2009年5月


2009年4月の絵屋

2009年6月の絵屋

  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog  

 

2009年5月2日〜5月10日

企画 サラーム・イラン実行委員会

マルジャーン・ヴァファーイヤーン
(Marjan Vafaeian)

■ 1978年イラン・テヘラン生まれ。2004年T―BOX(銀座)にて日本で初の個展。07年野間国際絵本原画コンクール奨励賞受賞。主な絵本に『花壇の中にお嫁さんとお婿さんが生えていた』(03年)、『みどりの子ヤギがたてる足音』(07年)など。

←マルジャーン・ヴァファーイヤーン
 『みどりの子ヤギがたてる足音』より

モルテザー・ヘディ(Morteza Zahedi)
■ 1978年イラン・ラシュト生まれ。日本での個展は、2005年T―BOX(銀座)、06年半杓亭(長野・松本)、07年福果(神保町)、08年T―BOX(八重洲)など。日本では『ごきぶりねえさんどこいくの?』『ごらん、ごらん、こうやって』(06年ブルース・インターアクションズ)が出版されている。

←モルテザー・ヘディ
「海の半分、いつでも」2001年 ミクストメディア 20×6cm

イランの絵本と聞いて、皆さんはどのようなものを想像しますか。実は古(いにしえ)より優れた詩人を輩出してきたこの国では、国際的に評価の高い絵本もこれまで数多く出版されてきました。本展は、そんなイランで生まれた絵本の中からいくつかを紹介し、その魅力に触れていただこうという試みです。
展覧会では日本で発売されているイランの絵本の他にも、現地の絵本に日本語のあらすじを紹介したものやイラン人作家によるイラスト、また様々な雑貨の展示販売を予定しています。鮮やかな色彩で彩られたその絵と共に誰でも理解できる言葉で深く心に響く物語を伝えてくれる絵本たちは、正に詩の国ならではの「だれも知らない」世界に私たちを導いてくれることでしょう。 (井上経久)

 


 

2009年5月12日〜5月20日

企画 上田浩子

齋藤伸絵(さいとう のぶえ)
■ 宮城県仙台市生まれ。岩手大学教育学部特設美術科卒業。2001〜03年朝日現代クラフト展、02・03年日本クラフト展、01〜02年東京銀座〜札幌、仙台等の丸善クラフトコーナーに、01年〜「ゆずりは東京展」に出品。01・03年「杏屋」(会津若松)、04年「ギャラリー紺」(長岡)、05・07年「Fスタイル」(新潟)で個展、06年「はこだて工芸舎」(函館)で二人展を開催。ほか個展多数。現在新潟市在住、「studio weaverbird」主宰。

←絹、ワイヤーのストール

はじめ、もこもことした固まりだったものが紡がれて一本の糸になり、それが縦横に交わりながら織りあげられて布になる。
伸絵さんから説明を聞き、実際に作業の一部も見せてもらってもいるのだけれど、でもやっぱりこれはどうしたって魔法にしか思えない。もこもこからきらきら、なみなみ、ふかふか、きゅるきゅるへ。ようすを変え、それぞれの佇まいでいるそれら。手にとると、たわんでまた表情が変化する。ああこれは伸絵さんの指先から生まれた物語であるのか、と思って、そこで突然「紡ぐ」「織る」という言葉に合点がいく。
身につけるものに、普段こんな風に思いをめぐらすことはあまりない。伸絵さんのストールを日常的に使う私は、だからそのとき小さな「特別」をまとうのだ。5月の風にゆらぐのは布だろうか、糸だろうか。それを手にする、こちらだろうか。(上田浩子)

 


 

2009年5月22日〜5月30日

企画 中山佳奈恵

古山浩一(ふるやま こういち)
■ 1955年東京都生まれ。筑波大学大学院芸術研究科修了。上野の森美術館大賞展佳作賞(81・90年)、日仏現代美術展・グランプリ受賞(89年)、日仏現代美術展エコール・ナショナル・シュペリオール・デ・ボザール賞(90年)、青木繁記念大賞展(2002年)、リキテックスビエンナーレ奨励賞(04年)、熊谷守一大賞展(06・07年)受賞など。著作に『万年筆の達人』『楽しい万年筆画入門』(いずれもエイ出版社)など。96年より銀座0―ギャラリーで毎年個展、04年4月新潟絵屋で「古山浩一 諷刺画(カリカチュア)の世界」展開催。

←「MAI」 2008年
   万年筆・色鉛筆・アクリル、板 53×45.5cm

前回のカリカチュア(諷刺画)に続き2度目の登場。今回は万年筆画である。万年筆画?「絵手紙サイズの水彩」みたいなイメージを抱いていたらとんでもない。板に描かれた人物画には独特の質感がある。あっさりしていて陰影がある。少しだけ虚ろなまなざしはこちらを見ているようで見てはいない。静かな時を感じる。他に描く対象は、万年筆あり、電車あり、風景画あり、裸婦あり。万年筆画家の面目躍如。「愛しい万年筆にはこんなこともあんなこともできる」といっているよう。古山さんの万年筆 “愛”を感じる個展となりそう。
今回、砂丘館にて万年筆画のワークショップ(初心者向け)を企画している。長年、学生や教室の生徒さんを指導してきた実力の持ち主。指導者としての一面も発揮してくださるとのこと、楽しみである。作品をひとつ形にして、画材はお持ち帰り。継続して描く楽しみもお持ち帰りとなる。 (中山佳奈恵)

 


●松本健宏作 蝋纈(ろうけつ)手ぬぐい「ネコとネズミ」
(化学染料リアック/さらし木綿)…\2,000
ひとつひとつ蝋で描くため、微妙に絵柄が異なります。ほかに「ハト」(青/赤緑2パターン)もあり。各限定5点ずつ。


●石原奈穂子 韓国の民画
ショップスペースで季節毎に入れ替え展示している韓国の民画。5月は「鯉」が登場します。


絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代のはみだし連載コラム
タシロ便がゆく ―入観無料編その5―

するとその猫君、意を決したらしく、ぱっと絵屋の玄関から奥へ入ってゆくではないか。おおっどうなるんだろうと思った3、4秒後、だだっとその玄関から走り出て、するりと家と家の暗がりへ消えていった。中に入って聞くと、猫はぐるりと絵屋の中を見回し、追い払ったわけでもないのに逃げていったそうな。作品がお気に召さなかったのか・・・。(次回最終回)
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)

   

2009年4月の絵屋

2009年6月の絵屋

  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog