2005年7月 | |
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2005年7月2日〜7月10日 | 企画 アートNPO推進ネットワーク | ||
森本秀樹(もりもと ひでき) ←「操車場」 油彩 S6
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森本秀樹の抽・具象のマット(艶消し)な色彩は過ぎ去りし青春を追慕するのに格好の色使いである。そこからは故郷・宇和島―港町かつ城下町であり、予讃線の終着駅でもあって美しい山河ありというように、いわば歌心をそそるような街でもある―の思い出の風景を背景として、そこでの森本の青春の喜びや哀しみ、苦悩や孤独、そして恋すること等が時の経過というベールを纏っていつも物語られている。どのような青春があったのかは詳らかには知らない。しかし渋く抑えられた色調はその喜びや苦悩を大仰には語らないという森本の性格をよく表わしていると共に、画面に深く静かに歌うような響きを齎(もたら)している―ある懐かしさを伴って。 今回出展の「操車場」からは、この思い出の地に佇む森本の様々な懐旧の情が輻輳(ふくそう)して、あたかも木霊してくるかのようだ。森本は「宇和島」を通して、過ぎ去りし「青春」を、そして「日本」を歌おうとしているのである。 (御子柴 大三/アートNPO推進ネットワーク) |
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