2006年11月


2006年10月の絵屋

2006年12月の絵屋

  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog  


 
2006年11月2日〜11月10日 企画 地域手仕事文化研究所、手仕事フォーラム

中川原 信一(なかがわら しんいち)
■1949(昭和24)年中川原十郎、ヨシの長男として生まれる。幼少よりアケビ蔓細工の第一人者であった父の蔓細工を手伝う。74(昭和49)年より蔓細工に本格的に従事。86(昭和61)年10月(財)日本民藝協会主催「日本民藝館新作展」日本民藝協会賞受賞。96(平成8)年4月倉敷民藝館主催第2回倉敷民藝館賞受賞。2003(平成15)年3月全国編み組み工芸展(会津三島町)大賞受賞。

あけび蔓細工は東北地方を代表する手仕事です。かつては背負いカゴ、飼料入カゴ、瓶下げカゴなど暮らしの道具として使われてきました。秋田県仙北地方のあけび蔓細工は三ツ葉あけびという粘り強く弾力性のある蔓の性質を生かして編む、円形の形状をしたカゴが特長です。中川原信一さんは、その特性を巧みに引き出して、様々な種類のカゴを創り出す力を持った卓越した工人です。誠実でひたむきな仕事ぶりは、今の世の中で希有な作り手といっても過言ではないでしょう。家族労働で材料の採取から全て一貫した手作業ゆえ、年間を通してわずかなカゴしかつくれません。私共手仕事フォーラムでは、中川原さんの仕事と、その生き方を、より広く知っていただきたく、この度の展示会を企画いたしました。また同時に、日本各地を代表する暮らしに結びついたカゴやザル、その他の工芸品も選び、合わせて越後の皆様に紹介いたします。(久野恵一 手仕事フォーラム代表・日本民藝協会常任理事)

 


 
2006年11月12日〜11月20日 企画 大倉宏

野中光正(のなか みつまさ)
■1949年東京・鳥越生まれ。67年木版画・絵画をはじめる。68〜71年太平洋美術研究所、73〜82年渋谷洋画人体研究所で描く。77年横浜国際船客ターミナルでの初個展後、89年までゆーじん画廊(東京)等で個展。89年新潟県高柳町に移住、紙漉を学ぶ。91年かやぶきの家(高柳町)で個展、同年10月末に東京に戻る。以後ほぼ毎年ゆーじん画廊で個展。95年ウィリアムモリスギャラリーで木版画展。01年,05年新潟絵屋で個展。

←「060502」2006年
  顔料、膠、アクリル、パネル、綿布 60×80×3.5cm

昨年春の野中さんの旧作の展覧会は、評判が良かった。
36年前の夏の、東京の下町のスケッチ。隙間の開いた板壁。川面に突き出た木杭。鉄橋。成長期の日本の汗が沁みた一画では、汚れが活気を伝えていた。やがて時代は明るさと清潔感が好まれる80年代へと移り、一方で野中さんの仕事も描写的要素を徐々に消し、明快な色面で構成する抽象に変わっていった。けれど80年代の新しい町に70年代の町が隠されていたように、野中さんの抽象にも、依然として20歳の頃の素描の気配や匂いが残されていることを、改めて私は感じた。
顔を近付けると、石造りでもガラスとコンクリートの町でもない、汚れた、活気ある木の町の匂いがする。野中さんが江東区、墨田区の町並みをそのまま描き続けていれば、どこかで誇張され、歪んでいったかもしれないものが、逆に純粋なエキスのような姿で、今年の野中さんの絵の中にも生き続けている気がする。(大倉 宏)
 
2006年11月22日〜11月30日 企画 大倉宏

スサンネ・イブラ(Susanne Ibler)
■1963年旧西ドイツ、レーゲンスブルグ生まれ。86年〜89年彫刻家ウルスラ・デルクに師事、陶芸を学ぶ。90年から陶芸家、画家として活動。ドイツアーティスト協会会員。94年よりレーゲンスブルグ、ニュルンベルグ、フランクフルトなどドイツ各地で個展。グループ展多数。

←NO TITLE 2005年 アクリル、紙 
 14.5×5.7cm

あーとぴっくす
「“美”3分野、3会場 土の香り」アンティエ・グメルス
スサンネ・イブラさんの黒に引かれる。
最初に見たのが、黒い陶芸作品の写真だったからだろうか。後に接した版画やドローイング――赤や青い色調の絵にもやはり黒を感じる。闇でも、墨の色でもない、鉱物質な実体に似て、湧き上がるイメージに抵抗し、透過するとき強い屈折を加えるもの。そのような黒の痕跡が、今回他の2会場で紹介される陶器や版画、絵屋で展示のミニアチュールの作品群に共通してある。
多様なものが、その黒を通過する。直接的なものが一旦挫かれ、亀裂を生じ、ねじ曲がり、豊かに広がる。裏返しの透過光が、私の中のくぼみ――黒にあたって硬い、いい音をたてる。
イブラさんは、巻在住の画家アンティエ・グメルスさんの幼なじみ。アーティストとしてタイプは異なるが、ふたりは親友だという。人の孤独の中の不可視の場所に注ぐ、同じように強い視線が、互いを結びつけるのかも知れない。(大倉 宏)

同時期開催
■スサンネ・イブラ展 ●版画・ドローイング
 11月22〜30日 会場:画廊Full Moon(新潟市東堀通4-453 tel.025-229-6792)
■スサンネ・イブラ展 ●陶オブジェ
 11月21〜12月3日  会場:ろばや (新潟市内野山手2-17-1 tel.025-263-0975)

  
 

「広小路−並木町道路の将来を考える勉強会」開催中。
新潟絵屋の移転先に近い広小路の道路の拡張工事が、来年実施されます。前段の配管工事が現在進行中。現在の絵屋の場所も新しい道路の中になります。この道のデザインを住民の立場で考え、提言しようという勉強会が継続的に自主開催されています。どなたでも参加できます。詳しい情報は新潟絵屋までお問い合わせ下さい。


(いまさらですが)大地の芸術祭に行って来ました。


絵屋スタッフ増殖中(9月から2人の仲間が増えました)。
Tさん曰く、絵屋で働く人には不思議と幸運が訪れるのだという。そういえば、委員のみなさんは商売繁盛でとても忙しそうだし、Iさんは9月にご結婚、もう一人のIさんには2番目のお子さんが生まれた(どちらもおめでとうございます)。きっと、新しいスタッフの2人にも、何かいいことあるでしょう。実はこのボクにも、とてもとてもうれしい出来事があったのですが、そのとてもとてもうれしい出来事がどんな出来事なのかは、・・・・・・秘密なので教えてあげません。(ま)


2006年10月の絵屋

2006年12月の絵屋

  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog