2009年3月


2009年2月の絵屋

2009年4月の絵屋

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2009年3月1日〜3月10日

企画 井上美雪

五十田順子(いそだ じゅんこ)
■ 二十代で書を習い、中断。四十代後半で再度書を書きたい、読める字を書きたいと思って師を探す。「誰でも読める字で自分の言葉を書く」横山蒼鳳氏に出会い、師事して十五年。古典の臨書をしながら少しずつ自作・自詠の書を書き始める。1946年新潟島の下町(上大川前通12)生まれ。2001年新潟絵屋で個展「新潟の『しも』で生まれた私 五十田順子(翆影)書展」開催。

←2008年 墨/和紙 35cm×46cm

冬のある日、近作を見に五十田さんを訪ねた。
自分を耕す。深く、より深く。そうして生まれてきたものを言葉にし、書く。それが五十田順子さんのめざす書。五十点あまりの作品のひとつひとつに向き合うと、書かれたときの空気に触れるような瞬間があり、全体で作家の滲み出してきた「今」を感じた。近作に「今」が表れるのは自然なことかもしれない。けれど、それがそこにはない言葉まで見る者に語りかけてくるのは、自作の「書」であるからこそ。これから五十点をさらに絞ることになる。その作業もまた、耕す続きであって、作家の「今」が色濃く表れていくはずだ。
今回は、昨年の8月の展覧会で記憶に新しい堀内不二緒さんの陶芸作品を部分的に展示する。書と陶が織り成す空間は、生活のぼやきや懐かしい遊びの歌、圧力鍋の音も飛び出す、しみじみと味わい深い展覧会になることと思う。(井上美雪)

 


 

2009年3月12日〜3月20日

企画 井上美雪

平井沙織(ひらい さおり)
■ 1979年新潟市生まれ。長岡造形大学造形学部工芸デザインコース鍛金卒業。2006・07年畑野恵子・平井沙織二人展「イカラカラ」(Fullmoon upstairs)、08年新潟絵屋で個展「凸柑」開催。07年クラフトショップ「イカラカラ」(古町通4)オーナー。08年第24回松本クラフトフェア(松本市あがたの森)出展 。

渡辺京子(わたなべ きょうこ)
■ 1983年五泉市生まれ。長岡造形大学造形学部テキスタイルデザインコース卒業。ファイバーワークを用いたファッション小物の新たな可能性を模索する日々。2006年 第46回日本クラフト展学生部門入選。08年イカラカラ「ヌクヌク展」出品。09年4月〜岐阜県で活動予定。

←コラボレーション作品 2009年
真鍮、布、ビーズ など h3cm

「リンゴサン」「リンゴチャン」「プラプラ」「ウニ」・・・。前回の個展の折、鍛金作家の平井さんからこのようなタイトルが書き連なる出品作品リストが届いた。「リンゴサン」と「リンゴチャン」は「P」という文字が乗っかった球で、「リンゴサン」の方がお姉さん度が高かった。「プラプラ」は半円の皿で天井からぶら下がった。そして、ウニはいくつか穴を開けた半円を合わせ球にしたもの。その穴からは別珍の生地がのぞき、穴に刺さった待ち針がとても似合った。クラフトショップ「イカラカラ」は、平井さんの工房兼お店。それ故カウンターにはたたき上げる前の金属板やトンカチが置いてあることが多い。型にはまらないスタイルは、作品にもお店作りにも生かされており、一貫している。もともと生地と金属を組み合わせることが多い平井さんが、今回は織物作家・渡辺京子さんと共同でひとつの空間を作り上げる。渡辺さんの、百点以上の貝ボタンを連ねた(重くはない)ネックレスは、撚り糸とボタンの風合いや色合いがよく、イカラカラで一目惹れした。ふたりが互いの素材をどのように取り入れ、それぞれのよさを出していくのか、どうぞお楽しみに。(井上美雪)

 


 

2009年3月22日〜3月30日

準企画

鈴木國男(すずき くにお)
■ 1987年多摩美術大学大学院日本画科修了。シロタ画廊(銀座、87・89年)、95・98年みゆき画廊(銀座、95・98年)、Oギャラリー(銀座、2004・06年)他で個展開催。グループ展は『涛の会・日本橋高島屋』(00〜04年)『BRIDGE・バンコク』(07年)等。08年全国水墨画展優秀賞受賞。日本美術家連盟会員。。

←「パリ」2009年
  顔料、ニカワ/紙 15×10.4cm

鈴木國男展ワークショプ「絵から絵をつくろう!」
 3月22日(日)11:00〜12:30(要予約)
●在廊予定日:3/22(日)、28(土)―30(月)
●出品作品:タブロー、墨によるデッサン、小屏風、扇、ポストカードブック原画

鈴木君は1960年に新潟県燕市に生まれ、私が三條高校に勤めていた折には美術部にいて当時すでに100号の油絵を描いて周りを驚かせている。卒業後は多摩美術大学に入り同大学院修了後も東京に残り母校の故上野泰郎教授に師事し主に創画会を発表の場として現在にいたっている。
近年は音楽や文学とのコラボレーションなども試みその表現世界を拡げ、最近は水墨画にも関心を寄せているという。彼は国内にとどまらずアメリカやヨーロッパ、アジアにも取材を重ね個展やグループ展なども積極的にこなし、今後も大いに期待される日本画家である。この度は郷里新潟での初個展であり新鮮な作品群との出会いが楽しみである。(日本美術院々友 渡辺富栄)

 



鈴木國男ワークショップ「絵から絵をつくろう!」
3月22日(日)11:00〜12:30
会場:新潟絵屋展示室 参加費:300円(親子での参加も可)*ご予約は電話で新潟絵屋まで
<内容>
1. ポストカードブック『水の線 いろ かたち。』(鈴木國男著 揺籃社発行)から、手を加えたい作品を選ぶ。
2. それに「直接描く」「色を加える」「切り取る」など、絵から絵をつくってみる。


「まちの日々てん」(2月11日〜15日)の初日に、POPTONESのミニライブが開催されました。
会場は満員。5日間の『出張編集室』も盛況のうちにクローズしました。


3月1日(日)〜30日(月) 堀内不二緒フェア

昨年の展覧会で記憶に新しい堀内不二緒さんの陶器が、再び、今度はショップコーナーに登場する。「使われるものを作りたい」と堀内さんは言う。私が堀内さんの湯のみを使い始めて半年。卓上で、窓辺で。使い続けるほど、それがある風景もとても好きになる。( I )
 


堀内不二緒(ほりうち ふじお)…1945年東京都生まれ。水墨画家・丸木位里に師事後、80年から作陶を始める。84〜93年ニュージーランドで活動。93年に帰国後、石川県金沢市にて作陶。08年8月新潟絵屋にて個展を開催した。

絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代のはみだし連載コラム
タシロ便がゆく ―入観無料編その3―

翌日もまた。しかも今度は2匹、絵屋の玄関先に死んでいた。考えるに、ここらはまだ古い木造住宅が多い。そのうちの一件が、常日頃のネズミの害に耐えかねて、ついに殺鼠剤の使用に踏みきったのじゃなかろうか。毒エサを食べたネズミは明るい所で昇天すると聞くから。(つづく)
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)

   

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