2005年11月


2005年10月の絵屋

2005年12月の絵屋

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2005年11月2日〜11月10日
準企画

おにき ええこ
■1998年南イリノイ大学卒業(米国イリノイ州)。2001年クランブルックアカデミーオブアート大学院卒業(米国ミシガン州)。MATRIX ARTS 2001 International Exhibition(カリフォルニア州)出展、Handweavers Guild of America’s Small Expressions 2003(テキサス州)出展。

←「風のソナタ」 2005年
 絹きびそ糸、麻和紙糸、
 植物染料(藍、クチナシブルー)
 ピックアップダブル織
 51×40cm

アートスクールで学んでいる時「織はええこの言葉なの?」と聞かれた。そうじゃない、と答えて、じゃあ私にとって織ってなんだろう、私の言葉って何なんだろう、と疑問は大きなクエッションマークとなって私の中に残った。
私は織をコントロールできない。コントロールしているのは素材と織り機だ。私は彼等に使われているようだ。味わいのある素材はきまってタフで手強いし、織り機は「もっとしっかり働きな」などと私をしかる。出来上がった作品は私のものであるはずなのに、思いがけない部分が多い。
制作は質問に似ている。全身を使って質問する。答えは出来上がった作品となって返ってくる。稚拙な私の質問は稚拙な作品として返ってくる。それでも私は質問を続ける。大いなるものに、自分自身に、それから、あなたに向かって。(おにき ええこ)

 


 
2005年11月12日〜11月20日 企画 旗野秀人

「いのちは まるい」シリーズから
「年輪とハス」 2005年
墨、水彩色鉛筆、鉛筆、紙 23×54cm

坪谷令子(つぼや れいこ)
■1948年兵庫県神戸市に生まれる。現在明石市在住。神戸大学教育学部を卒業し、10年間、小学校に勤める。子どもの表現に惹かれ、灰谷健次郎氏に多くの教示を得ながら学ぶ中で、自ら絵を描くことを始める。77年、灰谷氏著の「せんせい けらいになれ」の挿画以来、本の世界に入る。氏とは、「星砂のぼうや」や「先生はシマンチュ1年生」等の絵本や、「天の瞳」「風の耳たぶ」の挿画等で多くの仕事をしてきた。昨年、阪神淡路大震災以来親交を深めてきた永六輔氏との絵本「いのち」が出版された。カットを添えた小宮山量平氏著「愛と知によせる37章」は11月刊行。
 

3年前、縁あって神戸のギャラリー島田で映画「阿賀に生きる」を上映することができた。そのとき、「両親が新潟出身なんですよ」と声を掛けてくれたのが、坪谷令子さんだった。
坪谷さんは、主として子どもの本に関わって絵を描いてこられた方で、灰谷健次郎さんとは「せんせい けらいになれ」の挿画をはじめ、絵本などでも数多く共作されている。灰谷さんの小説「風の耳たぶ」は、新潟も舞台のひとつになっていて、坪谷さんのルーツとも深く繋がる。今回は、その「風の耳たぶ」を中心に、“本と語る”絵の数々が会場いっぱいに展示される企画となった。大正時代から連なる新潟絵屋の木造建築の穏やかな空間で、「いのちは まるい」をテーマとした世界がどのように展開されるのか、今から楽しみである。
しかも、昨年大病をされて以来療養中の身である灰谷さんが初日、新潟美術館で講演をしてくださることになった。また、「風の耳たぶ」の主人公の人物像だという理論社を創設された小宮山量平さんも、当日駆けつけてくださるとのこと。ご期待ください。(旗野秀人)
 

 
2005年11月22日〜11月30日
企画 旗野秀人

WAKKUN・涌嶋克己(わっくん・わくしま かつみ)
■1950年神戸生まれ。86年TAO(神戸)、87年PICTURE(大阪)にて個展、以降毎年、神戸、大阪、京都、東京等で個展開催。95年阪神大震災で被災した障害者を援助するボランティアTシャツ・ガッツ君の絵を描く。主な著書に、絵本「ほっ」(90年・星雲社)、「いただきます!」(97年・佼成出版社・共著)、「あっ」(2000年・解放出版社)、画集「友達がいてよかった」(98年・遊タイム出版社)、イラストエッセイ集「54才の絵日記」(05年・友月書房)などがある。00年新潟絵屋で個展開催。

新潟のみなさん、こんにちは。
5年ぶりの絵屋での作品展です。
今回は阿賀のお地蔵さんの絵本の原画展になります。震災(阪神大震災)があった街、神戸から、ここ新潟の阿賀野市(旧安田町で新潟水俣病多発地)の街に引っ越してきたひとりの少年が、阿賀のお地蔵さんと出会うフィクションの物語です。天災と人災という違っていて同じ災害を受けた人々。そして、その人々と、この物語を読んで、自分の心に何かが芽ぶく人々をつないでゆくことが出来るといいなと思いながら絵本を制作しています。
どうぞその絵を見に来てください。(WAKKUN)
 

 

坪谷令子・新潟絵屋展に寄せて
灰谷健次郎講演会「いのち このいとしきもの」
■2005年11月12日(土)13:30〜15:00
●新潟市美術館 講堂 
●入場料:1000円(絵屋会員800円)
※参加ご希望の方は事前に新潟絵屋にお申し込み下さい。

「兎の目」や「太陽の子」などの児童文学作品で知られた灰谷健次郎さんが「老夫婦」を主人公に据えて描いたちょっと珍しい作品に小説「風の耳たぶ」があります。
その「風の耳たぶ」をはじめ絵本などの挿画で共作が多い坪谷令子さんの新潟絵屋展がご縁となってこの度、灰谷健次郎講演会「いのち このいとしきもの」が同時開催されることになりました。
「風の耳たぶ」の最後の舞台は良寛さんのふるさと新潟になりますが、その地は坪谷さんのルーツとも重なります。そして、主人公の人物像だという理論社を創設された小宮山量平さんも当日には駆けつけてくださるとのこと。昨年、大病された灰谷さんは講演依頼もセーブしておられる身、貴重な講演会です。「いのちは まるい」坪谷令子新潟絵屋展と共にご案内申し上げます。


 WAKKUN展オープニングイベント

WAKKUN & 参治さんライブペインティング

WAKKUNと、阿賀の民謡歌手・渡辺参治さんのライブペイントを開催します。どんな歌と絵が飛び出すか、お楽しみに!
●日時:11月23日(水・祝)13:30〜
●会場:新潟絵屋


ダンシガシンダ 

 「談志が死んだ、ダンシガシンダ。ね、いいフレーズでしょ。ところが師匠ったらいつまでたってもお達者なもんだから、いまだにこれ、使えないんですよ」とはある落語家さんの噺のまくら。ガンと闘いつつも談志師匠はやんちゃな暴れん坊。ほんと、変な言い方だけれど、いつまでもお元気。師匠が「おれ、もう長くねえからさ」と言っている間に何人もの落語家さんがお亡くなりになってしまった。
 新潟絵屋も、開廊当初からしょっちゅうお客さまから「もうすぐなくなるんでしょう」「いつ閉じるんですか」と言われながらもはや5年。その間、何軒もの画廊、ギャラリーが閉廊していった。絵屋の周りの建物も次々と取り壊され、もはや「大草原の小さな絵屋」といった風情。
 でも町屋や下町に対する世間の注目はますます高まり、また新たな画廊があちこちに開廊している。常に流れ、変化していく状況の中、絵屋はどうなっていくのだろう。皆様もどうか見守っていてください。
(新潟絵屋運営委員 田代早苗)


こんぴら通りに程近いTさんのビルも、とうとう取り壊されました。絵屋から見える空はいっそう広くなり、切なさがいや増す秋です。(C)


   

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