ」――最初の詩集の、印象的な冒頭の言葉を思い出す。 (大倉 宏)
   
  
2004年5月22日〜5月30日
 
斎藤昌子(さいとう まさこ)
■加茂市生まれ。武蔵野美術大学卒業後、キャラクター商品のデザイナー、広告プロダクションの社内イラストレーターを経て、1984年よりフリーのイラストレーターになる。現在は雑誌、単行本のイラスト集、出版関係を中心に活動中。著書に新潟の町をモチーフにした画文集『N市の光景』(2001)。2001年の絵屋での個展を含め個展7回。グループ展多数。新潟市在住。

←「ぶんぶく茶釜」 2002年
  パステル、イラストボード 51×51.5cm

斎藤昌子さんのイラストはほのぼのとして暖かい。パステルで丁寧に描かれ、きれいな色と絵肌は目に優しい。
今回の「ジャパニーズテイスト」は、和風だけれど、どこか異国風、というのがポイント。題材は日本のもので、しかも、ぶんぶく茶釜、浦島太郎、古事記、など、えっと思うおもしろい内容だ。特に「ぶんぶく茶釜」は絵本にしたい意向があるそうで、展覧会では一冊手作りの見本が見られそう。絵本といっても子供向けというわけでもなく、開けてびっくり玉手箱。何か趣向があるみたい。いずれは浦島太郎も同じテイストで本にしたいとのこと。
古事記シリーズには、話に関係あるのかないのか、蛙が登場する。クリーム色のぼーっとした蛙で、なぜこんな所に・・・と思うが、ふしぎに心をくすぐられる。
そのほかの作品も和もので統一。ほんわりと楽しい、マサコ絵巻が広がる。(越野 泉)
 

 
E y a i n f o r m a t i o n
2005年下半期「準企画」への応募について
 新潟絵屋では、個展経験の少ない作家の発表を支援するため、また絵屋の空間のより多様な活用を求めて、準企画形式の展覧会を開催しています。半年毎に、応募のあった企画案の中から企画会議で選ばせていただいた展覧会を、経費の一部を発表者(作家)負担で開催するもの。下記の要領で2005年前半(1月〜6月)に行う準企画(案)を募集します。
●応募資格:特に制限はなし。基本的には個展経験の少ない美術作家、
      あるいは販売を伴わない展覧会(インスタレーション)などを希望する方。
●応募方法:展覧会の企画書、作品資料などを絵屋に直接お持ち下さい。
●〆切  :5月31日
●発表  :6月の企画会議(16日前後)の後、直接応募者に連絡します。
※開催の決定した展覧会の会期は、応募者と協議して決定します。
 負担していただく経費は9日間の会期で7万円
 (作品販売を伴う場合。作品売り上げは作家と絵屋で折半)、
 または10万円(販売を伴わない場合)です。

絵 屋 I n f o r m a t i o n

絵屋ライブ7
「少女詩人・久保田裕子さんの紹介と詩の朗読の夕べ」
●5/31(月) 開場18:30・開演19:00 運営協力費 ¥200

春の訪れ
ちらとのぞいた土の上に/かたい梅の蕾の上に/すきとほつたかげろうが/みどりの夢が/ゆれている
梢の先には/青空がたわむれている/春の光に/おぼれて
あゝ/強い香り/お伽の國から吹いて來る/春の息吹の/強い香り

「31」の日に随時行われる絵屋ライブ、5月31日は、詩の朗読ライブです。冒頭の詩は、燕市出身の少女詩人・久保田裕子(くぼたひろこ)さんが55年前に発表した詩集『ははこぐさ』の中の一編「春の訪れ」です。今回は、新潟を代表する詩人・鈴木良一さんが久保田裕子さん紹介と消息を語り、詩を朗読します。会場には久保田さんの詩に作曲した曲が流れることでしょう。 初夏の夕べ、文学的な夜をお楽しみいただきたいと思います。

絵 屋 と ぴ っ く す

3月のイベント

ペイントした顔で呟くように語り、熱く歌った鈴木翁二さん。髪で作った筆を手のひらでしごき、白い壁に釘を打ち込むように「面」の字を書き重ねた華雪さん。大きく揺れる和蝋燭の明かりの中で、どこまでもゆっくり踊り続けた堀川久子さん。素敵な燭台に灯った蝋燭に囲まれ、遠い昔さながらクラヴィコードと ヴァージナルの落ち着いた響きを聴かせてくれた八百板正己さん。3月のイベントはどれも不思議な空気を呼吸させてくれました。沢山のご来場ありがとうございました。
N E W S !

「画廊Full Moon」5月15日(土)にオープン
絵屋運営委員の越野泉が、同代表大倉宏をアドバイザーとして、新潟市東堀の古い町屋に、画廊をオープンします。画廊の名は、以前同じ場所にあった店の名前をそのまま継承しています。オープン展は栗田宏の個展。プレイベントも開かれます。
●プレイベント
 堀川久子・振舞ひ 「草の夢」   5/1(土)16:00〜 \1,500
 大倉宏のトーク 「画廊を楽しもう」 5/8(土)16:00〜17:30  \1,000
●栗田宏展 5/15(土)〜19(水) 11:00〜18:00
画廊Full Moon 新潟市東堀通4-453 TEL.FAX.025-229-6792
       
http://www.hanga-cobo.jp/fullmoon/index.html


   

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