2005年7月


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2005年7月2日〜7月10日 企画 アートNPO推進ネットワーク

森本秀樹(もりもと ひでき)
■1951年愛媛県宇和島市生まれ。71年武蔵野美術短大油絵専攻科卒。団体展、コンクール等に出品のほか、東京、愛媛、千葉、静岡、神戸、横浜などで個展多数。コレクターのファンも多く、2002年「コレクターによる『ぼくらの森本秀樹展』」が東京で開かれた。03年故郷宇和島の原風景を描いた『森本秀樹画集宇和島』(三好企画)を刊行。

←「操車場」 油彩 S6

あーとぴっくす
「失った日本人の心思い出す」山下透
森本秀樹の抽・具象のマット(艶消し)な色彩は過ぎ去りし青春を追慕するのに格好の色使いである。そこからは故郷・宇和島―港町かつ城下町であり、予讃線の終着駅でもあって美しい山河ありというように、いわば歌心をそそるような街でもある―の思い出の風景を背景として、そこでの森本の青春の喜びや哀しみ、苦悩や孤独、そして恋すること等が時の経過というベールを纏っていつも物語られている。どのような青春があったのかは詳らかには知らない。しかし渋く抑えられた色調はその喜びや苦悩を大仰には語らないという森本の性格をよく表わしていると共に、画面に深く静かに歌うような響きを齎(もたら)している―ある懐かしさを伴って。
今回出展の「操車場」からは、この思い出の地に佇む森本の様々な懐旧の情が輻輳(ふくそう)して、あたかも木霊してくるかのようだ。森本は「宇和島」を通して、過ぎ去りし「青春」を、そして「日本」を歌おうとしているのである。 (御子柴 大三/アートNPO推進ネットワーク)

 


 
2005年7月12日〜7月20日 企画 大倉宏

ロバート・ワッツ(Robert Watts)
■1963年アメリカニュージャージー州、ウエストフィールドに生まれ。86年ニューヨーク、ロチェスタ−芸術大学卒。同年メモリアルアートギャラリーのロチェスターフィンガーレイク展でエクセレント賞受賞。ロチェスタ−芸術大学優秀生展に出品。87年来日、中条町の坂爪勝幸工房にて制作。88年第3回新潟陶芸展(新潟市美術館市民ギャラリー)に出品。91年焼き締め陶公募展(岡山県備前陶芸美術館)で記念賞受賞。2001年ホヴァフォードギャラリー展(フィラデルフィア)に出品。

←「無題」 1993年 h 600×w60×d36cm

同じ坂爪工房のHさんによるとワッツさんの制作は、一点に大変時間がかかるそうである。といって、ワッツさんの陶器にはこまかい、手のこんだ細工があるわけではない。有機的で、構築的だが、どこかシンプルで、愉しげな暖かさがある。こういう仕事が理の冷たさをまといがちな日本人と、そこが違う。体質というものだろうか。
形、空間、エッジ、質感といったものの関係を、一つ一つ触るように確かめ、また目で幾度も検算を重ねて作られたものが、焼き締めという火の他力を、一気にくぐり抜ける。マラソンランナーが、ゴール直前で不意に宙に舞い上がったような不思議が、ワッツさんの、どの陶器にもあって引かれる。(大倉 宏)

 


 
2005年7月22日〜7月30日 企画 外山文彦

Koharu 小春(こはる)
■東京都出身。1970年東京芸術大学美術学部工芸科卒業、72年同大学院修了。98年よりニューヨークのNational Academy Museum and School of Fine Arts(NA)を制作の場として活動。NA年間優秀作品に選出、入賞、インデペンデントアートソサエティー入賞(ニューヨーク)のほか、CWAJ現代版画展(アメリカンクラブ)、国展など出品多数。NAミュージアム(ニューヨーク)、ダガピルスカルチャーセンター(ラトビア)、山手111番館(横浜)、法然院(京都)、大谷美術館(旧古河庭園,東京)などで個展19回。

←「ROSE」 2001年 MONOTYPE

ニューヨークを拠点に活動しているアーティスト・Koharuさんのモチーフは「バラ」。そこからイマジネーションを展開、プラスチック板にのせたインクを削るように描き、プレス機で刷るという独自の手法で制作している。この手法は製版をしないため、版画と名はつくがオリジナルの一点しかつくれない。
下図をつくらずに、一筆に気合いを込めて単色の濃淡で一気に描いていく。それはまるで書を思わせるような日本的なものでもあり、その表現は周りのニューヨーカーたちを驚かせた。9.11(同時多発テロ)後の思いが画面全体に滲み出たバラなど、さまざまなバラがあり、その繊細ななかに力強さがある花の絵は魅力にあふれている。
この夏、新潟絵屋に咲きほこるニューヨークからのバラ、楽しんでいただけることと思う。(外山文彦)
●作家在廊予定・・・会期中は新潟に滞在される予定です。
 午後の在廊が多いと思います。詳しくはお問い合わせください。
●小春さんのご主人の個展も同時開催。
 西丸式人 式人式・空想燈臺展
 Koharuさんのご主人で水彩アーティストの西丸式人さんの作品展が、
 柏崎市・ギャラリー13代目長兵衛(TEL. 0257-28-5130)で同時期に開催されます。
●会期:2005年7月29日(金)〜8月7日(日)/月曜休廊
 ・・・燈台のオブジェと水彩画を111点展示。
 

 

準企画への応募を随時受け付けています

上半期、下半期と分けて応募していた準企画(経費の一部を作家負担で開催する展覧会)を随時受け付けることになりました。詳しくは新潟絵屋まで、お問い合わせ下さい。

 

指定管理者の候補者に選定されました

先々月の絵屋便で応募することをお知らせした、新潟市西大畑町の旧日本銀行新潟支店長役宅の指定管理者公募の選定結果が新潟市のホームページで発表されています(下記参照)。当初新潟絵屋単独で応募する方針でしたが、4月5日の説明会で責任ある施設管理が求められることが強調されたことを受けて、ビルや建物管理に実績のある(株)新潟ビルサービスさんと話し合い、「新潟絵屋・新潟ビルサービス特定共同企業体」という形で応募しました。5月13日に指定管理者選定委員会が開かれ、翌週結果が公表され通知がとどきました。あくまでまだ「候補者」に選定されたということで、正式決定は6月の新潟市議会での議決を経てのことになります。
新潟市ホームページ http://www.city.niigata.niigata.jp/

砂丘館 7月1日オープン

こんぴら通りに面した空き地の一画はシロツメクサの群生地。茎の長い立派なシロツメクサがびっしり生えています。遠い昔を思い出して花輪を編んでみようかな。(C)


   

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