2004年4月 | |
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2004年4月2日〜4月10日 |
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古山浩一(ふるやま こういち) 古山浩一のHP 町工場二階空目薬煙突工房 |
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何を隠そう初めて買った絵は古山さんの作品であった。ここ10数年お会いしていなくて絵本作家としての作品を遠くから見ていたのだけれど、以前からぜひほしいと思っていた作品群が、今回のカリカチュアである。古楽ユニット音楽三昧のコンサートチラシに掲載されていた作曲家のシリーズがある。バッハやモーツァルトやモンテヴェルディがなにやらつぶやいているのだけれど、大笑いするのではなく、くすっという感じ、にやっとする感じ。絶対に言いそうにないことをこの人ならこんなこと言うかもしれないと思わせる。うまいなあと思う。予め見せていただいた画家たちは、やっぱり、くすっとしたり、にやっとしたり。今回のメインは多重人格者ものだとか。絵屋での古山ワールド、楽しみである。(中山佳奈恵) | ||
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2004年4月12日〜4月20日 |
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「ある朝突然に」 ペン、コラージュ 15×20cm 2003年 |
上原木呂(うえはら きろ)
■1948年巻町生まれ。68年東京芸大を中退。美学校博物細密画工房で立石鉄臣に師事。瀧口修造と知り合い強い影響を受ける。限定小冊子の制作、野外のハプニング等の活動の後、76年イタリアに渡り古典道化演技を学び、俳優、演出家として20ヶ国、300公演に係わる。88年帰国。90年上原酒造5代目蔵元となる。02年瀧口修造賛歌としての、瀧口氏周辺作家や自作の展覧会を計画。
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私達の知る、あのエチゴビールの上原誠一郎(木呂)さんは、30年前、東京芸大を中退し、瀧口修造の許に足繁く出入りした。それからイタリアで日本人初の古典道化役者としてデビューするのだが、イタリア古典劇を知らない私にはそのあたり、まるでお伽の国の話のよう。 しかし、ともあれそういう生き方の根っこに、瀧口さんとの出会いがあったのだと、今回一気に制作されたコラージュの連作で感じた。瀧口さんは、フランス生まれのシュルレアリスムをいち早く理解し、生きた詩人で美術評論家。その精密で、折り目正しい破天荒は、上原さんが実人生で、創作でつむぎ出すイメージに受け継がれて、生きている。(大倉 宏) |
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2004年4月22日〜4月30日
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澁田寿昭 備前徳利 9.5×17cm ぐい呑 7×6cm 渡邊琢磨 備前透花器 直径26×高18cm |
澁田寿昭(しぶた としあき) ■1957年兵庫県生まれ。81年武蔵野美術大学卒業。85年備前陶苑入社。89・90・91年一水会陶芸展入選、93年日本陶芸展入選、91・97年焼締め陶公募展入選、93・94・95年陶芸ビエンナーレ入選、91・92年田部美術館茶の湯の造形展優秀賞、91・93・94・95・97年同展入選。2000年ヘルシンキ市立美術館「茶の湯―現代の造形展」出展。99年より備前焼ギャラリー青山(東京)で毎年個展。01・02年新潟絵屋で個展。岡山県備前市在住。
渡邊琢磨(わたなべ たくま) |
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澁田と渡邊が所属する備前陶苑は、陶芸家を育成する目的で創業された窯元である。二人は給与を貰い就労するが、土も窯も自由に使って作家活動が許されている。しかし、自由と奔放が違うように、恵まれた環境が当たり前になった瞬間そのシステムは目的を失うだろう。 備前陶苑の希有なシステムが機能するのは、その中で澁田や渡邊ら創作者たちが、闊達に拮抗しているからである。他者に影響し、反発し、様々な思いが有機的に作用する中から、個々の作家性が生まれているのだ。ディシュプリンは続く……。(伊藤信行) |
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絵 屋 I n f o r m a t i o n
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絵 屋 と ぴ っ く す
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