2008年6月


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2008年6月2日〜6月10日

企画 大倉宏
いまきみち
「さんぽみち」銅版画、紙
西村繁男
「書き初め」水彩、紙
:にしむらあつこ
「とりの親子」インク・アクリル絵具、紙
いまきみち(今木 道)■絵本作家。1944年神戸市生まれ。主な絵本に73年『あがりめ さがりめ』『しっぽのきらいなネコ』『ヒコリふねにのる』(福音館書店)など。版画(石版、銅版)の作品も多く、グループ展を多数開催。 2001・02・06年新潟絵屋で個展、二人展。
西村繁男(にしむら しげお)■絵本作家。1947年高知県生まれ。自ら観察絵本と名付けた独特の作風をもつ。主な絵本に『おふろやさん』『やこうれっしゃ』『絵で読む広島の原爆』(福音館書店)など。2006年新潟絵屋で二人展。
にしむらあつこ(西村 温子)■絵本作家。1972年東京都生まれ。文化服装学園卒業。絵本作品に『ゆうびんやさんのホネホネさん』『ゆきのひのホネホネさん』『コブタくんとコヤギさんのおはなし』(福音館書店)『野をこえて』(ビリケン出版)など
絵屋絵屋ではおなじみのいまきみちさん、西村繁男さんに、お嬢さんのにしむらあつこさんを加えた3人展をお願いした。3人の絵本はどれも幸福感に満ちている。子供が地域に守られているのびやかさ(繁男さん)、優しい家族のなかで、自分と身近な世界に関心を寄せる子供(いまきさん)、そしてあつこさんの「ホネホネさん」は人々と親しくつながりつつ、ひとりでくつろぐ時間を愛する。そんな三様の幸福を奏でる絵が、どう響き合うか楽しみだ。 (大倉 宏)


 

2008年6月12日〜6月20日

企画 井上朗子 井上美雪

渡辺リリコ マッチ箱絵本「星の王子さま」 2008年
5.6×3.6×1.6cm(撮影:関 暁)

片山 健(かたやま けん)■1940年生まれ。武蔵野美術学校商業デザイン科卒業。絵本に『タンゲくん』「コッコさん」シリーズ(以上福音館書店)など多数。2001.05年新潟絵屋で個展。

佐藤周子(さとう しゅうこ)■1974年新潟市生まれ。大学卒業後、中学校の美術講師をしながら新潟絵屋で01年木版画にて個展開催、03年ズッキーニ展に出品。新発田市在住。

てつ安中(てつ あんなか)■1958年生まれ。78年〜人形劇団入道雲美術班。82年独立後広告を多数手掛け、92年〜立体イラストの制作を開始。近年はクラフト教室講師としても活動。

松本健宏(まつもと たけひろ)■1967年生まれ。京都精華大学テキスタイル科卒業。インテリアデザイナーを経て、04年〜京都を中心に活動し染色や人形作品を制作・発表。07年新潟絵屋で個展。

渡辺リリコ(わたなべ りりこ)■灘本唯人氏に師事後、宇野亜喜良事務所、灘本唯人事務所を経てフリーに。2005年画廊full moon upstairsで個展。『別冊PHP』で「マッチ箱絵本で楽しむ名作絵本の世界」(08年6月号まで)連載。
(五十音順)

いまきみち・西村繁男・にしむらあつこ・津田真帆の4氏もこのグループ展に出品します

誰の胸の内にもこどもがいる。その内なるこどもが眠りから覚め、遊び出したら楽しい。そんなことを思い、今回は「こどものいる風景」をテーマに、9人の作家に作品を作っていただいた。名作絵本の登場人物も素敵なマッチ箱列車に乗ってやってくる。絵画や版画、染色、ペーパークラフトなどで生み出されたこどもたちは、どんな風景にいるのだろう。子育て真っ最中の作家は、どんなこどもを描いたのだろう。まさに片山健さんの絵本『コッコさんとあめふり』の季節。たくさんの傘が絵屋の周りを彩ってくれますように。(井上 美雪)

 


 

2008年6月22日〜6月30日

企画 大倉宏

津田真帆(つだ まほ)
■1966年東京に生まれる。東京芸術大学卒業。子どもの絵画・造形教室に携わる。装丁・挿絵の作品に『デ・ラ・メア物語集』(全3巻・大日本図書)。挿絵の作品に『村野四郎詩集 遠いこえ 近いこえ』(かど創房)、絵本には『うずまき・うずまき・かたつむり』(大日本図書)『巨男/おおおとこの話』(大日本図書)『からすうり』(「がかくのとも」2005年7月号・福音館書店)。『わたしのあかちゃん』(福音館書店)。東京都在住。06年新潟絵屋で個展。

 

←「ゆっくりゆっくり」
   2008年 グワッシュ、紙 27×19.5cm

津田さんの絵は美しい。花や麦、風を切るような若い草の香り。前回の個展の空間を思い返していると、色や線の輝きから、どこかひそかな孤独の匂いが、茂みの奥のせせらぎのように流れてくる。その微かな音が津田さんの美しい絵を、美しくしている。
『デ・ラ・メア物語集』というイギリスの作家の童話集三冊を前回の会場で買った。挿画を津田さんが手がけている。ここに書かれた登場人物 はみな、個性的な孤独を生きている。「ルーシー」のジーン・エルスペスはポリッジを食べるとき運ぶ匙の数を数え、最後が奇数だとなぜかうれしくなる。そのうれしさは、他の誰にも見えない。そのことが彼女を孤独にするが、その孤独は彼女が彼女である幸福の源でもある。
津田さんの挿画の線もまた、駈け出しては立ち止まり、またとぼとぼ歩き出すというふう。自分だけに語りかけてくる声に耳をすまし、息を弾ませている。水彩の色やにじみも、私には見えないなにかに、じっと感覚を開いているようだ。そして大胆に歩き出す。(大倉 宏)

 


 

6月2日(月)
17:00〜
いまきみち・西村繁男・にしむらあつこトーク
「絵本のことを話しましょう」

会場:新潟絵屋 料金:500円(要申込)
6月14日(土)
14:00〜15:00
テルテル坊主を作る
古布と麻ひもでテルテル坊主を作ります(材料はご用意します)
会場:新潟絵屋 参加自由
6月21日(土)
14:00〜15:30
絵本好きおじさんの歌とお話
出演:たっつぁん、福島はるお/聞き手:大倉 宏
会場:砂丘館・座敷 料金:1,500円(要申込)
6月21日(土)
16:00〜18:00
大人とこどもで作る てつ安中デザイン・紙製しかけ玩具教室
2種類の紙製しかけ玩具を作ります。(はさみ&カッター使用)
対象:大人とこども(限定10組 要申込)
会場:砂丘館・座敷  料金:2,000円

電話・FAX・Eメールなどでお申し込みください



絵屋ショップコーナーもスペシャルに!
玩具とこども家具フェア 6月2日(月)〜30(月)
<出品> 玩具:大室紀子(木工)、JUN JUN(民族楽器/写真1)、青松ワークス(木工/写真2)、てつ安中(ペーパークラフト)、八海亜由美(モビール)、平井沙織(刺繍玉)、松本健宏(布人形)、燕市吉田の洋おじいちゃん(木工)、家具:泉健太郎、伊藤信行(写真3)


絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代のはみだし連載コラム 12

ようやく家に帰りつけば、池のサカナにウチの子がエサをやっていた。「こっちの方、雨どうだった?」そう問いながらも答えはうすうす解っていた。「雨って何のこと?」この辺りの地べたは曇り空の下、少しも濡れてなどいない。今ね凄い雨にあたってたのだよ、などと言ったって白昼夢に等しいだろうね。必死にとばしてきた『走る粗大ゴミ?号』も私自身も、もうすっかり乾いていたのだしね。 ―終わり―
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)


   

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