2006年12月


2006年11月の絵屋

2007年1月の絵屋

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2006年12月2日〜12月10日 企画 大倉宏

渡辺隆次(わたなべ りゅうじ)
■1939年東京八王子生まれ。武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)卒。東京学芸大養護科修了。77年から八ヶ岳麓のアトリエで制作を続ける。個展多数。92〜99年武蔵野美大特別講師。99〜2003年甲府の武田神社菱和殿天井画、04〜05年同神社能楽殿の鏡板絵を制作。著書に『きのこの絵本』『山のごちそう』『八ヶ岳 風のスケッチ』(筑摩書房)『水彩素描集』(深夜叢書)『花づくし 実づくし―天井画・画文集― 〈一〉〈二〉〈三〉』(木馬書館)がある。

←「椿(笠松)―1―」2005年
  ミクストメディア、紙 22.6×15.8cm

絵屋の開廊後まもなく、渡辺さんの展覧会を企画したいと思った。
山梨の渡辺さんに連絡すると実は今大変な仕事を依頼され、当分はそれにかかりきりとの返信をいただいた。仕事は信玄ゆかりの甲府武田神社の天井画制作。
格天井120枚に甲斐の動植物、そしてキノコを描いた素晴らしい天井画は、それから4年余りの歳月を経て完成。キノコが34点というのが渡辺さんらしい。渡辺さんは『きのこの絵本』という著書もある、きのこ好きなのだ。
動物の死骸を腐敗させ、植物の生育に必要な無機物を作り出すのが、きのこなどの菌類。とは渡辺さんの本からの受売りだが、本来の渡辺さんの絵にも、具象とも抽象とも言えない、生物界の菌類のような「中間」存在的な妖しい気配がある。
今回同時期に開催される砂丘館の会場では、美しいきのこのスケッチと、細密に描かれた「不思議な絵」を、絵屋には近作の小品を並べる。写生から変身したような画面は天井画の影響か、不思議な和の匂いがするのが面白い。新しい絵なのにどこか桃山っぽい。ユーモラスな古新しさ。
並木町絵屋での個展がすべりこみセーフで間に合って、とてもうれしい。(大倉 宏)

同時期開催
■渡辺隆次「きのこのスケッチ」展
 2006年11月30日(木)〜2007年1月14日(日) 9:00〜17:30
 会場:砂丘館(新潟市西大畑町5218-1)
 休館日:月曜日(但し1月8日は開館)、12月26日、28日〜1月3日、9日
■ギャラリートーク「1年365日きのこ三昧」
 2006年12月3日(日)午後2時〜3時 
 渡辺隆次/聞き手:大倉宏
 参加料:500円 
 会場:砂丘館(新潟市西大畑町5218-1)
 申込み不要・直接会場(砂丘館ギャラリー)へ

 


 
2006年12月12日〜12月17日 準企画

LREX(レックス)
■1998年の活動開始以来、2004年までほぼ年1回のペースでリレーアート展を開催。会場、手法、参加メンバーは毎回変化している。06年参加メンバー:阿部信子(ジュエリー)、安藤千夏(ヒーリングアート)、上田浩子(格子戸遊び)、遠藤在(平面作品)、金子ボボ(ダンボールアート)、金子好和(白黒写真)、坂本秀樹(言葉と写真)、チャック(標本)、チャメ(ポップアート)、頓所直(写真使用の展示)、内藤淳(立体作品)、樋口賢竜(陶芸&森の工作)、笠原賢悟(立体作品)、高橋徹(絵)、タオ(映像)、中村脩(写真)(50音順)

ことの起こりは、久々に顔を合わせていたメンバーのひとりが言ったひとこと。「今年はLREX展をやりたい」。あ、やろうやろう。でもどこで?「絵屋が年末、並木町での営業を終えるんだけど」。それなら並木町絵屋お見送り企画にしよう。いいねえいいねえ、じゃあ年末だっ。
フレキシブルさがLREXの身上。良い加減とも言う。場当たりとも言うかもしれない。会期中はその真価を発揮して、絵屋とその周辺でいろいろな仕掛けを繰り広げる予定である。場当たりバンザイ。
絵、写真、造形、陶芸・・・さまざまな表現方法の人間が集まって、発表の場そのものも自分たちのパフォーマンスとしてつくってきたLREX。今回は2年ぶり、7回目の展覧会となる。並木町で絵屋にさまざまな変化があったように、LREXも変化してきた。今回参加できないメンバーもいる。初めて参加するメンバーもいる。それらすべてを含めた“LREX”が、絵屋と、絵屋を訪れるみなさんとともに、並木町でホットな記憶を残せますように。お待ちしています。(上田浩子)

■12月16日(土)午後、パフォーマンスと交流会を予定しています。
 詳しくは12日以降絵屋にお問い合せください。お気軽にどうぞ!
幸田家の土蔵公開:12月12〜23日(18、19日休)
絵屋の大家さん、幸田家の土蔵を公開します。建設年代は大正時代。内部は杉とケヤキで作られた見事な空間、外壁の赤身の杉板が長年の風雪に耐えて、建物をしっかり守ってきました。扉や板戸も素晴らしいものです。LREX会期中は、この中でも作品展示を行う予定です。
 
2006年12月20日〜12月23日 企画 新潟絵屋運営委員一同

←写真:村井 勇

2000年6月16日の新潟絵屋オープン前に眺めたからっぽの絵屋。そのどきどき感を思い出す。ゲリーさんや伊藤純一さんが下塗りをしてくれた土壁。板壁に和紙をはった時は10人以上の人が来た。亡くなった皆川美智子さんもいた。きれいな肌色だった格子。オープン直前に伊藤信行さんが搬入した什器で空気が一変した。ここにどんな絵たちが来て、空間が生まれるのだろう…。
6年半で213回の展覧会。すべてを一挙に思い出すのが不可能なほど、いろんなことがあった。実際にやってみて、画廊の仕事はやはり大変だった。
新しかった壁や木材も6年余りの時の汚れや傷みをまとい、大正の柱や壁ともいい具合になじんだ。普段は絵に隠れて見えなかった壁たちに、並木町での最期の展覧会でライトを当てる。絵屋は解体移築されるが、この壁たちを持っていけないのが残念!
若い宮河愛一郎さん(Noism06)と、くり返し絵屋や下町で踊ってきた堀川久子さんがからっぽの絵屋で踊ってくれる。絵屋の大家さんである幸田さんの家の大正時代の見事な土蔵内部くまも、引き続き公開します。(大倉 宏)

からっぽの絵屋展会期中企画
■ard ライブ パフォーマンス
 2006年12月21日(木)20:00〜(締め切りました)/21:30〜
 出演:RAI、ダイスケ、宮河愛一郎(Noism06)
 会場:新潟絵屋展示室 料金:1000円 定員:30名
 申し込み:電話で新潟絵屋(025-222-6888)へ
■堀川久子 舞踏「並木町の空っぽノ絵屋デ踊ル」
2006年12月23日(土)11:00〜13:00/15:00〜17:00
料金:各回1000円 
共演:安達修子、鈴木良一(詩) 
演奏:鈴木正美、野沢隆、安生真人、絵屋楽団
協力:伊藤裕一、松浦武利、ワークショップ身体の空
申し込み:電話で新潟絵屋(025-222-6888)へ
壁と床だけの絵屋でずっと居ることを試みるぞ、大家さんの幸田さんちの柿の木の下で踊りたかった、幸田家の蔵でも踊らせてください、並木町の道よありがとう、いちにち踊ります。
古い町屋のミセ部分に床がはりかえられ新しい戸がはめられ、みんなの手で壁に土が塗られて、和紙が重ねられた日以来、絵屋は色々な存在の姿を並木町の一角のなかに映し出してきた。そして周辺の景色もどんどん変わってきた。絵屋が新しい翼をつけながら、地上をがたごと走る姿が見える。ただいま運転中。この旅はまだまだ続きます。(堀川久子)
■並木町新潟絵屋フェアウェルパーティ
 2006年12月23日(土)午後5時頃(堀川久子舞踏公演終了後)〜
 参加無料
  
 

新潟絵屋は移転に伴い2006年12月24日〜
      2007年6月15日まで休廊します。
道路拡張に伴う工事のため、新潟絵屋は思い出深い並木町から、上大川前通10番町に移転します。移転に伴い2007年1月〜5月は休廊になります。再オープンは2007年6月16日の予定です。大正初期の町屋のミセ部分である絵屋の建物は、大家さんである幸田さんのご理解とご好意で、解体移築されることになりました。解体は2007年1月から始まり、春ごろには完成予定です。休廊中の事務所としてこんぴら通り(西厩島町)の大西さんのお宅(やはり古い町屋のミセ部分です)をお借りすることになりました。
休廊中の絵屋への連絡先
〒951-8043 新潟市西厩島町2344 
TEL.&FAX.025-222-6888(スタッフ不在の場合、留守番電話対応)
E-mail eya@h5.dion.ne.jp


会員の皆様へ
賛助会員の皆様の更新時期は休廊期間である5か月間延長になります(正会員の延長はありません)。また休廊中の新入会も随時受け付けます。休廊中は移築工事の様子や上大川前絵屋の活動準備などについて、会員向けの通信で随時お知らせする予定です。絵屋便発行は2007年6月号からになります。並木町絵屋をご支援いただき本当にありがとうございました。上大川前絵屋も引き続きサポートして下さい。よろしくお願いします。


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