2009年12月


2009年11月の絵屋

2010年1月の絵屋

  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog  

 

2009年12月2日〜12月10日

企画 大倉宏

伊津野雄二(いづの ゆうじ)
■ 1948年兵庫県生まれ。69年愛知県立芸術大学美術学部彫刻科中退。75年知多工房を設立し、木彫、家具木工芸を手がける 80年代からは建築、装飾美術も手がける(テラコッタ・ブロンズ・木彫)。75〜88年知多工房として作品発表。個展は96年ギャラリーアルテ、97年豊田市美術館ギャラリー、98年煥乎堂ギャラリー、99年、2007年名古屋画廊、01年ギャラリー椿など。08年10月新潟絵屋で個展。

←「光の春によせて」 2009年
  左より h16cm、23cm、16cm、16cm

絵屋に清冽な潮騒の響きが谺(こだま)した。昨年10月の伊津野さんの個展は、見慣れた画廊空間にまったく新しい次元を開いたように感じた。今回はそのような大きなイメージではなく、その折、画廊の片隅で訪れた者の目と心を捉えたクリスマスにちなんだ、小さい愛らしい作品が届く。以下は伊津野さんからの手紙の一節。

クリスマスはイエスの降誕を祝うものですが、キリスト教の祝祭がゲルマンのユール(冬至祭)とかさねあわされて今日の形ができ上がったことはよく知られています。いうまでもなく冬至の祭りはおとろえゆく光が再びよみがえり、光の春がおとずれる喜びの日です。この日にキリスト教においても光の誕生である降誕が自然に重ねられたのでしょう。いずれにしてもクリスマスを広い意味でとらえ、楽しい展示にしたいと思います。

伊津野さんが造形する<人>の姿の美しさ、清潔さは、深い。深さは<人>が、そして伊津野さんがつながる<自然>の深さ、生命力なのだろう。愛知県岡崎の山里にあるアトリエと庭の美しく、強く、生き生きした土と空気がロウソクを捧げる少女に、天を見上げる聖母子に、血となってめぐっている。(大倉 宏)

 


 

2009年12月12日〜12月25日

企画 渡辺リリコ

安西水丸「三人の雪ダルマ」
1942年東京都生まれ。日本大学芸術学部美術科卒。電通、平凡社などを経て現在に至る。朝日広告賞、毎日広告賞、87年日本グラフィック展年間作家優秀賞、88年キネマ旬報読者賞受賞。著書多数。
飯野好和「ふようどに雪」
1947年埼玉県生まれ。セツ・モードセミナー卒。絵本『ねぎぼうずのあさたろう』(福音館)『その1』で第49回小学館児童出版文化賞など。舞台人形デザイン(結城座)他読み語り講演で各地を廻る。
井筒啓之「雪と犬」
1955年香川県生まれ、東京都育ち。長沢節に師事。82年日本イラストレーション展入選。98年講談社出版文化賞さしえ賞受賞。共著に歌画集『ブルーシンジケート』がある。
井筒りつこ「ただよう」
横浜市生まれ。長沢節に師事。セツ・モードセミナー卒。2000年『井筒律子ドローイング集』出版。HBファイルコンペ入選。TIS年鑑'01公募金賞。
宇野亜喜良「シモオン」
1934年生まれ。52年名古屋市立工芸高校図案科卒業。日本デザインセンターを経てフリー。日宣美特選、日宣美会員賞、講談社出版文化賞挿絵賞、サンリオ美術賞、赤い鳥挿絵賞、日本絵本賞等を受賞。99年紫綬褒章受章。
管野研一「forest」
1955年東京都生まれ。桑沢デザイン研究所卒。デザイン会社イラストレーション部を経て、フリー。94年毎日新聞マニュアル大賞部門賞、作品賞。個展、グループ展多数。
木村桂子「雪の日の読書」
デザイン事務所勤務を経て、1980年よりフリーのイラストレーターに。81?98年東京青山スペース・ユイなどにて7回個展。絵本に『MIMIKOそれでいいんだよ』(小峰書店)がある。
国井節「響」
多摩美術大学卒。日宣美展入選。毎日広告賞部門賞。個展多数。新潟絵屋では2008年12月「篠崎三朗・国井節・渡辺リリコ3人展 雪のリズム」に出品。絵本に『へんてこパン』(ポプラ社)がある。
小渕もも「雪の夜」
桑原デザイン研究所研究科卒。パッケージデザイナーを経て、1980年よりフリーのイラストレーターに。2001年より英・ロンドン、米・サンフランシスコ、NY、タイに暮らしながら創作を続け、08年帰国。
古村耀子「白」
東京都生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン科卒。グラフィックデザイナーを経て、フリーのイラストレーターになる。
斉藤美奈子ボツフォード
「Holiday Ritual」

鎌倉市生まれ。多摩美術大学デザイン科中退、以後フリーのイラストレーターとして活動。デジタルエアブラシで描くファッションポートレート、50's 60'sレトロ、などを得意とする。
ささめやゆき「もう君はこない」
1943年東京都生まれ。85年ベルギー・ドメルホフ国際版画コンクールにて銀賞、95年小学館絵画賞、99年講談社出版文化賞さしえ賞受賞。
篠崎三朗「金色の雪の降る日」
1937年福島県生まれ。桑沢デザイン研究所グラフィック専攻科卒。現代童画会ニコン賞、高橋五山絵画賞受賞。新潟絵屋では2006年6月個展開催、08年12月「篠崎三朗・国井節・渡辺リリコ3人展雪のリズム」に出品。
下谷二助「BAR」
1942年東京都生まれ。90年講談社出版文化賞さしえ賞、91年講談社『年鑑日本のイラストレーション』作家賞ほか受賞。著書に『描く書くしかじか』(旬報社)などがある。
古川タク「スノーボード」
1941年三重県生まれ。大阪外国語大学イスパニア語学科卒。75年アヌシー国際アニメーション映画祭審査員特別賞、79年第25回文藝春秋漫画賞受賞。
峰岸 達「犬と遊ぶ」
1944年高崎市生まれ。青山学院大学中退。セツ・モードセミナーで学び講師も務めた。94年講談社出版文化賞さしえ賞。著書は『昭和少年図鑑』(白泉社)など。
矢吹申彦「雪とうろう」
1944年東京都生まれ。67年桑沢デザイン研究所抹籍のまま、フリーのデザイナー、イラストレーターに。エディトリアル、雑誌表紙、装幀、広告などの画文、絵本を担う。作品集、著書多数。
山口マサル「雪ダルマ降る」
1942年東京都生まれ。日本美術学校卒。毎日商業デザイン賞特選など受賞多数。2010年1月、時代劇の絵本『だんごのすけ』(フレーベル館)発売。
渡辺リリコ「ゆきのこども」
新潟市生まれ。灘本唯人氏に師事後、宇野亜喜良氏、灘本唯人氏の事務所を経てフリー。ドローイング・版画の他に「マッチ箱絵本」の制作を続ける。新潟絵屋では2008年12月「雪のリズム」に出品。
※青松ワークス・・・知的障がい者通所授産施設。木工班の人たちが新潟絵屋オリジナル「絵屋額」や施設の定番商品「ウッディ額」を製作している。

今回は尊敬する先生や先輩イラストレーター18人に、絵屋でおなじみの、青松ワークス製額に合わせて絵を描き下ろしていただきました。作品世界に独自の香りや音色を持つ方々ばかりです。そして私も参加し56枚の“雪のリズム”が絵屋に集まりました。海風ひゅーヒュー、雪が舞う展覧会会期中、絵屋ではウッディ額(※)に彩られた56枚が56様の音色でリズムを打ち、あたたかなハーモニーを奏でてくれるはずです。新潟のみなさん!「さ?むいから、買い物して、はよ帰ろっ」という足をちょっとのばして、是非いらしてください。ここちはほかほか、足元も軽くなりますよ。(渡辺リリコ)

 



◎本間印鋪 判子フェア 2010年1月30日まで開催中
 いちねん管理シリーズ9個セット…¥3,500(お顔には5つのタイプがあります)


●聖籠町蓮野の二宮家米蔵にて、秋の華雪展「刺心」(10月22日〜11月3日)を開催しました。

左:10月31日
  ワークショップ
右:11月1日
  パフォーマンス
(撮影:風間忠雄)

●「長尾玲子展」の11月7日(土)、作者の長尾さんを迎えて昨年に引き続き2回目の小さなお茶会を開催しました。この日は鹿児島知覧産紅茶と京番茶を、ティラミスと雪花菜クッキーとともに味わいました。展示室にお茶のよい香りがいっぱいに広がり、和やかで温かな雰囲気に。作者と見る人の、よき交流のひとときになりました。
この絵屋便、2009年は長尾さんの人文字刺繍を12回にわたり表紙にて連載しました。今回でそのシリーズが最後です。読者のみなさん、そして長尾さん、一年間ありがとうございました。(絵屋便編集室・井上美雪)


絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代のはみだし連載コラム
タシロ便がゆく ―熱く赤い道 編その6―

自陣を守るのが精一杯だったとSさんは言う。来襲した敵を迎え撃つ事も出来ず、ひたすら消火活動をするのみ。凄まじい熱に包まれながら、真紅の炎の中、両国・国技館の大屋根が崩れ落ちるのが見えたと言う。(つづく)
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)

   

2009年11月の絵屋

2010年1月の絵屋

  新潟絵屋あんない 作家INDEX Blog