2009年7月


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2009年7月2日〜7月10日

準企画

みやがわ ともこ
■ 名古屋市生まれ。学生時代に写真に興味を持ち写真部に所属する。卒業後はしばらく中断していたが、その後東京へ移り2002年から松本路子主催の写真ワークショップに参加、現在にいたる。03年秋から新潟市在住。08年12月gt.moo galleay(江南区)のオープン企画展に出品。
作家在廊日…7/3(金)、4(土)、5(日)ほか *会期中の7/5(日)にイベントがあります。詳しくは表面をご覧ください。

←「ひらかれる瞬間(とき)」 2007年

初めて水源の湧き水を見たときのことは忘れられない。水は透明で清らかで、ものすごい勢いで地底から湧き出てくる。その生命力、躍動感に我を忘れ私は長いあいだ立ちつくしていた。しばらくして手を水に差し入れてみた。肌と水が絡みあい、水は滑らかで冷たいのに手には温かさが残り、不思議な心持ちになる。ふと、これは胎内からの記憶につながっているのかもしれないと思った。
それから私は水の魅力にとりつかれ、今も水とむかうと胸が高鳴る。私にとって水とむきあうことは時として自分の心の闇を覗く瞬間であり、また水は日常に流されていく表層の世界とは別の、すべての生命の起源へと続く深く果てしない神秘の世界への入り口でもある。その世界を感じ、少しでもつながりたいとの想いが常に私にはある。
初めての個展、この空間を通じてどんな出会いがまっているのかと期待と不安でいっぱいだが、目を閉じて、深呼吸をして、みなさまをお待ちしています。(みやがわ ともこ)

 


 

2009年7月12日〜7月20日

企画 大倉宏

相田諒二(あいだ りょうじ)
■ 写真家。1947年新潟市生まれ。75年フリーで写真活動を始める。95年北陸ガス・ガスホールで「見慣れた街の光景より」、2006年7月新潟絵屋で「 A SCENE OF NIIGATA―message 20」個展開催。03年新潟日報文化欄連載「街はうたう」、04年同日曜企画連載「万代橋と私」写真掲載。

←「A SCENE OF NIIGATA」 2009年

明け方目覚める。強い朝日が部屋に差し込み、壁にくっきり影が落ちている。ぼうっと見つめているとそれが外壁であるのに気付く。ポスターの赤が夕陽のように鮮度を増していき、影が闇のように暗さを深め、鋼の気配を帯びてきた。朝は暮れようとしているのか?…茫然としていたら、もう一度目が覚めた。
相田諒二の写真を見ているとそんな明け方の、夢と目覚めの間に現れる、現実と見紛う夢を思いだす。相田は新潟を撮り続ける写真家だけれど、その新潟は新潟に住む私たちが見ている新潟と似ていながら、違っている。街の袋小路や、ささくれだったトタンや木壁の襞に、市場や港や墓地のくぼみに、見えない誰か、何かが、見つめられまいと去って行く間際、引っ掛けていった裾の切れはしや、指紋や、濁った吐息を、この大きな声の鳥はガラスの嘴ですばしこくついばみ、翼を広げ、私たちの前へ運んでくるのだ。 (大倉 宏)

 


 

2009年7月22日〜7月30日

企画 大倉宏

フジタ ヨウコ(藤田陽子)
■ 1995年女子美術短期大学卒。96年同専攻科修了。同年坂爪勝幸氏に師事。2000年新潟現代美術リレー展、08年越後の花鳥画展(農舞台 十日町市)出品。03、04年ギャルリー炎舎(新潟市)、05、06、07、08年新潟絵屋で個展。。

←「静かに鳥が鳴いている」 2009年 h33×w37×d17cm

雲、家、木、椅子とフジタさんの個展のテーマは毎年変化して今年は「窓」。
変化といってもすっかり変るのではなく、新しいテーマ、モチーフは、以前のモチーフを含みつつあらわれるというふうで、今回の窓も窓の中(だろう)に家があり、木が生え雲が窓枠を突き抜けていく。姿形の違う透明なマトリョーシカが、ひとまわり小さいマトリョーシカを次々飲み込んでいくというか、クローズアップ画像からカメラが後退し、風景が現れ、最初のモノが点景としてそこへ吸い込まれていくというふう。この変貌はむしろ絵画的であり、映像的だが、陶器というきわめて不自由なモノにおいてそれを実行していく、どこか懸命な「強引」がすごくいい。
フジタさんの「野生」に引かれると以前書いたけれど、野生は強引を孕んだ自然だ。その馴らされない力が、フジタさんの作るものを箱庭的な小世界を食い破る、どこか破天荒なものにしている。(大倉 宏)

 


◎総会+会員交流会のご案内
新潟絵屋の会計は、前年度が2009年5月末に決算を迎えました。その報告やその他運営に関わる重要な事柄について審議する総会を今年も7月に開催いたします。当日は、総会終了後に会員と絵屋運営委員(理事)・企画委員との交流会も企画しました。会員の方はどなたでもご参加できます。
2000年7月20日(月・祝) 会場:砂丘館
総 会…14:00〜(正会員は議決権を有します) 
交流会…15:00〜16:00(500円/茶菓子代/要申込)


◎「古山浩一 はじめての万年筆画ワークショップ」5月24日(日)
砂丘館を会場に17人の方が参加。翌日、絵屋界隈をお散歩されていた古山さんは、下町の古い家並みが気に入っておられたご様子。いつかそれが絵になるのかもしれないと思いドキドキした。( I )
 参加者の声:「はじめてで緊張したが、没頭してあっという間の3時間だった」「会 場に熱気があった」「先生がパワフルで教えてもらっていて元気になった」...etc

◎「華雪展 刺心(ししん)の跡」
          
6月2日(火)〜10日(水)
二宮家第1号米蔵(聖籠町)と新潟絵屋の2会場で展開した「華雪展」では篆刻や書のワークショップ、それにライブパフォーマンスを開催し、いずれも盛況に終えることができました。
写真:6/7ライブパフォーマンス@二宮家米蔵(写真:風間忠雄)


日本酒の会 夏編―想天坊― 7月5日(日)18:30〜20:30
絵屋のご近所の酒屋、吉川酒店店長・吉川章大さんの企画による、日本酒を紹介するシリーズ。毎回ひとつの蔵元をセレクトし、蔵元の方の解説を交えながら日本酒を飲み比べる。みやがわともこさんの写真展展示室で開催。
蔵元:河忠酒造(長岡市脇野町)
会費:2,500円(先着順 限定10人/要予約)
予約・問合せ:新潟絵屋 TEL.FAX.025-222-6888(担当:井上)


絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代のはみだし連載コラム
タシロ便がゆく ―熱く赤い道 編その1―

かくも小さなコーナーなれど、毎回毎回エラソウなことを書くほど自分は大したモンではない。むしろ絵屋を訪れるお客さまの方にこそ、さまざまな物語がひそんでいるのだろうと思う。御年85才のSさんもそんなお一人だ。(つづく)
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)

   

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