2008年11月


2008年10月の絵屋

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  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog  

 

2008年11月2日〜11月10日

企画 川瀬裕子

出射茂(いでい しげる)
■1958年広島県呉市生まれ。85年東京芸術大学大学院修了。上野の森美術館大賞展優秀賞、三浦美術館大賞展大賞他受賞多数。新宿伊勢丹、横浜高島屋、梅田阪急、新宿京王プラザホテルギャラリー、ごらくギャラリー(銀座)、ニッチ・ギャラリー(銀座)で個展。上海、フィラデルフィア、ニューヨークなど海外での個展やアートフェアへの出品のほか、音楽や舞踏とのコラボレーションも多数。文・堤江実の絵本「水のミーシャ」(06 清流出版)「風のリーラ」(08 清流出版)の絵を担当。東京都在住。
■作家在廊日:11/2、3

 

←「美しすぎる空」 2008年 水彩 鉄粉、紙、32×27cm

私が出射茂の作品の中に初めて「箱」を見たのは、2年前、ニューヨークで行われた個展でした。タイトルは「はじめまして」、フレアースカートの裾を優雅に持ち気取って挨拶する女性。彼女の足元から少し離れた所に置かれた「箱」には妙な存在感がありました。あれから2年、「箱」は出射茂の作品のメインキャラクターの一つとなりました。浦島太郎の玉手箱は時空を超えましたが、出射茂の箱は引力を超えているように見えます。ある時はずっしりと中身が詰まって重たげに、またある時は軽やかで、風に吹かれて転がって行きそうでもあります。ひょっとすると「箱」は作者自身のメタファーなのかもしれません。
生真面目で正統的な画家、出射茂と風のような自然体で絵画以外の分野との交流にも積極的な「出射さん」。この「箱」がどこに留まるのか、はたまたどこに向かうのか興味が尽きません。(川瀬 裕子)
出射 茂展 関連イベント
■作者と観る こども鑑賞会・・・11/2(日)10:00-11:00 無料
小さい人といっしょに作品鑑賞を楽しむ会です。
■作者と作る 秘密の箱・・・11/3(月・祝)14:00-15:30 
作家・出射茂さんとひとつの箱(絵屋展示室の縮小模型)を作ります。箱ができたら、秘密の言葉を箱に入れ連想ゲームのはじまり。参加者と作家が遊ぶひとときです。小さい人も大きい人も、どなたでもどうぞ。
材料費:100円(絵具・画材はご用意します)絵具が付いてもよいスタイルで。
申込み:いずれも電話で新潟絵屋(025-222-6888)へ


 

2008年11月12日〜11月20日

企画 大倉宏

華雪(かせつ)
■書家。1975年京都生まれ。92年より個展を中心に活動を続ける 。刊行物に『静物画』(2001 平凡社)『石の遊び』(03 平凡社)『書の棲処』(06 赤々舎)など。最近の個展に08年「雨日」(le bain 東京)、07年「島ver.2007.9.3」(colonbooks 名古屋)、「島ver.2007.9.30」(恵文社一乗寺店 Gallery 京都)、など。新潟では新潟絵屋で04年「雲と仮面と、雨粒の鳥」、07年「上」、砂丘館で07年「足もとのこと」開催。ワークショップを定期的に開催し、現在東京、大阪、京都の3会場で行う。ロゴ、シンボルマーク等のデザインワークも手がける。現在東京都在住。
■作家在廊日:11/12―16

 

←「刺心」 2008年

華雪さんの絵屋での個展は3度目。去年は砂丘館の奥座敷にこの字があった。時々行って見ていた。文字通り鋭い印象的な字だった。(大倉)
三年前にこの字を書いた。胸に強く響くという意味のこの言葉を書いたら、心という字に突き刺さる刃のように見えた。半年後、展示をした。新しいものをいくつも書いたのに、展示の直前になって、この字を持って行くことにした。半年前に書いた紙のままで糸に吊るした。その一年後にもやっぱり展示の直前になって、持って行くことにした。持って行くというよりも連れて行くという気分に変わっていた。今年、それを裏打ちした。そしてまた展示に連れて行った。皺の伸びた字を展示の会場で眺めていたら、この言葉と刃を思い出させるの形が、私が字を書く気持ちの根っこの形なのかと思った。三年前に書いた後も、あちこちに連れて行き、皺になり、その皺を伸ばして、また次の場所に連れて行く。そして今度は、ここを出口にして、新たにはじめたいと思う。(華雪)

 


 

2008年11月22日〜11月30日

企画 伊藤純一

伴田充(はんだ みつる)
■1966年新潟県村上市生まれ。92年東京芸術専門学校研究科卒業。2002年〜石井玲と共に笹川流れ(現村上市)の眼前に二人の手作りによるギャラリー兼アトリエ「ギャラリーペイジ」を構え作品制作及び作家活動を続ける。93年ギャラリーQ(東京)、95年TEPCOギャラリー(東京)、99・2000年ネスパスギャラリー(東京)等で個展。08年NHKつるおかギャラリー(山形)他グループ展多数。ギャラリーペイジでは02年〜現在まで「水の記憶展」「大きな空の下で」等毎年開催。
http://page.fem.jp/

 

←「いさり火」2008年 油彩、キャンバス F4

伴田さんのアトリエは笹川流れ海岸の眼前にある。荒れると激しい日本海海岸の冬場はかなり厳しく心地よい日ばかりでは無いとの事。だが、逆に言うなら穏やかな日、厳しい日と四季により大きく表情を変える自然と対峙して日々を送れるということは創作に刺激を与えていることには違いないだろう。
そんな伴田さんの作品はやはり「ブルー」が特徴的だ。近年の展覧会でメインを飾る作品の多くがブルーで仕上げられている。幼い頃から触れていた日本海の海、当地に越してくる前に構えていた神奈川県真鶴のアトリエからも遠くに海を望み、現在も前述の通り海の表情が日常に取り込まれる。自分の思いを外に打ちだすときは、体に染み着いたものが自然と形となり色となるものだ。今回絵屋を飾る作品はメインの油彩作品を含め、油彩画クレヨン画二十余点。「伴田ブルー」がどんな海を感じさせてくれるか楽しみである。(伊藤 純一)

 



Candle Fair
2008.11.2 sun〜2009.2.28 sat
この冬の新潟絵屋ショップコーナー(展示室に併設)では、さまざまな明かりを楽しめるキャンドルグッズを取り扱います。
ホルダー出品:陶…大久保千秋、平野照子、フジタヨウコ/ガラス…石倉まみ、大関博、斎藤ゆう/木工…伊藤信行、大室紀子/ミクストメディア・・・chack/
金属…斎藤美樹、平井沙織、山谷秀昭
キャンドル出品:蜜蝋キャンドル…カーサ・セーコ(写真:ティーライトキャンドル10入\2,310)/和ろうそく…岡田ローソク店

■蜜蝋キャンドルは、10/12(日)より先行発売はじめました。


絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代のはみだし連載コラム
タシロ便がゆく ―来る人、いない人編 その5―

いつの時代か、何十年前のことか解らねど、この家の住人は誰もいないはずの蔵に人の気配がするのをいぶかしく思ったのだろう。
もしや盗人かとあわてて蔵の二階へ駆け上がればあやしの人影はすうと消えてしまったのだ。(つづく)
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)

   

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