2004年8月の絵屋
2004年10月の絵屋
羊歯三郎(しだ さぶろう) ■1928年姫路市生まれ。詩人。若き日に金田弘、皆光茂とともに『天蓋』に参加(『天蓋』は昭和20年代に西脇順三郎の新作を数多く紹介した異色の詩誌)。西脇順三郎の詩世界との精神的葛藤のなかで詩作を絶つ。「才能は研ぎすまされた刃の如く、我が身を刻まずにいられない態のものだった」は金田弘著『旅人つひにかへらず』に書かれた羊歯三郎評。詩集に金田弘との合作詩集『CALECON』(著者名Harf & Harf)がある。
山田敏昌(やまだ としまさ) ■1940年新潟市生まれ。伝統に裏付けされた表具に情熱をかけ、神社、寺院の修復も多数手掛ける。近年は創作表具にも熱中。2002年4月羊歯三郎の「風」の書を多彩に表具した軸作品を中心に、新潟絵屋で個展開催。
←「山」
←アクリル、紙 2004年 35.5×26cm
●topics 1 「難民キャンプで読み聞かせ」 7月25日、新潟市美術館講堂で安井清子さんの講演会、「難民キャンプで読み聞かせ」が開かれました。ラオスのモン族と、図書館活動などを通じて深い関わりを持つ安井さんが、モンの女の人が作った大きな刺繍のタペストリー(写真)の前で、民族の歴史や、モンとベトナム戦争の関係、モンの子供たちとのふれあい、20年以上も続く安井さんとモンとの関わりなどを、わかりやすくお話ししてくださいました。読み聞かせの実演をしたり、子供たちが作った刺繍絵本を見せてくれたりと、楽しそうな安井さんに、会場は次第に和やかな雰囲気に。終了後も刺繍作品を間近に見たり、安井さんとお話ししたりするお客様で賑やかでした。 ●topics 2 絵屋ライブ 「絵本とテオルボの夕べ」 7月31日、中山徹さんのテオルボ演奏に中山佳奈恵さんの朗読を交えたコンサートが開かれました。テオルボはリュートに低音弦の加わった大きな楽器。優しい声で呟くような音で古い曲が奏でられる合間に、絵本『ふれ ふれ あめ』などの朗読がはさみこまれ、最後はテオルボの楽曲に重ねて茨木のり子さんの詩が朗読されました。当日の新潟はすさまじい猛暑。クーラー全開の絵屋の中も温室のようでしたが、落ち着いた響きに暑さを忘れることのできた一時でした。
絵屋の当番をしていると、さまざまな案内が届けられます。美術展のDMはもちろんのこと、映画、ダンス、音楽などの公演案内のほか、地域おこしのセミナーまで。それら多岐にわたるチラシの数々でコーナーに設置されたチラシ入れの棚はいつも満杯状態。前売チケットを預かっていることもありますので、お気軽にご用命下さい。(小川)