2012年5月


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池田早季恵 陶の縁起物展

2012年5月2日〜10日

企画 伊藤純一
 
池田早季恵「七福神」「福助・お多福」「鯛持ち招き猫」

池田早季恵(いけだ さきえ)
■ 1980年生まれ。2002年新潟大学工学部卒業後、陶芸家の父・池田脩二に師事。04年石膏型による作陶を始める。06 年佐渡博物館「佐渡のやきもの展」出品。08年イカラカラ(新潟市)にて器展。新潟絵屋では10年5月個展開催。城南窯。
http://www.jyounangama.info

←「七福神」「福助・お多福」「鯛持ち招き猫」
 2012年 h7cm〜 

池田脩二オカリナコンサート

 東日本大震災から1年が経った。未曾有の大災害に触れ皆が自分にできることを問う1年だったに違いない。池田さんも同様に問い続けた。創作活動は豊かな社会背景があって初めて成り立つ。生死に関わる環境や避難環境下においては何も求められないのではないか、自分たちの職能はそういった環境下ではなんの力にもなれないのではないか、と創作活動が停滞する時期もあったそうだ。その池田さんがようやく心の底からの思いで作り始めたのが、福の神やだるま、猫といった古来からある縁起物たち。無心で作っていると心が穏やかになり、その穏やかな心が間接的に何かの役に立っているのでは、と思うようになったという。
 いにしえの時代から思いは物に映り伝わってきた。素朴な土の魅力と思いに溢れた縁起物たちを絵屋で身近に感じていただきたい。(伊藤純一)

 


 
八木なぎさ展

2012年5月12日〜20日

企画 大倉宏
 
八木なぎさ「花火」

八木なぎさ(やぎ なぎさ)
■ 1961年横浜市生まれ。個展は94年シロタ画廊(銀座)、97・99年三木ギャラリー(銀座)、2000年木の葉画廊(神田)、08年 NICHE GALLERY(銀座)など。97年トリエンナーレ97’(ポーランド)、04年「日本の版画展」(グラバド国際美術館/アルゼンチン)、「現代版画 技 術と表現」(黒部市美術館/富山)、06年「ART Shanghai2006」(上海)、07年「15th International Triennial of Graphic Arts,Sofia」(ブルガリア)、10年「今日の版画・10」(南魚沼市立今泉博物館/新潟)などに出品。

←「花火」リトグラフ 2011年 30.0×25.0cm

 八木なぎさの版画は、黒が美しい。
 しっとり、ざらり、とろり…近い言葉のどれにも、けれどはまらない手ざわり。
 その未知の触感にぐいと押されて、奇態な外貌の世界に体ごと入り込んでしまう。たらちねという言葉をなぜか思い出す、にゅるりとした脚に支えられた盥(たらい)のような、くぼみが湛える、黒。岩のように熱く、風のようにぬるく、ゼリーのように濡れたその黒が、ぼそぼそした、獣の体表のような壁の小穴からこぼれている。誰も登れない崖に、黒い縄梯子が下りている…
 不思議な世界を、描いた絵はたくさんあるだろう。でもこのような魅惑的無音と、不在感に満ちた、深く黒い奥を抱えた絵は多くない。いつまでも見て、でなく、そこにいたく、なる。(大倉 宏)

 


 
信田俊郎展

2012年5月22日〜30日

企画 大倉宏
 

信田俊郎(しだ としろう)
■ 1953佐渡市赤泊生まれ。78年新潟大学教育学部美術科卒。在学中久保尋二、小町谷朝生、亀倉康之、長谷部昇、小磯稔各氏の指導を得、85年には故末松正樹氏と初めて会う。88年ニューヨーク近代美術館で見た主にバーネット・ニューマンの作品によってカラーフィールドペインティングの意味をはっきり知り、以後の制作の出発点となる。個展、グループ展多数。新潟絵屋では2006・08年に個展開催。「新潟の画家たち 色と形を紡いで〜そして、希望へ〜」(万代島美術館)出品。

■作家在廊日:5/22(火)、27(日)、30(水)

←「光の場所」2012年 油彩、キャンバス
 73.0×91.3cm

 2月に万代島美術館で開かれていた「新潟の作家たち展」を、最終日の閉館時間間際に見に行き、その一番最後の部屋に掛けられていた信田俊郎の大きな油彩画に感動した。
 信田が長年描いてきたグリッド(枠)パターンの新展開があり、近年の特徴である色の輝きがあった。けれど私が打たれたのは、そこに思いがけない角度で突き出ていた裂け目ー淵の気配だった。接がれた暖色とモノクロームの画面の間に、塗り重ねられた面と粗描きされた線の間に、さらに微細な場所にも。
 以前の水彩の展示では、なぜかグリッドの透ける絵を外して絵を選ぶ自分がいた。しかし今度は、そのグリッドベースの油彩で展示をお願いしたくなった。快諾をいただいて実現した、4年ぶりの新潟絵屋での信田俊郎展。(大倉 宏)

 


  

■平成23年度(〜H24.3)で、81人の方に寄付会員にご入会いただきました。新年度(H24.4〜)では119人を目標に認定NPO法人を目指します。(ふたつの年度で平均100人の寄付会員を募集しています)
 現在、賛助会員や正会員でご入会いただいている方から、更新のタイミングでどの種別に更新したらよいだろうかと相談を受けることがあります。会員特典(作品購入時の割引など)をほとんど利用しない方は個人賛助会員から寄付会員へのお切り替えをおすすめします。寄付会員の方へは毎月絵屋便で活動のお知らせをしているほか、ご希望により、月刊・新潟島とその周辺ギャラリーミュージアムマップもお送りしています。

■年に一度の新潟絵屋通常総会開催の頃となりました。平成23年度の会計報告や活動を振り返り、新年度にむけて予算やそのほか運営に関わる事柄を審議します。正会員の方は議決権がありますのでぜひご出席ください。
5月19日(土)14時〜 会場:砂丘館・座敷
つづいて、15時〜会員交流会を開きます。お気軽に、交流会のみでもお茶を飲みにいらして下さい。新潟絵屋運営メンバーがお迎えします。(参加料:500円)


野中光正さんの
新作手刷り木版しおり350円
ほかにも、ぽち袋、はがきがあります。


タシロ便がゆく

絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代の12ヶ月
タシロ便がゆく ―草猫が詠む編 その17
妹が姉よりのっぽ花菖蒲 草猫

大人より子供の時の方が楽しい、というのは半分本当で、半分ウソだ。子供はささやかな取るに事でも傷つき、心が暗くなる。私は小さい頃、妹より体が小さい事を気に病んでいた。周りの大人が冗談にでもすれば、世界中が敵のように思えた。
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)

俳句の会「紙とエンピツと」 案内人/田代草猫
5/31、7/31、10/31 各回10:30〜12:00(参加料500円/申込受付中)

   

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