2008年12月


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2008年12月2日〜12月10日

企画 大倉宏

長尾玲子(ながお れいこ)
1963年東京生まれ。専門学校東京YMCAデザイン研究所デザイン科卒業。デンマークSKALS手工芸学校終了。オーストラリアNMITイラストレーション科卒業。Diploma取得。絵本に「クリスマスイブのおはなし」セット全3冊、「サンタさんありがとう」「サンタさんとこいぬ」(福音館書店)がある。

 

←「社食の12ヶ月」 2005年 19×19cm

 

アートピックス:
井上美雪「味わい深い「刺しゅう絵本」」

長尾玲子さんの刺繍の作品に接したのはちょうど1年前の12月。その手作りの本の緑の紐を解くと、星空と家ともみの木、母子とサンタクロースの赤い帽子などが小さいページからあらわれた。美しい光景、というより、美しい「時間」を私はそこに感じた。藍色の糸で縫われたふっくらした空、ごわごわした常盤木。どれもが、ひと針ずつ刺され、ひと針ずつ縫われながら姿を現したのだ。丁寧で、均質ではない、豊かな表情をもつ針目から、刺繍が生まれてくる気の遠くなるほどの時間の厚みと幸福が伝わってくる。そこに差す光が、細かな糸目で作られる色面を輝かせている。
新潟絵屋でのクリスマス前の会期にあわせ今回展示するのは「12ヶ月のサンプラー」シリーズ。サンプラーは「標本箱」。「ケーキ」「ひよこ組」「社食」などなど、ひとつのものや「ところ」が季節を通り過ぎながら気付けば変わってゆき、最初の場所にまたちゃんと戻ってくる12か月の「時間」が、長尾さんらしいユーモラスで、丁寧で、愛らしい針目で縫われている。閉ざされているのに開かれている円環形のこの時間は、小世界をエンドレスに紡ぎ続ける長尾さんの幸福な「刺繍の時間」でもあるのかも知れない。
冬のゆず茶やお菓子を味わいながら、作者にお話を伺う楽しい茶会もあります。どうぞおいで下さい。(大倉 宏)
Event 絵屋でお茶会―長尾玲子さんを囲んで 12月6日(土)15時〜 定員|10名 参加費|300円 会場|新潟絵屋展示室
ゆず茶と煎茶とお菓子を味わいながら、作品を眺め、作者と楽しく語り合います。申し込みは電話、ファックス、メールで新潟絵屋まで。
協力/日本茶インストラクター協会新潟支部 


 

2008年12月12日〜12月21日

企画 井上美雪
篠崎三朗
マザーグースより「To The Snow」 2008年 ガラス絵
国井 節
「雪の予感A」 2008年 ガラス
渡辺リリコ
「ゆきのひ」2008年 版画 パステル フェルト 布

篠崎三朗(しのざき みつお)
1937年福島県生まれ。桑沢デザイン研究所グラフィック専攻科卒業。現代童画会ニコン賞・高橋五山絵画賞受賞。絵本『おかあさんぼくできたよ』(至光社)が、ミュンヘン国際児童図書館にて、国際的に価値のある絵本として選ばれる。そのほか絵本・挿絵、個展・団体展多数。2006年新潟絵屋にて「篠崎三朗 天使たちの調べ」開催。横浜市在住。。

国井節(くにい せつ)
多摩美術大学卒業。日宣美展入選。毎日広告賞部門賞。画廊椿、チャプター2、ルミネスクエア、浜松グランドホテル、ギャラリーナツカ、リップアートギャラリー、スペースユイなどで個展。こどもの本に『へんてこパン』(ポプラ社)等がある。。

渡辺リリコ(わたなべ りりこ)
新潟市生まれ。イラストレーター灘本唯人氏に師事後、宇野亜喜良事務所、灘本唯人事務所を経てフリーに。児童書、書籍などで活動。ドローイング、版画の他に「名作マッチ箱絵本」の制作を続ける。2005年画廊Full Moon upstairsで個展。08年6月新潟絵屋「こどものいる風景展」出品。。

ことの始まりは画廊Full Moonの2階で。2005年に開催された渡辺リリコさんのマッチ箱シリーズの個展「燈火情景」を見て、楽しさに胸が躍った。部屋いっぱいに並んだ小さな箱。そのひとつひとつに目を凝らしてひとりの世界に入り込み、心底遊んだ気がした。それから季節は巡り、リリコさんの企画で、篠崎三朗さんの個展を絵屋で開催したのが2006年。篠崎さんの作品は天使の絵が部屋いっぱいに舞う素敵な展覧会だった。「橙火情景」展同様、遊んだような記憶が蘇る。
そしてこの夏、リリコさんに紹介してもらったのが国井節さん。国井さんの絵は陽気で心地よい。寒い冬の絵は神秘的で、雪を夢見ることを忘れていた気がして、とても新鮮だった。
もっと冬が楽しくなる、そんな展覧会が何とも待ち遠しい。(井上美雪)
Event ワークショップ「マッチ箱の世界をつくる」 12月13日(土)13時〜14時30分
講師:渡辺リリコ/参加費:1,000円/定員:10名(要予約)/持ち物:お気に入りの小箱とピンときた素材を何か
小さな箱に、身近な素材で情景を作ります。篠崎三朗さん、国井節さんも参加予定です。

 



中学生の職場体験が続いた10、11月。展示展示体験を行った10月31日には、作家の出射茂さんの協力で、展示空間ができるまでの過程に立ち合ってもらった。体験に来てくれた中学生たちが、またぶらりと訪れたくなるような場所でありたい。(井上美雪)

「秘密の箱」をテーマにした出射茂展(11月2〜10日)では、作家との交流の機会に、「秘密の箱」を作るイベントを行った(11月3日)。
当日は絵屋のミニチュア箱を作って、参加者と絵付け。続いて「秘密の箱」に「秘密の言葉」を入れ、連想ゲーム。これが盛り上がった。( I )



Candle Fair 2008.11.2 sun〜2009.2.28 sat

開催中のキャンドルフェアから陶器のスタンドをご紹介します。
●平野照子・・・・・・・・左:20,000円 中央.右:17,000円
●フジタヨウコ・・・・・・右:各20,000円
この他にもさまざまなキャンドルグッズを取り扱っています。


絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代のはみだし連載コラム
タシロ便がゆく ―来る人、いない人編 その6(最終回)―

ひとは一つの時間軸の上に乗っかって生きてるもんだと思っている。でもときどきは時間も水のようによどんだり、交わったりしているものなのじゃないか。オバケをみた不思議な体験、なんて話しもきっとこのせいなんじゃないか、と考えてみたりもする。
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)

   

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