2005年8月


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2005年8月2日〜8月10日
企画 外山文彦

田中秀美(たなか ひでみ)
■長岡市出身。2000年頃から水彩画を描きはじめる。02年より個展等での作品発表を始め、長岡市内で個展3回。「ONE Mart EXPRESS」(今井美術館)、「おはなしと物語(猪爪彦一との二人展)」(ギャラリー dot ONE)などの企画展に出展。三島郡与板町在住。

←「胡蝶蘭蝶」 2005年
  エッチング、アクアチント 
  20.5×29.8cm

2002年の晩秋、偶然立ち寄ったギャラリーで田中さんの作品に初めて出会った。それが初めての個展、花や虫たちが色鉛筆と水彩で丹念に描かれていて、丁寧な取り組みのなかに見える彼女特有の視点には、面白い感性が光り、印象に残っている。「夢を追いかけ、空想世界を描き続けていきたい」と当時語っていたが、それから3年、その世界は着実に広がっているようだ。
水彩で描くことが多かったが、近年は銅版画にも取り組んでいる。手法は変わっても独特の秀美ワールドは健在であり、刷るという行為が作家の感性と程よい距離感をたもつのか、表現の奥行きが深まっているようにも思う。今回は個展4回目にして初めての版画展。田中さんの新たな魅力が現れてきそうで、楽しみに思っている。
                          (外山文彦)

 


 
2005年8月22日〜8月30日
企画 大倉宏

関根哲男(せきね てつお)
■1942年中国(旧満州国古北口)生まれ。65年多摩美術大学油画科卒。東京(ときわ画廊、田村画廊、Gallery Q&QS)、新潟(アトリエ我廊、ギャラリーdot ONE)などで個展多数。89、92年「日本海美術展」(富山県立近代美術館)、98年「ネオ・ラグーン−北東アジア現代美術展」(新潟県民会館)、2004年「新潟の作家100人」(新潟県立万代島美術館)に出品。ほかグループ展多数。

←「原生」2004年 綿布、バーナー 163×130cm

関根哲男の「原生」シリーズは、四角い枠に囲われた、平面の顔をしている。触れようと近づく目が、その顔を、突き抜ける。すると今度は、向こうから太い手が延びてきて、こちらを引きずりこむ。
そんな体験を幾度もした。
顔の向こうは、果てのない野原のよう。何かがざわめき、はばたき、流れている。それでいて、毛布に包まれたように不思議に静かだ。丈高くのびた草むらから、空を見上げる心地に似ている。
ほんの少し位置を、視点を変えただけで、同じ世界が違って見える。世界と世界の隙間に、さらに無数の世界がひしめくのが垣間見える。
サンドバッグの下がったリングのような仕事場で、関根さんは、そうした一瞬の方へ絵を叩きのめそうと、ゴムを、布を植え込み、張り合わせ、バーナーで焼き続ける。
めまいのする、そんなこの世の「原生」点へ連れ出す力が、絵の本来の魔力だとすれば、異形に見える関根さんの絵こそ、むしろ絵らしい絵だと言うべきかも知れないと私は思う。      (大倉 宏)
 

 

6月18日(土)新潟絵屋5周年のイベントとして片山健さんのトークが開かれました(新潟市美術館講堂)。最初の2冊の絵本を出して10年、鉛筆画だけを書いていた時期のあったこと。生まれた長男が突進するように歩くのを見て次の絵本の構想が生まれたことなど、滋味ある口調でのトークに会場はなごやか空気に。また片山健展での絵本売り上げは『きつねにょうぼう』の取材で片山さんが訪れた山古志村復興のために寄付されました。その後の記念パーティー(ぽるとカーブドッチ)でも片山さんは乾杯の音頭をとって下さいました。

片山さんのトーク

大倉代表スピーチ

 

砂丘館オープン

新潟市西大畑町の旧日本銀行新潟支店長役宅を、新潟絵屋・新潟ビルサービス特定共同企業体が指定管理者として正式に運営・管理することになりました。建物がどっぺり坂の上の砂丘上に位置することから「砂丘館」という通称で、7月1日にオープン。新潟絵屋の経験を生かし、ギャラリーに改装された蔵では様々な自主企画展を開催します。また「季節のしつらい教室」「家の教室」「庭の教室」など色々な催しも企画しています。貸室利用もできます(詳しくは砂丘館にお問い合わせを)。喫茶コーナーもできました。ぜひお出で下さい。

〒951-8104 新潟市西大畑町5218-1(駐車場はありません)
開館時間:午前9時から午後9時まで
休館日:月曜日(月曜祝日の場合は火曜日)、祝日の翌日


●砂丘館開館記念 砂井正七遺作展
 7月20日(水)−8月21日(日)
 砂丘館ギャラリー
 午前9時〜午後5時30分
旧小須戸町生まれ。岸田劉生に傾倒し大正12年27才で夭折した画家の、没後83年ぶりの遺作展です。
●ギャラリートーク「砂井正七の眼力」
 7月31日(日)午後2時〜
 参加費500円
木下晋(画家)と大倉宏(絵屋代表・砂丘館館長)の対談(直接会場へ)

砂丘館 7月1日オープン

6月の「片山健水彩画展」は連日盛況で、小さい来廊者も多くほほ笑ましい光景でした。子連れでのご来廊歓迎です。いま格子戸の前では、朝顔が「わたしの季節」と言わんばかり、どんどん蔓をのばして元気です。(I)


   

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