2004年4月


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2004年5月の絵屋

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2004年4月2日〜4月10日

古山浩一(ふるやま こういち)
■1955年、東京生まれ。筑波大学大学院芸術専攻修了。85年以降独立展(2000年新人賞)、上野の森美術館大賞展(90年佳作賞)日仏現代美術展(91年大賞、94年、エコール ナショナル シュペリオール デ ボザール賞 第一席)、昭和シェル石油現代美術展、リキテックス・ビエンナーレなどに出品。絵本作家、万年筆作家(雑誌『メモ 男の部屋』連載中)としても活躍中。

古山浩一のHP 町工場二階空目薬煙突工房
http://www.entotsu.net/

何を隠そう初めて買った絵は古山さんの作品であった。ここ10数年お会いしていなくて絵本作家としての作品を遠くから見ていたのだけれど、以前からぜひほしいと思っていた作品群が、今回のカリカチュアである。古楽ユニット音楽三昧のコンサートチラシに掲載されていた作曲家のシリーズがある。バッハやモーツァルトやモンテヴェルディがなにやらつぶやいているのだけれど、大笑いするのではなく、くすっという感じ、にやっとする感じ。絶対に言いそうにないことをこの人ならこんなこと言うかもしれないと思わせる。うまいなあと思う。予め見せていただいた画家たちは、やっぱり、くすっとしたり、にやっとしたり。今回のメインは多重人格者ものだとか。絵屋での古山ワールド、楽しみである。(中山佳奈恵)

 


 
2004年4月12日〜4月20日
 

「ある朝突然に」 ペン、コラージュ
15×20cm 2003年
上原木呂(うえはら きろ)
■1948年巻町生まれ。68年東京芸大を中退。美学校博物細密画工房で立石鉄臣に師事。瀧口修造と知り合い強い影響を受ける。限定小冊子の制作、野外のハプニング等の活動の後、76年イタリアに渡り古典道化演技を学び、俳優、演出家として20ヶ国、300公演に係わる。88年帰国。90年上原酒造5代目蔵元となる。02年瀧口修造賛歌としての、瀧口氏周辺作家や自作の展覧会を計画。

Une rose a vous 篠原佳尾
コラージュと銅版画展  企画 上原木呂
4月16日(金)〜21日(水)
会場:楓画廊
新潟市西堀通5番町  TEL.025-228-7781

「瀧口修造へのオマージュ
新潟で二つのシュールレアリスト個展」
大倉宏(2004.4.16 新潟日報)

私達の知る、あのエチゴビールの上原誠一郎(木呂)さんは、30年前、東京芸大を中退し、瀧口修造の許に足繁く出入りした。それからイタリアで日本人初の古典道化役者としてデビューするのだが、イタリア古典劇を知らない私にはそのあたり、まるでお伽の国の話のよう。
しかし、ともあれそういう生き方の根っこに、瀧口さんとの出会いがあったのだと、今回一気に制作されたコラージュの連作で感じた。瀧口さんは、フランス生まれのシュルレアリスムをいち早く理解し、生きた詩人で美術評論家。その精密で、折り目正しい破天荒は、上原さんが実人生で、創作でつむぎ出すイメージに受け継がれて、生きている。(大倉 宏)
   
 
2004年4月22日〜4月30日
 

澁田寿昭 
備前徳利 9.5×17cm ぐい呑 7×6cm

渡邊琢磨
備前透花器 直径26×高18cm
澁田寿昭(しぶた としあき)
■1957年兵庫県生まれ。81年武蔵野美術大学卒業。85年備前陶苑入社。89・90・91年一水会陶芸展入選、93年日本陶芸展入選、91・97年焼締め陶公募展入選、93・94・95年陶芸ビエンナーレ入選、91・92年田部美術館茶の湯の造形展優秀賞、91・93・94・95・97年同展入選。2000年ヘルシンキ市立美術館「茶の湯―現代の造形展」出展。99年より備前焼ギャラリー青山(東京)で毎年個展。01・02年新潟絵屋で個展。岡山県備前市在住。

 

渡邊琢磨(わたなべ たくま)
■1968年兵庫県生まれ。91年関西大学卒業、備前で山内厚可氏に師事。96年備前陶苑入社。98年日本伝統工芸展入選、98・99年一水会陶芸展佳作、2000・01年同展入選、99年陶芸ビエンナーレ入選、99・02年田部美術館茶の湯の造形展入選、01年岡山県美術展覧会山陽新聞社賞、2000年・02年同展奨励賞。岡山県佐伯町在住。

澁田と渡邊が所属する備前陶苑は、陶芸家を育成する目的で創業された窯元である。二人は給与を貰い就労するが、土も窯も自由に使って作家活動が許されている。しかし、自由と奔放が違うように、恵まれた環境が当たり前になった瞬間そのシステムは目的を失うだろう。
備前陶苑の希有なシステムが機能するのは、その中で澁田や渡邊ら創作者たちが、闊達に拮抗しているからである。他者に影響し、反発し、様々な思いが有機的に作用する中から、個々の作家性が生まれているのだ。ディシュプリンは続く……。(伊藤信行)
 

絵 屋 I n f o r m a t i o n

「にいがた堀割物語絵図」
新潟の町中に堀の再生を目指す市民グループ「堀割再生物語プロジェクト実行委員会」が、このたび、かつての堀がどこにあったか一目でわかるマップを作成。マップは明治18年の地図を現在の白地図に重ねたもので、堀の存在時期をまとめた年表、新潟の堀の歴史、堀にゆかりの歌碑や建造物の紹介なども付されています。表紙や挿図には昨年絵屋に並んだ三芳悌吉さんの『砂丘物語』の絵が使われています。絵屋でもご希望の方に、無料で差し上げています。


「CI VEDIAMO パリでまた逢おう」
2000年7月絵屋で個展を開いた写真家J-F.ゲリーさんの新刊(新潟日報事業社¥1500)。昨年、突然お母さんが亡くなって行った韓国経由フランスの旅の写真を、プライベート・ムービーのように時間軸に沿って構成したもの。前著『旅の虫』はモノクロでしたが、今回はカラー。粗めのプリントとカメラを持つ身体を意識させるアングル、時折よぎる写真家の影が、哀切な旅情を浮かび上がらせます。

絵 屋 と ぴ っ く す

大倉宏(新潟絵屋代表)の著書『東京ノイズ』の刊行を祝う会が2月15日イタリア軒で開かれ、100人近い参加者で盛会でした。『東京ノイズ』は絵屋で好評発売中(¥1575)。また新潟日報書評欄「にいがたの一冊」で紹介された金田弘『四方四仏』(¥5000)と洲之内徹『おいてけぼり』(¥2730)の新刊も絵屋で販売中。


絵屋の玄関入口と外の格子戸に、展覧会案内の掲示板を掛けました。会期や内容がよくわかります。周りに空地が増え、移転はいつですかときかれますが、まだ当分ここに居ます。冬の強風で何度か切れてしまった絵屋の幟もきれいに補修され、春スタート!(K)


   

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