2004年7月


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2004年7月2日〜7月10日

福知伸夫(ふくち のぶお)
■1968年東京都生まれ。91年武蔵野美術学園版画科修了。91年JACA日本イラストレーション展、特別賞受賞をきっかけに雑誌のイラストレーションの仕事を始める。最近は絵本を中心に活動中。絵本の仕事に『ひとつひまわり』『ずるがしこいジャッカル』『やあ、こんにちは』『ぱかぱか』『とってください』『こちょこちょ』(以上福音館書店)など。個展は02年東京展以来。絵屋での開催は01年9月に続き2回目となる。静岡県裾野市在住。

←「プラネット」 2002年 29×41cm

ちいさな人たちは顔が好きである。丸や四角の中に目・鼻・口と思しきものがあると、見入ってしまうようだ。横顔は顔として認識しないという。正面から見つめる目に強く反応するらしい。福知さんの作品の写真から、そんな子どもたちのまなざしを思った。今回の版画はいたるところに顔がある。赤と黒のくっきりとした潔さ。目をそらせない真っ直ぐな思い。おだやかなまなざし。見つめられたいのか見つめていたいのか。
梅雨の一日、傘を閉じて、絵屋のあたたかな光の中でみつめられるのも嬉しい。
(中山佳奈恵)

 


  
2004年7月12日〜7月20日
児玉 晃(こだま あきら)
■1930年岩手県北上市生まれ。岩手県立美術工芸学校、同盛岡短大美術工芸科で洋画を学ぶ。62年自由美術協会会員。91年自由美術展平和賞。92年文化庁現代美術選抜展出品。個展9回。Σ展、あみ展などグループ展参加多数。03年新潟絵屋で斎藤鉄臣との2人展、北上市「奥の館」で児玉智江との2人展。

←「自画像」 コンテ、藁半紙 1955年頃 38×30cm

この児玉さんの自画像、児玉さんに似ている。
そのことに驚くのは、これが50年近くも前の絵だから。
児玉さんに、私がお会いしたのは一昨年。風貌は絵よりふっくらされ、雰囲気もずっと温厚な印象だったけれど、相手を見つめる目が、絵にそっくり。
鷹が獲物を狙うごとく、睨み付け、射抜くような目。それは描くことが掴みだすべき何かを強く求めることだった時代の目でもあるのかも、と思う。
昨年絵屋で並べたアフリカの彫像を描いた近作の油絵は、主観を排し、坦々とした写生に徹した絵だったが、その坦々さの徹底に、児玉さんの目の鋭さと熱を感じた。自分を納得させる以外の意図を持たない絵は、見る側にはどこか素っ気ないが、そこが不思議に清々しい。
20代から最近までの素描をお借りして、今回はそんな児玉さんの目の遍歴を辿ってみる。(大倉 宏)
   
  
2004年7月22日〜7月30日
安井清子(やすい きよこ)
■1962年東京生まれ。国際基督教大学卒。おはなしきゃらばんの活動を経て、85年よりタイのラオス難民キャンプで5年、ラオスで2年子供たちのための図書館活動に携わる。現在フリーランス。ラオスのモン族の民話、文化などの記録、難民になったモンのその後の生活も追っている。著書に『チューの夢トゥーの夢』(福音館書店)『森と友だち川と友だち』(草土文化)『ラオスすてきな笑顔』(NTT出版)訳書に『かたつむりとさる』(福音館書店)『しーっ! ぼうやがおひるねしているの』などがある。
 
モン族は、ラオス、ベトナム、タイ、そして中国南部などの山岳地帯に住む少数民族です。現在、「山の民」は文明化の影響で世界中で存立基盤を失いつつあります。
 しかもモン族にはインドシナ戦争のころ米軍に協力させられたという苦い歴史もあって、一時期は故郷を追われ、タイの難民キャンプで暮らさざるを得なかったこともありました。
 安井清子さんは、そうしたモンの子どもたちに絵本の読み聞かせを通じて、生きる力を与えてきました。それも一方的な“文明側”からの押しつけではなく、モンに根付く刺繍の文化を取り入れ、子どもたちと刺繍絵本を作ったりして……とても素敵な活動でした。
 安井清子さんが撮影したモンの子どもたちの素顔と、モンの刺繍製品と、そして何よりも安井清子さん自身の魅力に出会える企画です。
(佐藤滋・福音館書店)
●講演会「難民キャンプで読み聞かせ」
●お話:安井清子
●7/25(日) 14:00〜15:30 資料代 ¥500
●会場:新潟市美術館 2F講堂(新潟市西大畑町5191-9)
※申し込み不要・直接会場においでください。
ラオスの山の民モンの人たちの難民キャンプを訪れ、絵本を介して子供たちと生き生きしたコミュニケーションが始まった。ラオスを第2の故郷と感じる安井さんに、絵本とアジアの子供たちについて語っていただきます。
 
 
絵 屋 I n f o r m a t i o n

絵屋ライブ「絵本とテオルボの夕べ」
●7/31(土) 16:00〜17:30 入場料 ¥1,000
テオルボ独奏:中山徹  絵本朗読:中山佳奈恵
※定員30名です。絵屋まで電話でお申し込みください。
 定員になり次第締切ます。
ギターの祖先リュートに、低音弦を加えた楽器がテオルボ。そのみやびで深みのある響きと、絵本と詩の朗読をお楽しみ下さい。演奏曲はルイ14世の楽団で活躍したロベルト・ドゥ・ヴィゼの作品。絵本は『ふれ、ふれ、あめ!』『ぼくのかあさん』、詩は『茨木のり子詩集』より朗読します。

絵 屋 と ぴ っ く す

2つの詩の朗読会
5月の絵屋では2つの詩の朗読会が開かれました。吉田加南子さんの講演と詩の朗読会では、吉田さんが新潟との縁を語り、フランスで出会った詩人や画家の話から、書くこと描くことが自分にはひとつと語る合間に、初期の詩から近作までの朗読が織り込まれ、県内外から訪れたファンとの熱気ある意見交換も行われました。
 少女詩人・久保田裕子さんの紹介と詩の朗読の夕べでは、詩人の鈴木良一さんが、久保田さんの現在の消息を語り、詩集『ははこぐさ』から詩を数編朗読しました。また、久保田さんの詩に付曲した音楽が流されました。約20人の来場者が、久保田さんの詩の世界を楽しみました。

吉田加南子さんの朗読会 少女詩人・久保田裕子さんの詩の朗読会

 

佐渡市、阿賀野市の会員のみなさま、今月の絵屋便から合併後の住所にお送りします。封筒の住所等に誤りがある場合は、訂正しますのでお手数ですがご連絡ください。宜しくお願い致します。
 4周年を迎えるとともに、たくさんの会員更新の手続きとあたたかい激励の言葉を頂戴しました。委員・スタッフ一同より厚く御礼申し上げます。 (ちくき)


   

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