2012年6月


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津田真帆展

2012年6月2日〜10日

企画 大倉宏
 
津田真帆「届けられた贈り物」

津田真帆(つだ まほ)
■ 1966年東京都生まれ。東京芸術大学卒業。子どもの絵画・造形教室に携わる。装丁・挿絵の作品に『デ・ラ・メア物語集』(全3巻・大日本図書)。絵本に『巨男/おおおとこの話』(大日本図書)、『わたしのあかちゃん』(福音館書店)、『あきですよ』(金の星社)『あかちゃんがいるの!』(大日本図書)がある。東京都在住。06年4月、08年6月、10年5月新潟絵屋で個展。

←「届けられた贈り物」2012年 水彩、紙
  37.0×26.5cm

 津田真帆さんの線は早い。それが「つせはい」と聞こえる早口言葉遊びを思い出す。いろいろなものに、同時に注意と好奇心が向くので、目がくるくる動く生き生きした子供のよう。
 水をたっぷり含んだ筆が紙を走ると、早すぎて土ぼこりが立つ。色がくすむ。だけれども、そのくすみの際から、土や風や空がすうっと裂け、思いがけないものの気配が、光が、音がこぼれてくる。土手や川原を駆ける子の目に、体に、それらがにじんでくるときのように。
 花やかたつむりや動物には、世界はどう見えているだろう。人の目と同時に、それらの目でもすばやく見ようする、そんな動く複眼が感じる世界の色が、津田さんの絵にあふれている。(大倉 宏)

 


 
蓮池もも展

2012年6月12日〜20日

企画 大倉宏
 
蓮池もも「母子」

蓮池もも(はすいけ もも)
■ 1983年新潟市生まれ。2006年fullmoon upstairs、07、08、09、10年画廊Full Moonで個展。新潟絵屋では10年6月に個展開催。12年2月「新潟の画廊から 栗田宏/アンティエ・グメルス/蓮池もも」(ギャラリーKANI/東京中野)出品。

←「母子」2012年 色鉛筆、紙 19.6×24.3cm

蓮池もも展 もうひとつの旅
会場:砂丘館
2012年6月5日(火)〜7月8日(日)9:00〜21:00
月曜休館
 霊的幻視という言葉が、蓮池ももの絵を見ていると浮かんでくる。昼の、外の世界を描いた絵ではない。けれど夜の、夢の世界を描いた絵でもない。覚めて描く人に、それは一つの現実として見えている。けれど他者には見えない、幻の光景。その幻から風のように流れてくるものがあり、見る者はそれを吸い、吐く。その気流の往還のなかに絵が現れる。この呼吸―幻との霊的な交流が蓮池ももの絵の大地を、空気を産んでいる。6年前の初個展以来、その大地と空気は徐々に、時に劇的に変容してきた。昨年の「歩く木」までの軌跡を砂丘館で、母子という思いがけないイメージの現れて来た近作を新潟絵屋で紹介する。(大倉 宏)

 


 
「空のしたで」伴田充展

2012年6月22日〜30日

企画 伊藤純一
 
伴田充「月」

伴田充(はんだ みつる)
■ 新潟県村上市生まれ。1992年に東京芸術専門学校ART研究科を卒業。92年から2001年まで神奈川県の真鶴に在住し東京を中心に活動。2002年より石井玲と共に笹川流れ(現村上市)の眼前に二人の手作りによるギャラリー兼アトリエ「ギャラリーペイジ」を構え、作品制作及び作家活動中。個展、グループ展、イベント参加等多数。新潟絵屋では2008年に続いで2度目の個展。ロゴ等のデザインワークも手がける。村上市在住。
http://page.fem.jp

作家在廊日:6/23(土)、24(日)、30(土)

←「月」2012年 油絵、キャンバス 72.0×60.0cm

 眼前の美しい自然を見るたびに、昔の人も私も同じ風景を見、そして未来の人もきっとまた見続けていく。人の営みとは無関係に自然はそこにあり、そんな自然の力を感じる日々だと伴田さんは言う。今回の作品は、空に浮ぶ月、空の色海の色その境目に一筋の線を入るというものや、闇の中に引かれた一筆の光の境界線を入れるという至ってシンプルなものが多い。究極の風景画ともいえる。
 しかしその切り取られた風景を表現する色と構図は何か抽象画を見ているような気分にもなる。かつて都会で創作活動をしているとき社会に対してのメッセージを抽象的に表現した作品が多かったそうだが、今は素直に感動した心を画面に表す。「人も動植物のように自然と共に生きれたら。空から見ると人はもしかしたら美しい盆栽を汚している様に見えるのでしょうか?」と言った伴田さんの言葉が、宇宙から地球を見た飛行士の言葉と重なった。自然と人間のエゴ、日々自然に接する者は強く感じる現在(いま)なのかもしれない。(伊藤純一)

 


 

■5月6日
 朱鷺オカリナ 〜はっぴーそんぐこんさーと
 (池田早季恵 陶の縁起物展にて)
屋外を観客席にし、30人余のお客さまと池田脩二さんの美しい土笛の音色を楽しみました。


「to 酒と人 〜新潟から始まる酒と人の物語」
酒の都・新潟の人とまちの物語を、酒を切り口にまとめた1冊。
新潟案内本としてもおすすめです。
A4変型112ページ・フルカラー 1,470円(税込)


 

新発売!
「絵を見る話の会」で活躍中の、
「ゆうくん」こと田村佑さんのカセットテープ

「U & I」 600yen(A面 B面 各1曲ずつ収録)

なぜカセットテープなのか? カセットテープは、巻き戻さないとまた聴けない。そして、時間の経過と共に音が劣化し、聴くたびに音に味わいが生まれる。小さい頃に聴いたことがある懐かしい音、もう忘れてしまった音。物なのに人に似ている。アナログには愛がある。カセットテープを聴こう。カセットテープで聴こう。カセットテープになろう。カセットテープ、人、音楽。私の音楽は、ぜひカセットで聴いてほしいと思います。

タシロ便がゆく

絵屋便、DMの配達を担当する絵屋運営委員・田代の12ヶ月
タシロ便がゆく ―草猫が詠む編 その18
指輪選る水無月の髪垂らしつつ 草猫

デパートの照明は明るいけれど、幸せな人はより眩しい。初々しい二人が、あれやこれやとエンゲージリングを選んでいる。ディスプレイに落ちる彼女の長い髪が、幸福感と蛍光灯に濡れるように光っていた。
タシロ…田代早苗(俳人・新潟絵屋運営委員)

俳句の会「紙とエンピツと」 案内人/田代草猫
5/31、7/31、10/31 各回10:30〜12:00(参加料500円/申込受付中)

   

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