2011年4月


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2011年5月の絵屋

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ドイツの青 インゴ・グメルスとスサンネ・イブラ展

2011年4月2日〜10日

企画 大倉宏
 
インゴ・グメルス スサンネ・イブラ

↑インゴ・グメルス 30.0×24.0cm

インゴ・グメルス(Ingo Gummels)
■ 1931年北ドイツ、ヴィルデスハウセン生まれ。少年時より肖像画・風景画家の父エルヴィン・グメルスより絵画の指導を受ける。61〜88年レーゲンスブルグで矯正歯科として働く。89年以降画業に専念。ドイツ各地の画廊、美術館で個展、グループ展多数。ドイツ芸術家協会、ドイツ芸術職人協会会員。2002年11月、06年3月新潟絵屋、06年2月ギャラリー・ゴトウ(東京)で個展開催。

 

↑スサンネ・イブラ 30.0×30.0cm

スサンネ・イブラ(Susanne Ibler)
■ 1963年旧西ドイツ、レーゲンスブルグ生まれ。86年〜89年彫刻家ウルスラ・デルクに師事、陶芸を学ぶ。90年から陶芸オブジェと独自の技法による版画を制作。ドイツアーティスト協会会員。94年よりレーゲンスブルグ、ニュルンベルグ、フランクフルトなどドイツ各地で、2006年新潟絵屋、画廊Full Moon、ろば屋で個展。グループ展多数。

 インゴさんとスサンネさん。
 絵屋ではおなじみのアンティエ・グメルスさんの、父と親友であるお二人は、3人の故郷である南独レーゲンスブルクでも二人展を開いたことがある。同じ抽象でも、インゴさんは広がりのある風景、スサンネさんは自然の一角の瞬間の光景という感覚があるように思う。重なるのは、情景描写ではない自然、つまり空気や土や光など、自然界の基本元素というべきようなものの触感を、色や、筆や刷りの痕跡が深く感じさせる点だろう。自然を説明するのではなく感受する絵なのだ。
 二人に特徴的な色である「青」が、美しい絵を、今回は特にアンティエさんが選んで下さった。以前の絵屋での個展の折りに来日した二人の、今回の絵には、それぞれの形での「日本」が映っているようにも見えて面白い。ドイツの空や川や風や光や闇を呼吸する二人の青に、見つめる私の心の中の青が震え、澄み切った共鳴音が聞えてくる。(大倉宏)

 


 
佐佐木實展

2011年4月12日〜20日

企画 大倉宏
 

佐佐木實「鳳凰」部分

佐佐木實(ささき みのる)
■ 岩手県盛岡市に生まれる。6歳より書を学ぶ。96年東京芸術大学大学院美術研究科修士課程芸術学専攻修了(美学)2006年フランス国立社会科学高等研究院博士課程言語学専攻修了。博士(言語学)。芸大修士課程在学中に富山県立山博物館の天界窟を制作し書家としてデビュー。96年伝統や因習から一歩距離を置いた視点で書を見つめ直す為渡欧。97年村松画廊(銀座)、01年Comptoir des Ecritures(パリ)個展。06年帰国。09年、11年盛久ギャラリー(盛岡)で個展。11年3月「GEISAI#15」展(東京ビッグサイト)出品。東京都在住。

←「鳳凰」(部分)2009年
シャープペンシル、色鉛筆、シャープペンシル、ペン、
グラファイトインク/紙 33.1×42.3cm

 佐佐木實の書は最初、書に見えなかった。
 書は普通まず字が見え、近づくとしぶきや筆のうねりや揺れが見える。佐佐木の場合、最初になにやら無数のひっかき傷みたいなものが見え、近づくと字があり、字にまつわる絵らしきものや、あれやこれやがある。そんな全体を<書>と佐佐木は言うのだが、そう言われて、書、あるいは<書く>ことには、たった一字でさえ、実はそこに無数のあれやこれやが、書く人の心に瞬時に発生蝟集(いしゅう)するのかも知れないと、これを<書いて>いて、思った。字は、形と意味を棒でつなぐダンベル型でなく、このような雲、あるいは広場型をしている。そんな広場を巡り伝う、孤独な都市散策者の名が<書家>なのだと、佐佐木と、その<書>は言っているようだ。(大倉宏)
同時期開催 特別展示「佐佐木實の書」
●4月12日(火)〜5月8日(日) 会場:砂丘館(新潟市中央区西大畑町5218-1 tel.025-222-2676)

 


 
伊津野雄二彫刻展

2011年4月22日〜30日

企画 大倉宏
 

伊津野雄二「うた」

伊津野雄二(いづの ゆうじ)
■ 1948年兵庫県生まれ。69年愛知県立芸術大学美術学部彫刻科中退。近年の個展に、99年、2007年名古屋画廊(名古屋)、01年ギャラリー椿(京橋)、09年ギャラリー島田(神戸)など。08年10月、09年12月「光の春によせて―山の彫刻家のクリスマス―」新潟絵屋で個展開催。

←「うた」2001年 ブロンズ 15,0×12.0×12.0cm

 伊津野さんの彫刻の、やわらかな力強さは何なのだろう。今回の彫刻展のテーマは「航海」。「時の流れの中の人間の漂流を象徴すると同時に 美しくめぐる季節の 限られた時を旅するわたしたちの日々 そして喜びをあらわしたい」と送られてきた手紙にはある。身を置く里山の自然から伊津野さんに絶えず流れ込んでいく何かが、豊かな想像力の濾過器を経て、美しいイメージの織物になり、職人の手と指で石や粘土に映されていく。どのように姿を変えても、そこには彫刻家の身体、暮らしにとけ込んだ愛知県岡崎の現実の自然の、水の冷たさ、風の暖かさ、土のふくよかさが底に通っている。物語、夢、そしてユーモアといった人間的なものさえ、自然の内に眠り、見いだされることを待っている鉱脈なのだと、彼の彫刻を見ていると感じる。(大倉宏)

 


 


アンティエ・グメルス
2月11日 林哲夫さんの絵がある空間で作者を囲み、中国茶、村上茶をたのしみました。お茶も絵も和みの妙薬になります。

森田花壇の日2月28日
森田花壇の日。あたたかいスープ付のライブ。ビオラとギター、アニメーション映像も加わり、静かにふつふつと盛り上がりました。

1月17―21日 5日間かけ、アンティエ・グメルスさんの約3千点の絵を展示しました。マラソンのような展示の後は多くのお客様に恵まれました。

 
林哲夫展展

まちの本屋さんで展示を企画しています。
林哲夫展展 4月1日(金)〜5月8日(日)
1周年を迎える北書店で、書店や本を描いた油彩やスケッチを展示します。
北書店 (新潟市中央区医学町通2番町10-1-101)


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タシロ便がゆく

絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代の12ヶ月
タシロ便がゆく ―草猫が詠む編 その4
砂の色雪の色して恋の猫 草猫
ウチの猫は真っ白だけど上古町の名物猫ゴンタくんはちょっと変わった毛色。彼が日なたのコンクリートに寝っころがっていると「ああ、春の砂浜」と思う。泳ぐのにはまだ早いけれど、きらきら光る海岸の色。
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)

   

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