2007年7月


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2007年7月12日〜7月20日

企画 大倉宏

華雪(かせつ)
■書家。1975年京都生まれ。1992年より個展を中心に活動を続ける。刊行物に『静物画』(2001 平凡社)『石の遊び』(2003 平凡社)『書の棲処』(2006 赤々舎)など。近年の個展に「雲と仮面と、雨粒の鳥」(2004 新潟絵屋)「書の棲処」(2006 一宮市立三岸節子記念美術館)「字の売店」(2006 colon books)「字のある部屋」(2006 finerefine銀座松坂屋店)「小さな出来事」(2006 Sewing Table Coffee/箱庭/shin-bi)「花知鳥待花」(2007 WALL)がある。また、ワークショップを積極的に開催し、現在、東京、大阪、京都の3会場で行う。2005年には原美術館でワークショップイベント「書と篆刻」を行う。ロゴ、シンボルマーク等のデザインワークも手がける。現在東京在住。

←篆刻 「風」 2007年

新潟絵屋 ●2004年 3月22日〜30日

書家の華雪さんは、一緒に話しているととても明るい、可愛らしい感じの人だが、一旦集中すると、いきなり何十億光年も向こうに行ってしまう。
と感じるのは、3年前の絵屋での初個展の時のライブパフォーマンスに立ち会った時の驚きが、今も新鮮にあるからだ。
華雪さんにとって、書は書で終わるものでなく、続いていく自分の時間を全身で感じ取り、確認する感覚のひとつなのだろう。言葉を綴ること、判を、本を作ること、デザインに係ることが、すべてそうであるように。
展覧会という表現も、華雪さんの、そのような感覚のひとつであり、コンセプトから展示の細部まで、すべてを自分でプロデュースする。企画者は不要のような気がするけれど、そうではなくて、現場の人とのやりとりも非常に繊細で、丁寧だ。
自分の世界が立つために、他者という違う世界の支えが必要なことを知っている人だと感じさせてくれる。ライブパフォーマンスで彼方へ行ってしまいながら、見る人々を場に釘付けにしてしまう力の秘密も、そこにあるのかも知れない。
今回は砂丘館との2会場での開催で、絵屋の展覧会が始まる時には、砂丘館でのライブパフォーマンス(7月7日)は終了しているのでご注意を。「足もとのこと」と題される砂丘館の会場では書を、絵屋では篆刻を中心とした展示となる予定。
絵屋会場のタイトルは「上」。華雪さんの篆刻は、小さな形の中に、書と同じように今という時間が強く流れている。
絵屋の上空に、刻まれた文字たちが、さえずり、羽ばたく。 (大倉 宏)

同時期開催
■華雪展「足もとのこと」
 砂丘館(旧日本銀行新潟支店長役宅)
 2007年7月6日[金]−8月5日[日]9:00−17:30 入場無料
 休館日:月曜日(7月16日は開館)、7月17日

 


 

2007年7月22日〜7月30日

企画 大倉宏

藤田陽子(ふじた ようこ)
■1995年女子美術短期大学卒。96年同専攻科修了。同年坂爪勝幸氏に師事。2000年新潟現代美術リレー展出品。03、04年ギャルリー炎舎(新潟市)、05年、06年新潟絵屋で個展。

←「パウの樹」 2007年 92×50×25cm
 
新潟絵屋 ●2005年 6月2日〜10日
●2006年 6月12日〜20日

藤田さんの絵屋での個展は3回目。
前2回のモチーフは家と雲だった。今回は木。以前は陶で作られた雲の地面に、木が生えていた。その木が、雲の大地のエネルギーを吸い上げてむくむく育ったかのように、新しい陶の木々はたくましい。
不思議な木々だ。緑をたっぷり茂らせる南国の木ではない。雲が流れる高い気圏の冷気を導管に通わせている。枝先から吹き出す芽や葉は、針葉樹に似て、鋭く、固く、生き物の力に満ちている。猛禽のくちばしや爪のよう。上空5000メートルを駆ける風の髪を梳(くしけず)る櫛の歯にも見える。
台風の力でも吸収したのか、樽のようにたっぷり太って赤らんだ木もある。白い鳥がとまり、花が咲いている。幅広の葉をつけているが、針葉樹の形をしたその葉と、そろって天を指差す枝々が「天空の木」の素性を伝えている。
一角獣の角のように幹に渦を刻みながら、天に突き刺さるような尖った木や、風に勢い良く枝葉をたわませるレリーフも面白い。
5月に仕事場(坂爪工房)を訪ね、屋外に作品を持ち出し、写真を撮った。新緑が萌えだした山麓の濃厚な自然の気配のなかで、陶の木は堂々と、光を浴びて立っていた。(大倉 宏)
  

交流会・総会のお知らせ

NPO法人新潟絵屋 第3回総会 7月15日(日)14時〜15時 会場:砂丘館
正会員の方は議決権があり、総会に参加できます。
■交流会:15時〜16時(総会終了後/正会員、賛助会員の他どなたでも参加できます参加申し込みはTEL・FAXで新潟絵屋まで)

にぎわったプレイベント

2回公演で約50名に見ていただいた堀川久子舞踏「絵屋の風」(6/3)、リマックパンパ(フォルクローレ)とむーたらず(民族楽器)の初セッション、 渡辺参治さんの民謡に、瞽女唄の金子まゆさんと観客が合いの手を入れ盛り上がった「エヤライブ えやまつり」(6/9)、今は笑える苦労話も披露された「建築対談 旗野×純一」(6/10)…と、多彩なイベントを楽しんでいただきました。
*6/3は、夜の回で外観をライトアップ。6/9、6/10は紅白の幕を下げ(開設以来初)、絵屋の新しい表情を披露しました。


絵屋にショップコーナーができました。

■「新潟絵屋記録 2004-2006」
活動報告集の第3号。NPO法人化、移転など絵屋自体の変化も著しかった3年間の記録。(NPO法人新潟絵屋 発行/150円)

■「存在しえないへりを超えてーアンティエ・グメルスの旅ー」
新潟県在住の画家アンティエ・グメルスの90年代以後最新作まで紹介したブックレット。
(文:大倉宏 企画:Les ales de la terra/300円)

連載コラム1
先日、あるギャラリーの人に言われました。「この前、店番たのんでたバイトの子に聞かれたんだけどさ、『いっつもDM持ってくる、あの女の人っていった
い何なんですか?』って」そう、私は絵屋をはじめとするギャラリーのDMを運ぶ役割。名前がないのもなんだから「タシロ便」とでも言っときましょうか。
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)


   

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